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【開催報告】天ぷら油のその先はどうなる?オンライン工場見学&エコキャンドルワークショップ【HUC100人サテライトカフェvol.19】

HUC(母親アップデートコミュニティ)のバーディーこと田畑あかねです。

母親アップデートコミュニティ(HUC)の活動プロジェクトの1つ「HUC100人サテライトカフェ」では、新しい発見や新しいつながりをつくりながら、一人一人が新しい価値を探る時間にしたいというコンセプトで、多方面から専門家をお迎えし、オンラインでお話を伺っています。

vol.19の今回は、SGDs部と「こどもアップデートコミュニティ(通称:こあっぷ)」との共催で、身近なエネルギー資源について学ぶ体験型のイベントを、オフライン&オンラインのハイブリッドで開催しました。

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政府が「温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする」という具体的な目標を掲げたことで、「脱炭素元年」と言われている2021年。HUCのSDGs部でも今月は「身近なエネルギー資源を考えよう」というテーマで様々なアイデアを出し合い実践しています。その一環として行われた「天ぷら油のその先はどうなる?オンライン工場見学&エコキャンドルワークショップ」の開催レポートをお届けします!

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天ぷら油は、地球に優しいエネルギー資源だった!


みなさんは、揚げ物をした後の「油」を
どうしていますか?

「固めてポイ」とか「吸わせてポイ」だよ、
というご家庭が多いかもしれませんね。

私自身も数年前まではそのように処理していました。

でも、油だってちゃんとリサイクルすれば、「地球に優しいエネルギー資源」として、石鹸・塗料の原料・キャンドル・バイオ燃料(VDF)・電力などに生まれ変わって再利用することができるんです。

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今回の、HUC100人サテライトカフェでは、循環型のエネルギー社会を作っている東京都墨田区の「TOKYO油田」の染谷ゆみさんにお話を伺いました。

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<< 染谷ゆみさんプロフィール >>
1968年東京都墨田区八広生まれ。1986年アジアを中心に旅したのち、旅行代理店香港支社勤務。1991年染谷商店入社。1997年独立し株式会社ユーズを設立。2003年青山学院大学に入学し教職取得。2007年TOKYO油田プロジェクト開始。2009年「TIME」Heroes of Environmentの一人に選ばれる。2016年株式会社TOKYO油電力を設立、代表取締役就任。
著書:『TOKYO油田物語』一葉社 2009


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使用済み天ぷら油の「もったいない」現状

天ぷら油のリサイクル工場に着くと、マスクをしていても、すこし揚げ物のような香ばしい匂いが漂ってきました。

TOKYO油田では、東京中の飲食店やコンビニや家庭から出る廃油を集めてリサイクルしています。

「なるほど〜、東京中の油が全部ここに運ばれてくるのだな」と思ったのも束の間、実際には、家庭から排出される廃油の90%がゴミとして捨てられているそうです。飲食店などから出る廃油も、回収業者に委託されていないケースもあり、まだまだ多くの使用済み油が再利用されていないといいます。また、家庭によっては、なんと排水溝にそのまま捨てられているケースもあるようで衝撃を受けました!

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※このペットボトルは、私の家にストックしてあった廃油を持参したものです。 一昨日、鶏の唐揚げを作ったので、その時に使った油も含まれています〜。
※左の金髪社長が染谷さんです。さっきまで無地のマスクをしていたのに、子どもたちに人気の煉獄さんのマスクにお色直しされていました^^細やかな気配りに頭が下がります。

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天ぷら油リサイクル燃料って、どんだけすごいの?!

TOKYO油田で開発した、天ぷら油リサイクル燃料は「VDF(Vegetable Diesel Fuel)」と呼ばれ、軽油に替わる地球に優しいバイオ燃料として、環境に配慮したコミュニティバスなどにも使われています。また、油をジャーっと流し込むと、電力になるという、ものすごい発電機があり、これは、「アースデー東京」「肉フェス」「目黒川みんなのイルミネーション」などの野外イベントでも使われているそうです。

しかも、すごいのが、そのCO2排出量!

軽油と比べると1リットルあたり2.62kgもCO2を削減し、しかも、燃費や馬力は軽油と変わらないのだとか。

たとえば、
1リットルの天ぷら油があれば、車が10Kmも走ります。
1リットルの天ぷら油があれば、家庭の電気1日分に相当する電力になっちゃうんです!!!

