コロナ禍とヴィーガンと闇肉

動物が可哀想、という理由での肉食禁止には反対だと何度かnoteに書いたことがあります。

他の合理的な理由があるのなら議論の余地はあると思っていますが、今回の新型コロナウイルスあるいは以前のSARSなどの問題を受けて、そもそも動物を食べるから感染するのだという理屈を出している人がいるそうです。

さすがにそれは極論過ぎるというか、自分の肉食忌避という思想をコロナ禍に乗じて流布しているだけのように思えるのですが、そもそも肉食というよりも認可されていない動物の肉を食べたことが原因(諸説はありますが)なのだから、家畜の肉は逆に安全と考えてしまうのではないでしょうか。

受精から屠殺まで人間が管理している家畜が、未知のウイルスを人間に感染させる可能性は非常に低いはずです。もちろん、鳥インフルエンザや豚コレラ、牛がかかる口蹄疫など衛生上の問題は存在します。100%安全な肉などありませんが、それは植物由来の食べ物も同じことです。

むしろ、ヴィーガンの肉食忌避思想を突き詰めて肉食禁止を法制化してしまうと、どうしても肉がほしい人はどうするでしょうか?

大人しく宗旨替えして人工肉だけで我慢するでしょうか?

むしろ、数少ない野生動物の肉を求めたり、闇の畜産業者から肉を購入するようになるのではないでしょうか。

野生肉(今流行りのジビエとはまるっきり異なるはずです)・闇畜産肉を違法に扱う業者が、衛生面を重要視して適切な管理体制を取った上で、闇肉を求める一般人に売るでしょうか?

今の時代、低温・冷凍すればネット通販で販売できるでしょう。乾燥・燻製にすれば世界中に誰でも売ることが出来ます。未知のウイルスが世界中に広がるかも知れません。

まあ、それも肉食禁止に慣れるまでの過渡期の間だけ、ということもあり得なくはないですが、それでも危険なことは変わりません。

過ぎたるは及ばざるがごとしとはよく言ったもので、コロナ禍とヴィーガン思想、肉食忌避の問題は分けて考えるべきでしょうね。こじつけた議論にはこじつけた反論が容易だということです。


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