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2023年、中国酒業界に起きている変革。

干杯!

最近、中国酒界隈にさまざまな動きが見られて、活発になってきているなぁと思うので、2023年について振り返ってみようと思います。

どのような点で活発化を感じるかというと、下記の通りです。

  • 紹興酒専門資格「侍酒師(ソムリエ)」が始動!

  • 現地の黄酒メーカーが動き出した

  • 新しい黄酒が増えていくかもしれない

  • 台湾の酒も熱い!日本で飲めるクラフトビールが急増中

  • さまざまな黄酒プロジェクトが増えてきた

ちなみに、今年一気に動き出したというわけではなくて、ここ2年ぐらいで感じている変化であります。今年に入って、さらに加速してきたっていう感じですね。

では、それぞれについてまとめていきます。

紹興酒専門資格「侍酒師(ソムリエ)」が始動!

以前から関わってきた紹興酒専門家資格ですが、一期生20名が厳選され、スタートすることになりました。僭越ながら僕もそのうちの1人として選んでいただきました。

先日、大々的に盛大な紹興酒の会が開催され、その中で正式に発表もされました。

帝国ホテルで盛大に開催されました。
紹興酒最大手の紹興酒酒蔵「古越龍山」が主催。
一期生としてボトルに名が刻まれました・・・!

中国酒の資格としては、中国酒類鑑定士というものが存在しますが、今は活動がストップしています。日本酒は唎酒師、ワインはソムリエなどがあるように、中国酒にもこういう資格ができることはものすごく重要な出来事だと思います。

僕も常々必要だとは思っていたけど、立ち上げるまでには至りませんでした。主導している古越龍山の夏さんは、本当にすごいなぁと思います。

まずは6月末から一期生の講座がスタートします。一般公募は今年の秋〜冬ぐらいになる予定です。僕たちは講座を受けながら内容をブラッシュアップしていくためのご意見番、といったところでしょうか。責任を感じます!

新しい黄酒の流通が増えてきた?

日本で中国酒といえば、紹興酒。これまで主に「加飯酒」と言われるタイプの紹興酒が流通してきましたが、その流れにも変化が感じられます。

例えば、善醸型の紹興酒がちらほら販売されるようになってきました。

善醸酒とは、仕込みの水に若い年数の紹興酒を使用するという非常に贅沢な紹興酒。味わいはやや甘口で、コクが感じられます。

越王台18年の善醸酒。一升瓶!

さらに、ノンカラメルタイプの紹興酒が増えてきました。今まで同様、加飯酒ではあるのですが、カラメルを使用している加飯酒よりも味わいはドライで明らかな違いが感じ取れます。カラメルは主に着色のために使用されるため、ノンカラメルタイプは色味もクリア。

単品で飲むと「ん?」と思われる方も多いかもしれませんが、料理と合わせるという点においては、ペアリングの幅がめちゃくちゃ広がります!これ、お店で働く側にとっては、非常に嬉しいことなのです。選択肢が増えれば選ぶ楽しみも増えます。

カラメルを使わない紹興酒は、こんな色!
年数は3年物でかなりスッキリ!好きです。こちらはカルディで購入できます。
雲集という善醸型の紹興酒。こちらもノンカラメル!お手伝いしているお店でも人気の酒です。

さらに、紹興以外の黄酒も入ってくるようになってきました。まだまだ大きな動きではないのですが、これも重要なエポックメイキングだと感じています。

というのも、これまで紹興市以外の黄酒は、ひとつの会社しか仕入れてなかったんです(僕がいた会社です)。でも、そこを切り開く販売会社が他にも出てきたということ。心強い!

↑嘉善という浙江省北部にある都市の黄酒「西塘老酒」です。この黄酒の味わいはレモン感と穀物感が綺麗に融合していて、衝撃的でした・・・!

黄酒って何?という方はこちらの記事をご参考ください。

黄酒を仕入れるのは簡単なことではないのですが、やはり流通している銘柄数が少ないままだと、興味を持ってくれる人がいてもすぐに飽きられてしまいます。日本で飲める銘柄数が増えていくことは重要なことだと僕は考えます。

現地の黄酒メーカーが動き始めている

先ほど書いた専門家資格が発表されたイベントは、古越龍山という中国最大手の紹興酒メーカーが主催でした。当日は、同社のお偉い方々や杜氏さんなど、多くの中国人が参列されていました。

本当は、もっと早くにこういう光景があったのだと思います。中国の黄酒メーカーは、同じ米の酒文化を持つ日本の酒蔵と交流を求めています。

それができなかったのは、やはりコロナが大きな壁となっていたのはご理解いただけることだと思います。

コロナが5種扱いとなり、コロナ禍が収束したといってよい今、障壁はほぼありません。まだビザが取得しづらいなどの問題はありますが、今後、日中間での交流は活発に行われていくでしょう。

僕も水面下で黄酒メーカーさんからのご依頼があり、商品発表会のお手伝いをしています。これはまた別途お伝えしますが、以前に書かせていただいた記事の中で紹介したメーカーさんが近々来日されます。

こうした動きは、僕自身も非常に楽しみにしています。どんどん交流してほしいですね!僕もお手伝いできるところがあれば積極的に動いていきたいと思っています。

台湾クラフトビールが増えてきてる

中国とはまた異なりますが、台湾の酒が国内に増えてきていることも注目したいところです。

特に、クラフトビール!

苦味の中にコク・甘味が感じられるSUNMAIのクラフトビール
甘味の正体は蜂蜜でした!

流通している種類が増えたからか、最近では台湾のクラフトビール専門店もできたりしています。

台湾の黄酒事情は情報があまりないのですが、こちらも何か動きが起きていくことに期待しています。

黄酒に関わるプロジェクトが増えてきた

最近、ありがたいことに周りの方から黄酒にまつわることでいろいろとお声がけいただくようになりました。

「レストランのスタッフに向けて黄酒の勉強会をしてほしい」

「紹興酒のクラウドファンディングをやりたいので手伝ってほしい」

「黄酒の商品発表会を開催したいので手伝って欲しい」

以前はこのようなこともなく、1人で勝手に自由に情報発信しているだけという感じでした。でも、声をかけていただくことが増えて、周りが動き始めてるなぁと。全体的に動き出しているんだなぁという印象です。

本を出版することになったという事実も大きく影響しているでしょう。何者でもない僕に声なんてかけませんよね笑

ちなみに、本は無事スケジュール通りに進んでおり、9月に出版予定です。この出版に紐づいて、出版社の方と共にさらに新しいプロジェクトが立ちあがろうとしています。

先日打ち合わせをしてきたのですが、実現できたらいいなぁと思っています。


ざっとまとめるとこんな感じでしょうか。その他、白酒や中国ワインの動向も気になるところです。

僕自身はあまり大きな動きを作れるわけではないですが、自分なりにできることをやっていきたいと思っています。

↓↓↓最後にお知らせ↓↓↓

▼紹興酒を詳しく知りたい方へ

紹興酒ってなんで紹興酒っていうの?
紹興酒って何から作られてるの?
紹興酒ってどこで買える?
おすすめのブランドはありますか?
・・・etc

そんな疑問に回答したいなと思い、YouTubeで解説動画を作ってみました。40分とちょっと長いし、アングルが変わるわけではないので、聞き流し推奨です(笑)

主に僕のWEBにアップしている内容をお話しています。テキストジャンキーな皆様はこちらをご参照ください笑


主に中国酒にまつわる活動に充てさせていただきます。具体的には中国酒関連のイベント開催費や中国酒の研究費、現地への旅費、YouTubeの制作費用などです。お力添えを頂けたら嬉しいです!干杯!