見出し画像

週刊オールライター第58号 「人生で唯一感動した学年集会 〜『多様性』に救われた〜」

この時期になると、私は思い出すことがあります。その出来事は私が高校3年の頃の12月、つまり2020年12月のこと。何限目かは忘れましたが、授業の時間を利用して3年生全員が体育館に集合しました。その時間の科目もおそらく「総合的な学習の時間」だったように思います。行われたのは、LGBTを支援する認定NPO法人のReBit様を招いての講演会でした。私はこの集会が、人生で唯一感動した学年集会だったように思います。
今回の配信は、その日の思い出話をお届けします。


1. 講演会の内容 感動した要素とは

まず、この講演会から3年が経過し、記憶が曖昧になってしまっている部分もあるのでそれをご承知願う上で本題に入ります。
この講演会は、前述のとおりLGBTを支援する認定NPO法人のReBit様を迎えてのもので、LGBTについてとその人の実際の生活の様子等を話した上で胸に秘めた想い等を語ってくださいました。私は、中学2年の頃にある夕方のワイドショー番組でLGBTについて特集されていたのを見た記憶があり、それをもとに※人権作文を書いて校内予選をパスして全校表彰されたこともあり、気になっていた内容ではありました。
この講演会で主に言いたかったこと、それは「多様性」でした。LGBTは
Lesbian(女性の同性愛)
Gay(男性の同性愛)
Bisexual(異性でも同性でも恋愛感情を抱く)
Transgender(こころとからだの性が一致しない)
この4文字の頭文字をとって名付けられているものですが、理解されにくいのが現状です。特に日本では。
講話では、こうした人たちの思っている「個性」について強調されていて、それを認めることが「多様性」というのだと感じました。こうした部分に私は救われたように感じました。

上記過去記事にもある通り、私は自閉症及び多動性・衝動性優勢型ADHDの「グレーゾーン」です。極端なまでの集中力の欠如やモノの紛失癖、グレなどがありましたが、今回救われたのは思考の「ズレ」でした。
これがどういうことか、西村博之氏の言葉を借りるとしたら「私はウソ(冗談、フィクション)をウソと見抜けない人間である」ということです。
この過去記事は過去のことを書いていますが、今でもこの思考の「ズレ」で悩むことはあります。
その例が「シン・ゴジラ」にあります。その原因は、「無人在来線爆弾」と「無人新幹線爆弾」のシーン。このシーンを初めて見た瞬間、頭の中でパニック症状が起き、思考が止まりました。自分でもなぜこのパニックが起きたか一瞬わからなかったのですが、「フィクションやジョークの苦手は成長しても苦手は治らない」ということを初めて知り、その瞬間にショックを受けました。

私はこういった人間ですので、周囲から浮かれやすいです。なので理由は違えど「多様性・個性を認めてほしい」という利害が一致したこの講演会は胸に刺さり、感動しました。

この経験がのちに「ライターになる」という夢を作り上げた土台にもなっています。詳しくは以下の過去記事をご参照ください。

2. 昼休みの相談会 私はその時大泣きした

その後の感想を言う場面で私は手を挙げましたが、時間が押していたのか、昼休みに相談会を行うということだったので昼休みの相談会に行くことにしました。
そして昼住み、弁当を急いで食べて、相談会をやっている大会議室へ。そこで私は「普通」との「ズレ」を持っていることを語り、その際たる例を次のように語りました。

(注意)
ここから先はカミングアウトの成分も含まれます。この内容でもし気分を害したり、私と性格が合わないと感じましたらブラウザを閉じていただいても構いません。

私は、読売ジャイアンツが好きな人が多い一族に生まれながら、阪神タイガースが大好きで尚且つ巨人が嫌いです。

私を野球趣味に導いてくれた父方の祖父、祖母、父方の従兄弟・従姉妹、叔母といった父方の一族もほとんどがそうですし、母方の一族も巨人好きが多く、祖母方の曽祖父は祖母曰く長嶋茂雄氏の大ファンで、母方の祖父も大の巨人ファンです。祖母もそうです。そんな巨人好きの一族の中で私は孤立しました。
私が阪神ファンになったきっかけは、祖父の取ってくれたチケットで「伝統の一戦」を見に行った際、座った席がたまたま阪神ファンの多い3塁側で、その熱心な応援を目の当たりにして
「阪神ファンの応援って、すごい熱心でかっこいい」
と感動し、
「こんなかっこいい応援をされるチームは素敵だな」
と思ったからです。自分が孤立していると知ったのはその直後です。
私「だけ」が孤立しているという事実にショックを受けて、私は巨人を嫌いになりました。

この事実をもし祖父母が知ったら愛想を尽かされそうで心配で、私が巨人嫌いという事実はいまだに言えていません。相談会で言ったのはこの内容です。

その際、私は大粒の涙を流しました。それでもReBiTの方は最後まで頷きながら聞いてくれました。こうやって頷いて静かに聞いてくれる人が欲しかったこともあって、非常に助かりました。こうして心に溜まっていた膿を涙と鼻水と共に吐き出し、5時間目の体育に出ることができました。

むすびにかえて

今回は、この時期になると思い出す「救われた」経験についてお話ししました。
年末は、年度末・年度始め(3月・4月)や梅雨ごろ(6月)などと並び、心理的に辛くなる時期です。私も最近、年末になると辛いのは事実です。なぜならSMAPが解散させられたのは2016年の年末でしたから。他にも理由はありますが、いちばんの原因はこれです。この当時はまだ私の中に
「『世界に一つだけの花』が心の支えになっているくらい好きで同い年であることに誇りを持っている」
という自覚はなかったですし、尊敬している森且行選手もこの当時はまだ日本一になれていなかったので
「SMAPのメンバーを尊敬している」
という感情はなく、SMAPが好きという自覚はありませんでした。
もしこの当時以前から私がSMAP好きだったとしたら生きていることが辛かったでしょう。とても打たれ弱いので精神的なダメージがひどく、SMAP×SMAP最終回の「世界に一つだけの花」を歌っているシーンで、母と2人で大泣きして慰め合っていたでしょう。

辛いと感じたら電話相談で話を聞いてもらってください、と簡単に言えますが日本人は
「周囲の空気を壊さないために大きな悩み事でさえ1人で抱え込む習性がある」
という悲しい現実があることが認知されていないことが現状です。

それさえ知ってもらえれば勇気が出ると思います。今はこれしか言えません。

最後に相談窓口の電話番号を添えて締めたいと思います。
それでは。

・こころの健康相談統一ダイヤル

0570-064-556

・よりそいホットライン

0120-279-338

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?