見出し画像

お医者さんのお給料(英国NHS)

昨日、家計簿公開してインカム部分はぼかしたけれども、実は、ぼかす意味はあまりないのです(kinaさん、鋭いご指摘です)。

英国では医療は国立なので、お医者さんはみんな公務員、誰がどれだけのお給料をもらっているのか、ネットで調べるとすぐわかります(何年目とかそういうことがわかればもっとピンポイントでわかる)

私はSpeciality doctor (専門医)なのでココ

コンサルタントと呼ばれる上級専門医のポジションがあるので、コンサルタントの場合はココから

一目瞭然ですね。

確かに、日本でドクター業をやっていた時には、今現在よりもお給料は高かったのですが、

ちょっと待ってください。

なんと言っても、それは働いている時間が今の2倍でした。

2倍働いていたけれど、給料は2倍ではなかったわけですから、実質、日本の方が割りが悪い。今考えれば、あれだけ働いて、あれだけのお給料だったのかと今になるとひしひしと大変だったことがわかるのです。今考えてもドクターにはいつも隙のない守り体制が求められ、すべての指示のもとであり、プラス、働きすぎて疲れているからどうしても余裕がありませんでしたね。

それなのに!

残念なことに、日本では患者さんから見るとドクターは金持ち・金儲けみたいに見えるらしく、それは辛い。

金が絡むといちゃもんがやっぱりつくことはつく。いちゃもんのつく率は(私的観察によれば)

北京>>>>日本 >>英国

と大きな差があります。これは「金払ったんだから」という気持ちがセットになっているせいだと思うのです。

NHSの医療費タダ*システムはいいところ悪いところもちろん両方あるけれども、医師側からすると非常に働きやすいです。患者さんは誰も、ドクターたちが儲けようとして治療Aや手術Bを勧めているのではない、お金儲けをするために働いているわけでない、お医者さんはお金持ちではない(お給料も上記のように公務員という明朗会計化されている)、という理解があるので、とにかく気持ちが良い。診療中に、患者さん側もドクター側も、お金のことに一切触れる必要がないのは時間の無駄にならない。(*タダと言っても税金から出ているわけで、国民負担は実は大きい)(国際比較によると一人当たりの負担額は日本と変わらない金額)。

100%私立の病院(北京にて)勤めていた時には、何分診療すればどれだけ請求され、薬一つ、検査一つ、書類一つ、全てお金がかかるため、レントゲン一枚撮るのに、なぜ撮る必要があり、いくらかかり、放射線の危険性まで話す必要があり、もう消耗しまくりました。説明不足であればお金を払わないという強者の患者さん(や、保険会社)までゾロゾロといるのです。もしくは検査で異常がなければ、しなくてもよかったんじゃないかという後出しジャンケンとかね。お給料も自分が患者さんに請求した中のX%という形でもらうわけで、どんどんじゃんじゃん治療しないとお給料がもらえませんでした。つまり必要性についてグレーゾーン状態であれば治療・手術する方を薦めるということになります。

日本の場合は、この中間です。NHSの(その場では)一才医療費がかからない0%と、北京市立病院の自己負担の100%の間、日本の健康保険適用30%が平均ですね。

まあ特殊な北京での例は置いておいても、日本でも自分の病院を作ったり開業したりしている経営者としてのお医者さんであれば、ビジネスとしての視点、立場にある人が多くいるわけです。困っている状況にある患者さんをうまく利用するってこともできるわけです。

教育や医療のような生活に必要最低限なものはお金儲けとしてビジネスにするのではなく、学校の先生が純粋に「教育だけ」に専念できるように、お医者さんがお金のことを話すことなく「治療にだけ」専念できるようにインフラとしての認識の方がいいのではないかとつらつらと思います。そうはいっても英国NHS体制は問題色々抱えておりますが、ドクターの立場からするとずっと働きやすいです。

まとめ

• 英国ではお医者さんは公務員、給料も公開されている

• 日本ではお医者さんはお金持ち、金儲けをしているというイメージがある(かもしれない)けど、実際は働きすぎだし、給料は勤務時間や勤務内容に照らし合わせればそれほど高いとは思えない

• 英国では医療はインフラ。日本では医療がビジネスにならないように願うばかりーお医者さんがお金のことを気にせずに治療に専念できる環境を整えてあげられるのが一番良いと思う






この記事が参加している募集

仕事について話そう

いつもありがとうございます。このnoteまだまだ続けていきますので、どうぞよろしくお願いします。