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売掛金回収プロの極意

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売掛金回収において、不良債権化した際に法的手続きを行うと時間も弁護士費用もかかります。しかも、相手の弁済能力によっては期待外れの結果に終わってしまい、費用対効果が悪いケースも散見… もっと読む
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売掛金回収プロの極意(与信管理は重要な業務)

売掛金回収プロの極意(与信管理は重要な業務)

(1)与信管理とは何か

与信とは、取引先に対し信用を与えることを言います。

たとえば、金融機関やクレジット会社が顧客に対して 決定する融資限度額やショッピング限度額がこれにあたります。

また、一般の企業においても売掛金や手形の限度額を 決定することが与信にあたります。

企業間における取引は、頻繁かつ継続的に発生するた め、通常そのつど現金を受け取るのは非効率である場合 が多いものです。

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売掛金回収プロの極意(危険な兆候を感じたら)

売掛金回収プロの極意(危険な兆候を感じたら)

(1)信用調査(数字からの経営分析)

前章では危ない会社の見分け方、危ない人物の見分け方について商業登記簿・不動産登記簿・本人確認書類にもとづき説明してきました。

これらの一連の与信審査を信用調査と呼んでいます。この信用調査は与信審査をして終了というわけではなく、その後も日常的に取引先に対する信用管理を行い、取引先の信用状態の変化を敏感に察知することが債権管理において非常に重要です。

このよ

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売掛金回収プロの極意(回収行動の準備)

売掛金回収プロの極意(回収行動の準備)

(1)延滞発生時の対応

約束の期日に入金がなく延滞が発生したら、次の手順で回収行動の準備に着手します。

①請求書の発送確認
請求書の発送が確実に行われているかの確認をします。単純な事務ミスで請求書の発送をしていないことがありますから確実にチェックします。

②回収先の分類(取引状況)

イ)延滞の常連である取引先
毎回、期日を延滞する常連の取引先でも、支払にルーズなだけで経営危機というわけでは

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売掛金回収プロの極意(回収行動:訪問時のポイント)

売掛金回収プロの極意(回収行動:訪問時のポイント)

(1)入金できない理由の確認(エビデンスの徴求)

なぜ入金できないのかを確認します。可能な限りのエビデンスを徴求して入金できない根拠を明確にします。

これなら、入金できないのも納得できると思えるようにします。

ここで重要なのは、入金できない理由を口頭で聞き出すのみで終わらせず、証拠を徴求することです。

(2)内金回収(時効の中断)

入金できない理由をエビデンスにより確認したら、内金の入金

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