「ホテル・ルワンダ」

#映画感想文
なんて素敵なハッシュタグ!!映画好きの私からしたら絶対絶対書きたいと思ってこの企画に参加させていただきました。映画好きと言っても興味のある作品しか観ないので、月に〇回観ます!!って感じではないのですが....😅 そんなわたしが今まで観た作品で特に印象深かったものを紹介していきたいと思います。

まずはタイトルにある作品です。この映画は、高校の授業で先生が紹介してくれたノンフィクション映画です。ノンフィクションといっても幅広いですよね。残虐なシーンが多い作品は精神的に正直きついですが、コミカル要素が入っているものもたくさんあります。東日本大震災関係の作品や戦争映画など、映画が世界や過去の現実を知るきっかけになっています。

前振りが長くなりましたが!!今回わたしが紹介したい映画は「ホテル・ルワンダ」 

 これは、1994年にルワンダで勃発した大量虐殺を扱った作品です。当時、ルワンダは二つの民族が暮らしていて、その民族闘争で多くの人々が亡くなりました。フツ族の過激派が同族の穏健派やツチ族を大量虐殺するという状況下、命を狙われている人々を自分が働いていたホテルに匿ったホテルマン、ポール・ルセサバギナさんの話がもとになっています。大昔のことではなく、たった27年前の現実です。つい最近の出来事なのだと考えながら、この先を読んでいってほしいです。

 「民族間の対立が理解できない」「なぜそこで争いが生まれてしまうのか」という意見がありますが、それを生み出しているのは紛れもなく周りの国々、主に先進国だと思います。このルワンダ大量虐殺では、ルワンダを植民地にしていた旧宗主国であるベルギーが関わってきますが、日本も少なからず関係しています。
 そもそも、二つの民族は同族でした。しかし、ルワンダを植民地にしていたベルギーが、自分たちの勝手な都合で民族を二つに分けたのです。分け方は牛の所有数や微妙な外見の違い。見た目はほとんど変わらないのにわざわざ同族を少数派と多数派に分けて、時代によって優遇する民族を転換していました。その後、両者の抗争が激化して映画の内容に繋がります。
 町のあちこちで虐殺されているシーンは実際の映像が出てきます。遠目からの映像でしたが、なんとも言えない不穏な空気と緊迫感が漂っていました。

 この映画は、大虐殺の残酷さの他に国際社会の対応についても考えさせられる映画だと思います。映画には国連軍が出てくるのですが、彼らは戦いに介入することができません。なぜなら、持っている武器は自衛のためにしか使えない武器であり、目の前で人が殺されそうになっていてもそれを止めることができないのです。怪我をしてる人を救助したり、ホテルに匿われている難民を安全地帯に援護することはしますが、過激なツチ族を射殺することはできません。

 そして、諸外国。虐殺が始まってから、ルワンダ国内に残っている外国人はそれぞれの国の援助で脱出することができましたが、絶望的な状況に置かれているルワンダ国民には救助の手を差し伸べませんでした。その理由は、お金をかけてこの国を助けるメリットが自分たちの国にはないから。アフリカの小さな国の民族紛争に介入するリスクを取れなかったのです。他国の紛争にどれだけの犠牲を払えるのか、これは、世界のどの国にも当てはまる問題だと思います。もし、自分の大切な人が紛争地域へ派遣されるとしたならば、わたしは行ってらっしゃいと言えるかどうか自信がありません。

目を背けたくなるような現実でも、過去に何があったのか知りたいし知るべきだと私は思うから、これをきっかけに社会的な出来事が描かれている映画を観るようになりました。間違いなく、私にとって影響の大きかった映画です。


最後に、印象深かったシーンを紹介してこの記事を締めることとします。

主人公のポールは、虐殺が行われているルワンダを撮影していた外国人記者に「この映像を報道すれば世界は私たちを助けてくれる。この残虐行為を見れば必ず誰かが助けにくる」と放映を催促します。その言葉に対して、外国人記者はこう続けました。

「世界の人々はこの映像を見ても、怖いねと言うだけでディナーを続けるんだ」


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