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自らのレイヤーに孔を穿つ

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2020年9月の記事一覧

コロナ時代の哲学

コロナ時代の哲学

 「コロナ時代」に何が起こっているのか、どこに可能性を見出すか。大澤真幸が國分功一郎をゲストに招いて哲学者として討論した「コロナ時代の哲学」(左右社)。今の世の中の潮流にコロナが加わることで、加速する危険性と可能性を深堀している。

◆「コロナの時代」何が起こっているのか
三つのレベルで思考している。一つは「身体の非接触」の非人間性、二つめは緊急事態宣言が監視社会を加速する危険性、三つめは「移動の

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世界を受信するメディアとしての身体

世界を受信するメディアとしての身体

 「オンラインで画面越しだと、こちらの身体感覚が相手に伝わりにくい」と勝手に考えていませんか?
 振付家・ダンサー砂連尾 理(ジャレオ オサム)さんのワークショップで、画面越しなのに、相手の身体感覚が、私の身体感覚と共鳴し合う不思議な体験をし、私は考えを変えた。砂連尾さんの言葉「世界を受信するメディアとしての身体」の通り、確かに私の身体が「受信するメディア」になったのを感じたのだ。

 ワークシ

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「12人の怒れる男」で追体験ー「違和感」が起動させる偏見や差別を超える世界観

「12人の怒れる男」で追体験ー「違和感」が起動させる偏見や差別を超える世界観

 わたしたちの「今」の2つの状況-偏見と差別、コロナ禍ーを映し出す演劇をみた。陪審員としての実体験をもとに、レジナルド・ローズ(脚本家)が1954年にテレビドラマ化し、後に舞台化された「12人の怒れる男」である(シアターコクーン/2020年10月4日まで)。

 アメリカのスラム街で起こった殺人。偏見と差別、それにもとづく取り調べ。状況証拠、証人の証言、国選弁護人の弁護、何もかも「少年が父親を殺し

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すばらしさ発見ノート

すばらしさ発見ノート

 すばらしさ発見ノートは、相手のすばらしさを見ようとするノート。仏教修行者から『相手のすばらしいところをみようとする心こそ「仏性」である。自らの「仏性」が輝けば、他者の「仏性」も連鎖して輝く。人の心は根っこでつながっているので、地球の裏側にいる人にも通じる。』といって小さくて何の変哲もない白地のノートをいただいた。そして『それと同様に、偽りの我(偽我)では相手の偽我と連鎖してしまう。この経験はよ

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