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刺激的な場所はこんなに近くに。 全米を渡り歩いた敏腕プロデューサーが地元目黒に見つけたセレンディピティの中心とは?

Impact HUB Tokyoは起業家による起業家のための人と人とのつながりを活かして各人が事業を加速させ、繋がりを通して変化と成長を起こすコミュニティであり、「People first, place later」の精神を大切にしています。

今回#IHTの中の人で紹介するのは、2016年よりチームに加入したコミュニティビルダーのKieさん。


 「今でもはじめて扉を開けた瞬間を鮮明に覚えています。なんだか異次元にワープしたようなカルチャーショックを受けました。ものすごいエネルギーを感じて、ここに棲息する生きものを私は知るべきだ!と、勝手に一人で運命を感じていました。」

 
驚くべきは、世界一流のエンターティメント業界で活躍してきたという華々しい経歴。そんな彼女が、なぜ目黒の元印刷工場へ足を踏み入れ、この世界におもしろみを見出したのか。

そこには、誰も見たことのない、ワクワクする世界を作りたい!という想い、第6感を刺激する新しいものへの謙虚な探究心。
アイディアの起源がたくさん詰まったこの場所を
世界的にブランディングしたいという思いがありました。

柏木 貴恵 Kie Kashiwagi
コミュニティビルダー|Community Builder,
プロジェクト・メディア対応担当|Project & Media Lead
2016年よりチームに加入。学生時代からの海外生活で得たダイバースで豊かな体験や知識を活かし、持続可能なコミュニティのカルチャー作り、経営戦略、人材育成、メディア対応を担当。

四半世紀に渡るバブリーで華やかと思われがちなキャリアは、ハリウッド映画製作・全米メジャースポーツイベントの衛星放送中継・テレビ番組制作・ミュージカル興行など、世界一流のエンターティメント業界でのプロデュース一筋、自他共に認める天職はまさにプロデューサー!笑顔が絶えないチームメンバーと、ワクワクどきどきするようなネクストチャプターを邁進中。

全力疾走だったプロデューサー時代


——ハリウッド映画製作・全米メジャースポーツイベントの衛星放送中継・テレビ番組制作・ミュージカル興行などのなかなかない経歴をお持ちですが、どのような流れでこのようなお仕事をしていたのでしょうか。

 欧州での学生生活を終えて帰国した直後に、当時日本では珍しいキャスティングディレクターという職に就きました。ハリウッド映画やコマーシャルに俳優や外国人モデルをキャスティングする形で作品に参画、そこで巨匠から新進気鋭までさまざまなクリエーターから一流を学びました。

時代は日本の大企業がこぞってハリウッドの映画配給会社を買収しているバブルの真っ只中、その波に乗るように代表取締役ファミリーに連れられビバリーヒルズに移住しました。今振り返ると当時30代で2児の母でもあった元祖女性起業家の背中を追いかけていたから今日の良縁があるんだなと、感慨深く思い出します。

その後も高見を目指し、600分の1のポジションだった日本初のスポーツ衛星生中継を手掛ける広告代理店の渉外担当として、日本とアメリカを行き来しながら時差にも負けずせっせと働きました。テレビ番組制作会社で語学を武器に世界中の大富豪や秘境の原住民を追い求め、24時間戦士のように庶民クラスのジェットセッターをしていました。

テレビマンの師匠であった豪腕プロデューサーに10年かけて一人前に育てて頂き卒業、ご縁あって別のテレビ番組制作会社に移籍、ミュージカル興行部の渉外担当プロデューサーとして、ラスベガスで孤軍奮闘していました。

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——ハリウッド、ラスベガス、ニューヨークと全米各地で働いていたKieさんが、なぜ目黒のImpact HUB Tokyoで働くことになったのでしょうか?

 クリエーターがプロボノ活動をしているNPO団体があり、そこの理事に誘われてスキル登録説明会に参加したのがはじまりです。足を踏み入れた瞬間に、なぜか欧州時代の懐かしさを感じて・・・気がついたらパートタイマーの面談を受けていました!

刺激的な場所は家からこんな近くに。HUBはすべてのセレンディピティの中心のだった場所

 私は目黒生まれの目黒育ちですが、こんな近くに求めていた刺激的なコミュニティがあったとは・・まさに灯台もと暗しでした。ここは、アントレプレナーシップのゲートウェイが世界に向けて開かれていて、アイディアの起源やチャンスがたくさん詰まった場だと分析しています。偶然は必然、ご縁を持っているから手繰り寄せられたというか、セレンディピティは、ここ私の原点にあったのかと、目からウロコでした。

 NYに残って起業する選択もあったし、ラスベガスでプロデューサーとしての道を極めることもできたかもしれない、イギリスに帰ることもできたなど、幾度となく人生の帰路はありましたが、なぜか戻るのはいつもここ、目黒であることに腹落ちした瞬間でもありました。

