次のワールドカップのフォーマットと過密日程問題

カタールワールドカップの開催期間中に、FIFAが次回2026年大会における実施フォーマットについて、当初予定していた3チーム×16グループによるグループリーグ方式ではなくて、4チーム×12グループでの方式についての言及がありました。まだ本決まりではありませんが、今回大会のGL最終戦の混戦具合を見るに、4チーム×12グループでの方式が選択されそうな気がします。そもそも、3チームによるグループリーグというのが圧倒的に滅茶苦茶なのですが。

問題は、この4チーム×12グループでの方式ですと、12グループから何チームを決勝トーナメントに進ませるかと言うことです。現行方式と同じ16チームですと、12グループの各1位と、2位のうち上位4チームのみがGL突破となりますので、最終戦が3位・4位の消化試合が増えることになります。

とは言え、48チーム中32チームをGL突破としてしまうと数が多すぎる、という意見もあります。しかし、この3分の2という数字は、日本がドーハで涙を呑んだ1994年アメリカ大会までのフォーマット「24チーム中16チームが決勝トーナメント進出」というものと、割合的には同じです。グループ3位でも突破の可能性がありますので、消化試合はほぼ無くなります。

ただ、この場合は「ラウンド32」の16試合が追加されますので、開催期間が1週間は長くなってしまいます。ただでさえ過密日程に苦しむ選手やビッグクラブがすんなり受け入れてくれるかどうかが問題です。

折衷案とするなら、12グループの1位はラウンド16から、2位の12チームのうち上位4チームを2チームずつに分けて1試合を戦い勝者2チームをラウンド16進出、下位8チームで4チームずつに分けて2試合を戦い勝者2チームをラウンド16進出という形でしたら、追加されるのは8試合ですので、大会日程が延びるのは5日くらいでしょう。グループ2位までで通過というのも現行と同じです。

ともかく、次回大会では48チームと巨大化した大会になることが決まっています。合わせて、クラブワールドカップの巨大化も発表していましたが、こちらの方はさらに反発を招きました。ビッグクラブにとって利益はなく、過密日程のさらなる過密化につながりますから当然でしょう。

この過密日程問題が拗れると、またぞろスーパーリーグ構想が再々復活しかねません。FIFAやUEFAが認めない限りは実現しませんが、どこかの組織・団体が切り崩されたらなし崩し的に認められることもあり得ます。

FIFAに反発する国がある程度以上になれば、新しい国際団体を作って、脱退あるいは両属しようとする国やクラブもあり得るでしょう。

リブゴルフとPGAツアーの対立的併存状態を見れば、サッカー界ではそんなことは絶対無いとは言い切れないと思います。もちろん、個人競技かつ国籍があまり関係ないゴルフと、サッカーとでは諸条件が異なることは確かです。

しかし、戦争により排除されたロシア、人権問題で欧州と対立する中東各国、米国と対立する中国だけでは無理としても、アジア・アフリカでそれらの国に同調する国が出てくればどうなるか分かりません。

少なくとも、ゴルフ界を反面教師として、FIFAには汚職やら腐敗やら多くの問題を解決して排除すべきでしょう。そんなことが出来るとは私も思っておりませんが。

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