「もう、揚げ物の油を捨てるなんて、もったいないね!」参加者からは、こんな声が上がっていました。

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※グラフィックレコーディング by.さいとー

工場見学で、油ドボドボ体験!

天ぷら油のリサイクル工場に入ると、たくさん並んでいる一斗缶の中に、あの有名なファーストフード店の赤いマークがちらりと見えました。子どもたちが大好きなあのポテトフライを揚げる油も、ここに運ばれてくるんですね。

そして、この日は葛飾区の油の回収日だったようで、家庭から出た油の山がありました。すると、染谷さん、現地で参加した3人の子どもたちに「(油を処理する)ドラム缶に油入れてみる?」とのご提案!子どもたちは、先ほど、私が自宅から持参したペットボトルの油と一緒に、数本のボトルを開封して、中身の油をドボドボ〜〜〜っとドラム缶に移すお仕事を体験させてもらいました。

子どもたちからは「もっとやりたい〜」との声が上がっていましたが、普段はスタッフさんが手作業で1つ1つのボトルの中身を出してくれているんですよね。資源ゴミのその先を想像する機会がないので、改めて、ごみ収集や再利用に関わる方々への感謝の気持ちでいっぱいになりました。

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※油なら、オリーブオイルでも、サラダ油でもなんでもMIXです!

自分の地域にも油の回収ステーションはあるの?!

TOKYO油田では、墨田区はもちろん、葛飾区、渋谷区、所沢市などの自治体とも連携して回収活動をおこなっています。もし、自治体で油の回収を行っていない場合でも、関東近郊には、油の回収ステーションがあるので、自分の家の近くの回収ステーションを調べてみてください^^


天ぷら油は、災害時に役立つキャンドルになる!

続いて、現地のレポーター陣は、天ぷら油のリサイクル工場から、エコキャンドルワークショップの会場である「油田カフェ」に戻ってきました。


家庭ある賞味期限切れの油などを使って簡単に作れる「エコキャンドル」の制作ワークショップをおこないました!ここからのファシリテーターは、HUCシンガポール支部のありりんです。オンライン参加の皆さんの制作の進捗をみながら、質問などを取りまとめてくれました。

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ジャム瓶と、サラダ油などを使って作ることができる、エコキャンドルの作り方は、油田のYouTubeでも紹介されています。

子どもたちは、瓶のふたに穴を開けるのが、少し苦労したようですが、その後は、カラーサンドや貝殻、ビーズなどの装飾を入れて・・・油を注ぐだけ。

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着火させる綿100%の紐に、事前にスポイトで油をたらすなど、一工夫が必要ですが、無事に火を灯すことができました。

エコキャンドルの活用のメリットは
✅ランプを3つ程あわせれば10分でお鍋のお湯が沸く
✅アルコールランプと違って、こぼれたら消えるので安心!
✅火をつける紐がなければ、新聞紙やティッシュや端切れ布でも代用可能

災害時に、万一ろうそくや懐中電灯がなくても灯りを確保できるんだ、ということを学ばせてもらいました。

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HUC SDGs部での取り組み

今回のイベントで私が一番印象に残ったのは、オンラインで参加してくれたある小学生からのコメントでした。

「ゴミを全てリサイクルできればゴミ収集車もいらなくなるし、ゴミがなくなれば、ゴミ処理施設で火を使わなくてすむ。」

多くの企業が、CO2排出量をプラマイゼロにすべく取り組んでいるけれど、そもそもゴミを出さないことが第一。その上で、ゴミが出たらきちんとリサイクルすることが持続可能な未来を作るために必要なのだと再認識させられました。

SDGs部では、家庭の生ゴミを減らすチャレンジとして、コンポストを導入するメンバーが増えています。家庭のベランダにおけるお洒落なタイプを私も導入しました!

また、身近なエネルギー資源を考える時に、環境の優しい電力会社を選ぶこともできることの1つです。

染谷ゆみさんは、TOKYO油電力という、天ぷら油由来の発電所を作られました。電力会社を切り替えは、びっくりするほど簡単にできます。しかも、電気代が5%程度安くなる家庭が多いのだとか。

できることから少しずつ、子どもたちの未来の地球を豊にすることに繋げていきたいと思います。

HUC100人サテライトカフェの今後のスケジュール

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HUCでは、今後も様々な分野の外部講師をお招きし、自身をアップデートさせるヒントとなるような対話を続けていきます。今後のスケジュールは以下のリンクをご覧ください



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