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人生は「課題と向き合う」の連続⁉「逃げると同じ課題が必ず出現する理由」

以前に属していた組織で、いつも毎日、誰か怒鳴っていた後輩の男性がいた。

彼の口癖は「許せない」。

怒ることが常態化しており、眉間には深い皺が刻まれている。

ほとんどの人間が「あんな短気で険のある人間とは付き合いたくない」と距離をとるので、孤立は避けられない。
「それだけ他責に走ると、そりゃあそうなるわな」と僕は彼の因果を遠巻きに観察していた。

数年前、彼と会う機会があったのだが、穏やかな人間に変化しており驚いた。

まだピリピリした感じは少し残るものの、以前発していた攻撃的な言葉が影を潜め前向きな言葉が増えていたのだ。

彼は言う。「ずっと人のせいにして逃げ続けてたんですけど、逃げても逃げても同じ課題がやってくるってわかったんです」「なので人生をよくしたければ、人のせいにせず『自分を変えよう!』と覚悟を決めるしかないってわかりました」と。

積年の怒りや恨みの原因が、深い悲しみであることに気づけたのだろう。

「許せない」という言葉を率先して使っていた頃の彼は無意識に「どうすれば人を許さなくて済むか?」という行動原理で動いており、そのような選択をしていたように思える。

自分を本気で変えようとした瞬間から、これまで出会えなかった人と出会えるようになったそうだ。

僕も同じような経験がわかる。

現在40代の僕は今ナルシストの研究家を自称している。30代まではナルシスト次から次へとやってきて僕の心を貪り続けた。

しかし、僕が彼らを呼び寄せていたとも言える。

人間レベルが同じだったので、引き合っていたのだ。

僕の自己肯定感は今でもそんなに高いものではない。しかし結婚して以前よりも前向きに生きようと決意することで、ものの見事にナルシストたちは姿を消した。

まるで結界が張られたかのように、僕の領域に入ってこなくなったのだ。

ナルシストは、さかんに挑発行為を繰り返す。だから僕は徹底して距離をとった。感情的な反応を示すのをやめたのだ。「彼らの挑発に乗ると同じレベルになる」と無視を決め込むことで「ひどい言葉を投げかけても、心理的な栄養を与えてくれないのか?」と悟り、去っていく。

興味深いことに、今は成熟した元ナルシストの人たちがやって来ることがある。彼らは自分の傲慢さを自覚していたり「自分には人を見下す癖があるから、治したいと思っている」と正直に語る謙虚さがある。こういう人は自分の欠点を受容できているので、コミュニケーションが可能だ。

さて「許せない」が口癖だった後輩の彼は、今、自分も他者も許そうと取り組んでいる。格好をつけることなくがむしゃらに取り組む姿勢を見て「協力させてよ」とサポートを買って出てくれている人もそうだ。

人生を変えたければ、今の自分の課題をしっかりと認識して、地道な取り組みを続けることが大事だろう。

僕も今、新たな課題に取り組んでいる最中なのでわかるが、はっきり言ってつらい。課題はすぐにクリアできるものではないから、向き合うことが求められる。

ただし課題から逃げると、形を変えてまたその課題はやって来るのは身を持って体験している。

課題から「久しぶりやな。また来たで」と言われるのは腹立たしいので、向き合いつつも「すぐには根本解決できるわけではない」という姿勢でじっくり取り組んでいる。

すぐに解決できるようなものであれば、それはそもそも重要な課題ではないのだ。

あなたが今、向き合いたい課題、向き合わざるをえない課題、向き合いたくない課題は何だろうか?

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