【UX名古屋】カスタマージャーニーマップ(CJM)

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【日にち】 2019/11/19
【主 催】 @uxnagoya さん
【内 容】カスタマージャーニーマップ(CJM)
【テーマ】自身がコミュニティや勉強会に参加した際のCJM
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今回はテーマに関する内容ではなく、CJMの使い方などを記載しています。


1.カスタマージャーニーマップ(CJM)とは?

商品やサービスを、認知~利用した後までの「顧客の行動・思考・感情など」を言語化して見える形にしたツール。なおCJMには下記の2種類がある。
■ AS IS モデル:現状を描いたCJM
■ TO BE モデル:未来を描いたCJM


2.なぜ「行動」だけでなく「思考や感情」も書くのか?

人は「思考や感情」を元に「行動」を起こす。

つまり、
顧客の「行動」を理解するには、
顧客の「思考や感情」も理解する必要がある。

「 行 動 」を起こす。
  ↑   ↑
「思考・感情」

同じ「行動」であっても、顧客の「思考・感情」が異なると、企業の打つべき施策は変わってくる。
施策を検討する際は、出来上がったCJMを見ながら、顧客の思考や感情を企業が望む状況(顧客がこのサービスを使う事で○○を知れて良かったと思うなど)に変化させるにはどうすれば良いか?を考えると施策が検討しやすい。

(例)
行動:好きな人に手料理をふるまう
思考①:相手の健康面が心配だから手料理を作りたい!
思考②:私の手料理で絶対にこの男を落とす!!
施策①:健康状態に合わせて必要な栄養素・食材をピックアップし
    その食材の組み合わせからレシピを提案するアプリ
施策②:男性のタイプ別に、人気レシピを表示するアプリ


3.CJMの感情曲線へのアプローチ(施策の打ち方)

感情のマイナスが一番強い部分に対して、施策を打つ事でプラスにする(―を+にする)方法の他に、プラスの強化(+を++にする)という施策もアリ。チームでCJMを扱う際は、「感情曲線のどの場面に施策を打って、顧客をどのように変化させたいか?」を話し合う事が大切。そのあと解決すべき課題の優先順位を判断する。
※顧客の感情にメリハリを出す為に、感情曲線が大きくプラスに上がる(++)直前に、あえて顧客の感情を下げる (+をーにする) 施策を打つ場合もある。


4.どうやって顧客視点のCJMを作るか?

【疑問】
CJMは顧客視点で作成しなければいけないのに、自分視点なCJMになっているのでは?と感じる。どのようにして自分のバイアスを除去した、顧客視点のCJMを作成するのか?

【答え①】
CJMを顧客側と企業側に分けて書く

CJMは顧客視点で作成する必要があるため、企業の顧客に対する願望(できるだけ高額な商品を買ってほしいなど)をごちゃまぜにして、CJMを書いてはいけない!そうは言っても、収益性などの面から企業はどうしても自社都合をCJMに盛り込みたくなりがち…
そこでCJMの下段に企業用の項目を設けるのがオススメ!
(例)企業用の項目に書く内容
・企業側の思惑
・顧客にこう動いてもらいたい
・収益に関する願望

(例)忘年会の幹事さん+お店側のCJM
※後日、グロービスのグループワーク用に作成したもの

CJM練習_忘年会


【答え②】
顧客インタビューの際に、自分のバイアスを入れずに顧客の価値観を収集できれば、その後に作成するCJMは顧客視点のCJMが出来上がる!

自分のバイアスを入れずに顧客インタビューを行えるようになるには、「心や思考を分析する力」を強化する必要がある!自分の心や思考を分析できない人は、他人の心や思考を分析する事はできないから。

私は知人にインタビューを行った際、商品の購入理由を聞くと『なんとなく』という答えがよく返ってきた。「だーかーらー、なんとなくって、なんだよ?!」って、いつもなんとなくの壁にぶち当たっていた…。と言いつつ、私自身も○○を買った理由を聞かれても、答えは…『なんとなく』だったりする。

という訳で、自分自身への宿題を決めました!

【宿題】
毎日1商品、購入した理由を言語化する!
自分の購入理由の『なんとなく』を深堀して、言語化する。
スパルタ特訓あるのみ❤
※私は ”言語化” がスーパー苦手です。

またCJM作成で心や思考の分析をする際に、バイアスが入りやすいのは、他人のCJMではなく、自分自身のCJMを作成する時なのだそう。
自身のCJMを作成する際は、ネガティブな原因を自覚していても、自分が傷つきたくないという理由で、本心や事実から目を背ける事が多いが、他人の分析なら自分が傷つくことはないため、客観的視点でフラットな分析ができるとのこと。


5.後日談 ~「TO BE」CJMの作り方について~

UX名古屋で実践した「自分のAS ISのCJM」は自分自身の事なので、行動・思考・感情を書く際、あまり迷う事なく書けました。でも実務で使うのは「顧客のTO BEのCJM」。

グロービスの授業でグループワークをした際、このTO BEのCJM作成時に、すごーく悩みました。実在しないペルソナが、未経験なスタジアム観戦をするという、TO BEのCJMをどのように作成するのか?しかも自分視点ではなく、顧客視点で作成しなくちゃいけない…

そこで下記のようなステップで対応しました。

①AS IS
 スタジアム観戦経験のあるグループメンバーが自身のCJMを作成
②顧客インタビュー
 ペルソナの要素を持つ知人にインタビューして、ペルソナの価値観を把握
③TO BE
 ①のCJMに②の要素をブチ込んで、ペルソナのCJMが完成

②の段階で、インタビュー内容の羅列でとどまらせず、共感マップに落とし込み、ペインとゲインを抽出した事で、ペルソナの心が震えるポイント(MoT創出ポイント)を把握してから③の「TO BE」CJMを作成したので、自分視点ではなく顧客視点なCJMを作成する事ができました☆