プロデューサーという肩書きがチームビルディングを邪魔した初期

——長年働いていた業界ではある意味人を引っ張っていくような立場で、全く違う環境ですが馴染むのは大変だった部分もあったのでしょうか。

 会社が次のフェーズに入ったような手ごたえを感じていた時に、フルタイムのオファーを頂きました。コミュニティのカルチャー作りを担当するという大役も仰せつかったのですが、気負い過ぎていたのか、長年会社に属し上下関係を慮る組織に慣れ親しんでいたからなのか、自分の価値観を押しつけすぎてチームやメンバーと衝突することも多々ありました。

今思えば自分自身に憤っていただけだったのですが、一緒に働いていておもしろいと思えるチームに助けられ、今はすっかり馴染んでいるのではないかと勝手な解釈をしています。

経験したことを教える立場では自分の学びはない。
チームメイトから刺激を受ける環境


——華やかな世界でプロデューサーをしていた経緯がありながら、おもしろいと思って馴染んでいけるのはすごいですね。

 最初は戸惑いもあり、ものすごく切磋琢磨しました。私は、華やかなキャリアパスを歩んできたといわれるのが窮屈で原点回帰したはずなのにと、日々自問自答を繰り返していたら、自然に襟を正すことができました。意外と簡単にそれができたのは、こんなヒリヒリ感満載な刺激をくれるチームからの学びがなくなってはならぬと、人生初の危機感と焦りを覚えたからだと思います。


場のカルチャー、空気づくりをする役割。
形のないコミュニティ作りの面白さ


——コミュニティのカルチャー作りをする上で意識していることはありますか?

 カルチャー作りには、場とヒトが心地よいと感じる流れを作ることが大切ではないかと考えています。目の前にいるヒトが、本当に言わんとしていることはなんなのかに耳を傾け、真意を読み解くための洞察力や観察力を研ぎ澄ませながら、適度な距離を保って相手と交わる場を担保することに意義を見出すようにしています。

 分け隔てなく目線を合わせてくれるヒトと言ってもらった言葉を糧に、ヒトとヒトの架け橋になれるようなコミュニティビルディングに励んでいます。私にとっては無形文化財、同じシーンが二度とないからこそ面白味も醍醐味も無限大なんです。

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はじめてもった自分を大切にするという感覚。
ワークライフバランスをはじめて考えるようになった


——働く中で何か意識が変わってきたことはありましたか。

 思春期に単独で海外に渡り、青春を謳歌していた頃は、自由奔放で天真爛漫な私でしたが、日本社会の一員になってからは、あえて海外での原体験を封印していたように思います。

そのタガがここで外されたというか、もろ刃の剣的な戦いから解放され、なおかつ、しんどくてめんどくさい産物を氷山に例えるなら、ゆっくり溶けて流れて落ちていくような感じでそぎ落とされた瞬間があり、人生が非常にしなやかで軽やかになった気分を体得しました。

なにより、ワークライフバランスを考え、自分に優しくなれたことが一番大切なハーベストでした。頑張った自分をたくさん褒めてあげるよう心がけてもいます。


天職はプロデューサー。
誰もみたことがないことをやろうとしているチームをプロデュースしていきたい

——今後の目標を教えてください。

 共同創業者の二人が掲げるフィロソフィー、理念、枠にとらわれないライフスタイル、社会に対する問いの立てかたなどに魅せられている部分が非常に大きく、誰もみたことがないコトを起こそうとするフロンティアスピリッツは大変刺激的でスリリングで、私の中に眠っているチャレンジ精神に揺さぶりをかけてもらっています。

 これからますます新しいカルチャーを生み出していくであろう二人に、豊かな彩りを添えれるよう、自分の人間力を信じ、HUB全体を世の中に浸透させていくようプロデュースしていくことが、私の次なる目標です。


自身の直観を信じ、持ち前の探究心と洞察力で、さまざまなことにチャレンジしていくKieさん。華々しい経歴を持ちながらも、謙虚に成長を目指す姿に感銘を受けました。Kieさんがいると場の雰囲気が変わるというのは感じていたのですが、そんな目に見えないカルチャーを作るという役割についての理解も深まりました。

Kieさんがカルチャーショックを受けたというImpact HUB Tokyoでは、
その世界を垣間見るきっかけとして、定期的にニュースレターを配信しています。

ニュースレターでは、下記のようなことを配信しております。

OPINIONS:共同創業者の二人が「槌屋のとある視点」と「ポチエの一言」と題して時事問題や社会に対しての考えをシェア
COMMUNITY MEMBERS:コミュニティメンバーやHUBチームの「人」にフォーカスしたインタビュー記事
FOOD FOR THOUGHTS:社会問題、アイディアの可能性など、さまざまなトピックを掘り下げたコラム
EVENTS:公開イベント、メンバーオンリーのミートアップなどのご紹介


新しい世界や新たな視点へのヒント、
またコラボレーションに繋がるご縁になりましたら幸いです。

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Impact HUB Tokyoの Team Members の記事はこちらにもございますのでこちらもぜひご一読ください。

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