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【双子妊娠の振り返り】おめでとうございます!双子ですね。 と言われた日のこと

妊娠中や出産の記憶は、不思議なことにどんどん抜けていく。
双子妊娠は100人に1人と言われており、自分でいうのもなんだがレアなケース。
自分のためにも、備忘録として残しておこうと思う。


はじめに


2回目の妊娠が発覚したのは、長男の育休が明け、仕事復帰した年だった。
2人目が欲しかったものの、仕事に慣れてきたころだったので、
正直なところ嬉しい気持ちとまたお仕事をお休みしてしまう、という寂しさにも似た未練が入り混じっていた。


双子妊娠を告げられた日のこと



妊娠初期、2度目の健診に行った。うまくいけば心拍が取れる時期で、若く優しい女医さんが内診してくださることになった。
すると先生が突然、

ハセさんちょっと待っててくださいねー!
〇〇先生いる?診察終わったらこっち来てって伝えて!

と助産師さんに指示を出した。




ん?え?どういうこと?



頭の中はプチパニック状態で、股を広げてしばし待たされる。
男性の先生が来てくださり、2人で何やらこしょこしょ話をしている。



終わった。普通妊娠じゃ無いんや。私病気なんか?それとも赤ちゃんの方?




そう思ってたら、カーテンがバッと開かれた。



はせさん、おめでとうございます、双子ちゃんですよ〜!!






人は予想外のことを言われると、冷静になるらしい。

私が思ったことは以下の通り。



部屋がねぇ(子どもは2人までと思っていた)
トイレがねぇ(家を建てる時1つしか作らなかった)
ミニバン買わなきゃ、皆乗れねぇ(日産ノートを乗り潰す予定だった)

吉幾三氏並みの、ねぇねぇねぇ、である。
嬉しい、とか、そういう感情ではなく、現実的なことばかりが頭の中に浮かんだ。
心拍も2人分確認できていたのだが、まだ初期流産の可能性もあるのに、そんな心配をする余裕は私にはなかった。


先生からは、

•双胎妊娠は安定期がないこと。
•多胎妊娠のパターンが3種類あること。(一卵性、二卵性という分け方ではなく)
•妊婦健診は、2週間に1回は来てもらうこと。
•おそらく管理入院をすることになること。

以上のことを、説明された。
元々総合病院に通っていたので転院等の必要はなかったが、ほとんど無。の状態で聞いていた。

ちょ、ちょ、
ちょっと混乱しているので、とりあえず次の健診は主人と一緒に来てもよろしいでしょうか?

そう言うので精一杯だった。

長男の妊娠発覚時との気持ちの差


長男の妊娠が分かった時は、それはもういろいろな感情が溢れてきた。
とにかく嬉しい、でも心配。つわりが不安。それでも母になったのだから、頑張らなくては。この子を守れるのは私しかいない!!

妊娠が2回目だからか、それとも双子だからなのか。
診察直後、長男の時のような感情が全く湧いて来なかった。
ちなみに夫に連絡すると、彼もその時は苦笑いで、後から聞くと私と同じように、車買い替えなあかんな。と思ったらしい。




正直に言う。
私は、あの日、双子妊娠を喜べなかった。感情がすっぽり抜けてしまって、事実と向き合うことだけに必死だった。
そして次第に、心配事ばかりが浮かんだ。
長男はどうなる。夫に負担がかかる。私の仕事は続けられるのか。そもそも無事産めるのか。
妊娠は奇跡なのに。ありがたいことなのに。


私は困ってしまったのだ。

そして、妊娠を喜べない素直に自分に嫌気がさした。
そもそもなんで私が双子の母・・・?
全然理解できなかった。

けれど、産み育てている今、あの混乱は仕方なかったと思う。
だって、100人に1人のレアな出来事。そりゃ経験している人は少ないし、1ミリも想像していなかった未来だったから。
仕方ないよ。困っちゃうよね。

なんとかなるもんだ



双子と告げられて1年以上、そして、出産から半年が経った。
あの時のワタシ〜。
今はなんとか生活できてるよ!
それなりに楽しいし、マイノリティ育児も悪く無いよ。

見えない景色が見えてくるから。
人生なんとかなるもんだ。

そういってあの時の自分の背中を押してあげたい。


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