【DTMクラシック】フンメル/ピアノ五重奏曲 変ホ短調,Op.87

【打込音源】
ヨハン・ネポムク・フンメル作曲
ピアノ五重奏曲 変ホ短調,Op.87(1816作)

 フンメルの室内楽曲は、彼の作曲活動期間全般に渡って作曲されていますが、特に後期のピアノ・ヴァルトーゾの時代よりは、作曲活動が一番活発だったウイーン時代、エステルハージ楽長時代にその多くが生み出されています。

 その音楽は解りやすいメロディーと単純な伴奏からなるロココ、古典派のような主題の提示から、19世紀のショパンやメンデルスゾーンと言ったロマン派時代の装飾的でかつセンチメンタルなメロディーがブレンドされたような音楽となっています。

 このピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという編成の五重奏曲は、この後オンスロウ、リンマー、シューベルト、と続々書かれていきますが、この曲の出版されたのが1822年、作曲されたのは1816年です。ウイーンでベートーヴェンと並んで人気の高かったフンメルの中期の傑作作品といえるでしょう。

 先だって出版された七重奏曲ニ短調,Op.74のピアノ五重奏版が予想以上の反響を呼んだため、未出版作品を後追いで世に出したものと思われます。七重奏曲(Op.74)をピアノ五重奏曲用に自ら編曲した際に、この編成と同じにしており、その直後にこの五重奏は6年の時を経てウィーンのSteiner und Compによって出版されました。

 1822年といえばシューベルトの同編成の「鱒五重奏曲」が出版されています。昔はフンメルがシューベルトの後にこの作品を作曲したと誤解されていましたが(昔のLPの解説などで良く書かれていた)、事実は逆であり、アマチュアチェリストであるシューベルトの友人・パウムガルトナーが「フンメルのような五重奏曲を」という希望をだしたのが事実とのこと。
 そしてシューベルトはこのフンメルの二曲と同様な雰囲気を持った稀有な傑作「鱒五重奏曲」を生み出したこととなります。

 こうしたことを考えると、Op.74と87の五重奏曲は同時代の最も優れたピアノ五重奏曲であり、また最もポピュラーなものだったのでしょう。

 お聞きいただければ解ると思いますが、フンメルの作曲技量、センスの良さがご理解いただけることと思います。音源は技量不足もあってしょぼいですが、たくさんCDやネットで生演奏が聞けますのでちゃんと聞きたい方はそちらで(笑)

1.Allegro e rosoluto assai 00:08
2.Menuetto. Allegro con fuoco 10:35
3.Largo 16:27
4.Finale. Allegro agitato 18:56

Programed by Hummel Note
Daw&Sequencer:SSW10 Lite & Music Pro Windows Plus
Sounds:GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 5/ARIA

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