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「本」とビブリオバトル

 普段、私たちは、家、カフェ、図書館、電車の中などで、ひとりで「本」を読みます。そして、頭の中で「本」の世界が展開されています。読書に集中して、時間や空間を越え、自分が本の世界に瞬間移動しているようにのめり込むことさえあります。私の場合、電車を乗り過ごすことも(笑)

 単純に「本」に書かれていることが理解できたということだけなく、”この本面白い”、”この文章とっても優しい”、”この挿絵がじーんとする” などという感覚的な思いを抱くことがありますよね。これは感覚的な反応、心の動き、”感動”です。
 一方、人は自分の行動にもとづき”知識”を生み出します。それは、自分の頭の中にあるもので暗黙知(※)と呼びます。それに対して「本」は文字や絵などになった形式知(※)です。自分で創造できる知識には限界もありますが、形式知である「本」は無限に存在します。暗黙知と「本」からの形式知から新しい「暗黙知」が生まれることもあります。
 この本を通して手に入れた、”感動”と”知識”を、誰かに伝えたいという衝動が生まれることを、きっと皆さんもお持ちだと思います。

 ”その思いを、みんなの前で話していいよ!” というのが、ビブリオバトルです。ビブリオバトルのキャッチコピーは「人を通して本を知る.本を通して人を知る」です。そして、主人公は「本」なんです。自分のお気に入りの「本」の良さを他の人たちにも伝えたいと思うことを表現できる場がビブリオバトルです。
 それをきっかけに、新しい「本」と出会うことができます。

(※)経営学者の野中郁次郎氏が組織的知識創造について語った際、形式知と暗黙知をセットにして説明したことをきっかけに、これらの言葉が社会に広まりました。 

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