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素人が解説してみる・・・米国大統領戦票数決定のシステム

アメリカの大統領選挙が近づいてきました。
この大統領選の仕組みって,分かりづらくないですか?

『アメリカの大統領選は,各州の選挙人が投票する間接選挙で,各州の選挙人の人数は,人口により振り分けられ,選挙人は州の一般投票で勝った方の総取りになる(一部州を除く)。』なんていう説明が散見されますが,これってチンプンカンプンじゃないですか?

という事で,ド素人の私が,これについて少し解説をしようと試みます。
私も以前は全く分からなかったので。
なお,素人が自分で調べて考えたことなので,内容の信憑性は保証できませんので,悪しからず・・・。
また,分かり易さを優先するため,結構大胆な言い方をしています。その点も,ご了承ください。あと,細かい数字は出しません。あくまでも仕組みを知る切っ掛けと思ってください。

さて,米国の大統領選は,2024年は11月5日(火)に行われます・・・というのが一般的な情報ですが,実際は,12月(確か15日)です。
12月に「選挙人」が投票を行い,その結果で大統領が決まります。
この選挙人というのは何か?
実はこれが理解を難しくさせている要因だと思っています。
各種報道では「XX氏は何人の選挙人を得た」なんて言われますが,選挙人と一般人って違うの???
私も詳しくは(誰がなれるのか,とか)知りませんが,ざっくり言ってしまうとこういう事になります。

「各州の11/5の一般投票の結果を,州を代表して12月に国に投票する人」

州の人口に応じて,各州で「選挙人」の人数が決まります(厳密には人口ではないのですが,色々間接的に事情が入ってくるので,ここもざっくりいきます)。この人たちが,一般投票の結果「を」国に投票します。「を」とカギカッコにしました。
AさんとBさんが候補で,11/5に行われるC州の一般投票でAさんが勝った場合,C州の選挙人は12月の国への投票時,必ずAさんに投票します(たまにひねくれた人が出ますが,それは除外)。
つまり原則として,選挙人には選択権は有りません(再度,たまにひねくれた人が出ますが,それは除外)。
そして,AさんとBさん,どちらが何人の選挙人を獲得するのか,が,11/5の一般投票で決まります。だから「間接選挙」なのですね。アメリカは各州で総取りシステムなので(例外州が2,3有るが,除外),C州でAさんが11/5に一票でも多く取ったら,その州に振り分けられた選挙人全員が,言ってみればAさんの味方になり,12月に全員がAさんに投票します。
つまり,一般投票の票数が影響するのは,この各州の選挙人を選ぶ作業に対して,となります。なので,一般投票の合計で過半数を得たからと言って,大統領に確実になれるとは言えません。もう一度言います。間接選挙だからです。
さらに,厳密に人口比であればこういうことは起こりづらいですが,例えば人口統計は10年に一回だったり,などなどで,選挙人の数と州の人口その他は完全には比例しないので,もうそれはそういうもの,と思ってしまいましょう。

この選挙人の人数は合計538人です。人口の少ないD州は10人だったり,多いE州は100人だったりします。
AさんがD州の一般投票で勝ったらAさんの味方が10人増え,BさんがE州の一般投票で勝ったらBさんの味方が100人増えます。これを各州で行い,合計何人の選挙人(味方)を得たか,が,11/5の一般投票で決まり,それぞれの味方が12月に投票して,最終的に大統領が決まります。
まぁ前期の通り,この味方は基本的に裏切らない前提なので,つまり言ってしまえば12月の投票は儀式なので,11/5の結果で大統領が決まる,と言って良いと思います。

民主党支持は都市部に多く,アメリカの大都市,ニューヨーク,ロサンゼルス,サンフランシスコ,シカゴがあるニューヨーク州,カリフォルニア州,イリノイ州などは人口が多いので,振り分けられる選挙人の人数も多いです。けれども,そういう州の数が少ない。
逆に共和党支持は田舎に多く,各州の人口は少ないので選挙人の人数は少ないですが,州の数が多い。テキサス,ルイジアナ,ケンタッキー,サウスダコタ,ノースダコタ,アーカンソー,ウェストバージニアなどなど。
言ってみれば,5(人口)x2(州の数)=10なのか,2(人口)x5(州の数)=10なのか,です(分かりづらっ!)。
ここで鍵になってくるのが,そこそこ都会でそこそこ田舎で,そこそこ人口がいる場所です。アリゾナ州,ジョージア州,フロリダ州,ペンシルベニア州などです。そう,聞いたことありますね?スイング・ステート(揺れる州)です。
人数が多いけど州の数が少ない民主党,人数は少ないけれど州の数が多い共和党,雌雄を決するのは,前記のスイング・ステートで勝てるかどうか。
スイング・ステートがどちらに振れるのかは,その時の情勢によってきます。失業率であったり経済であったり,人口(人種や学歴や職業)の振れであったり。今ならインフレとか移民とか人工中絶へのポリシーなども大きな議論の種ですね。
極端な話,私が具体的に挙げた民主支持,共和支持の上記の州は(もちろんその他のいくつかの州も),ぶっちゃけ投票してもしなくても,結果は99.9%決まっていると思って構わないと思います。なので米国大統領戦の報道については,そういう州の話は殆ど出てきません。前記した(そしてその他にもいくつか有る)スイング・ステートをどちらの候補が取るか,で結果が変わるので,各種報道は,スイング・ステートに焦点を絞っていると思います。ニューヨークは有名だけど,けれどもニューヨーク州の大統領選の行方についてはまぁほぼ100%報道されません。なぜなら,民主党がほぼ間違いなく勝つから。

・・・と,素人がすこしだけ米国大統領戦の仕組みについて話してみました。再度ですが,かなりざっくりした表現をしていますし,色々と例外事項は除外しています。なによりも,少しでも理解の助けになれば,と思って書きましたので,その辺の正確性や信憑性は,期待しないでください。

2024年5月7日記

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