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イノベーションの本質は、問題解決ではなく、生きる意味をつくること

「イノベーションの本質は、問題解決ではなく、生きる意味をつくること」という言葉(*)に出会った。
私たちが何かを変えようとする時、仕事する時、何か行動しようとする時、問題解決ではなく、本質は「生きる意味をつくる」ためなのではないか。「イノベーション」のかわりに「仕事」、「介護」、「AI」、「技術」、「宗教」、「アート」など様々な言葉をいれてみても色褪せない。
「まちづくり」という言葉を入れてみる。

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窓を開ける

窓を開ける

stay home は植物のよう
ここで太陽を浴び、風を感じ、夕暮れを楽しみ、星空を仰ぐ
私たちはここで花を咲かせ、虫や鳥たちを待つ

窓を開ける
その時、世界中の人が窓を開けていることを想像する
朝を部屋に招くため、植物に水をやるため、子供たちに声をかけるため
窓から見える、世界中の日常
観光地ではない、あなたの風景
私の風景と重ねていく

おーい
心の中で呼びかけてみる
地球の向こうにむかって

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砂連尾理が想像力のツボを押すパフォーマンス「妊婦と踊る」

砂連尾理が想像力のツボを押すパフォーマンス「妊婦と踊る」

砂連尾(じゃれお)さん(以下J)のパフォーマンス「妊婦と踊る」をみた(TERATOTERA祭2018、11月18日(日)、三鷹駅北口のマンションの広場)。パフォーマンスの想像力で広場と見ているものを包み、未体験ゾーンにもっていかれた。

Jは、椅子に座った妊娠7ヶ月のFさんのお腹にそっと両手をあて、ずいぶんと長い間胎児を感じ、それからフワリふわりと踊りだした。胎児の踊りだ。しばらくして、妊婦のFさ

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未来の美術館

未来の美術館

東京都美術館のある日。展覧会休館日を利用して障害者のある方のための特別鑑賞会が開催された。参加者は1000人余。55パーセントは障害がある方、45パーセントが介助者という構成。
 いつもの展覧会より和やかなコミュニケーションがあちこちで立ち、これは、30年後の日本の風景だと思った。ゆったりとした鑑賞。介助者が目の不自由な人に、作品から感じた何かを伝えようとする声、ストレッチャーに寝たままの人が作品

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欠損から創造する青野文昭の世界

欠損から創造する青野文昭の世界

武蔵野市立吉祥寺美術館で開催されている青野文昭展(2017/10/15まで)は、限られた展示空間の中で、どこまでも深く、刺激にみちている。

欠損した部分を想像してみる。あるいは部分から全体を想像してみる。欠損した断面を、新しい何かとつながっていくリアルな傷口と捉え、そこに滑らかに繋いでいくことで、合体・複合化する。3.11の漂流物は単にモノではなく、使っていた人の生活全体、人生全体へと想像が広が

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N.S.ハルシャ「空を見上げる」

N.S.ハルシャ「空を見上げる」

六本木の森美術館で開催されたいたN.S.ハルシャ展。会場をでると、世界のたくさんに人たちに囲まれている感覚、一緒にいるような感覚が残った。中ほどに来館者が靴を脱いで寝転がって上を見上げている一角がある。「空を見上げる」(2010年リパプール・ビエンナーレ出展作品)の風景だ。床に等身大で色々な人種の人達が空を見上げている絵が描かれている。その上に寝転がる。天井は鏡になっていて、となりに寝転がっている

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私の「センス・オブ・ワンダー」に触れる

私の「センス・オブ・ワンダー」に触れる

センス・オブ・ワンダーとは、一定の対象(自然やSF作品等)に触れることで受ける、ある種の不思議な感動、または不思議な心理的感覚を表現する概念であり、それを言い表すための言葉である、とwebloに記されている。

2016年8月末に閉じられ、秋、静かに解体された上野こども遊園地を知っていますか?上野動物園の目の前にあり、動物園の行き帰りに利用する形で、戦後70年近くも親しまれていた。この遊園地を祖父

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15分のアートプロジェクト

15分のアートプロジェクト

5月の連休、強い日差しの2日間、東京都の主催で、パラリンピックを身近に体感する祭典2017NO LIMITS SPECIALが上野公園大噴水広場で開催された(銀座同時開催)。その一角に、知的障害者とアーティストとの交流、相互作用を入口としながら、異なる背景や習慣をもった人々が関わり合い、様々な「個」の出会いを生み出すアートプロジェクト「TURN」のテントが設置された。

狭いテントの密度の濃いアー

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川瀬一絵まち歩きワークショップ

川瀬一絵まち歩きワークショップ

写真家川瀬一絵を中心とした「まち歩き」と「ワークショップ」に参加した。(2016年9月24日、上野御徒町付近)川瀬さんが「私的な感覚で、誰かにみせるためではなく・・何かわからないけど気になるもの、キュンとなるもの、スゴミを感じるもの・・・を撮っていってください。」「その写真を後から見て、そのときどんな気持ちだったかを考えてみます。」など静かに語った。

喫茶店ラパンに15時集合。主催側4人、参加者

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映画「ストリートオーケストラ」のマタイ受難曲

映画「ストリートオーケストラ」のマタイ受難曲

この映画は、ブラジル、サンパウロの最大のファヴェーラ(スラム街)エリオポリスに誕生したエリオポリス交響楽団の実話が基になっている。NGO組織「バカレリ協会」が細々と運営していた音楽教育の場で、バイオリニストのラエルチが先生となるプロセスが描かれ、ファヴェーラの子供たちの生活=音楽への無理解や、家族の面倒をみる姿、親との対立、ギャングの意志で町が動き、犯罪と隣り合わせ・・・・を描きながら、楽器と共に

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誰に何を伝えたいか、で形が違ってくる

今年各地で開催されているトリエンナーレ・芸術祭(あいち、さいたま、瀬戸内、大分、茨城県北、ほか)は、アーティストの作品の展示とともに、プロセスに一般の人を巻き込みながら制作し、参加してもらうことで達成されていくアートプロジェクトの両だてになっている。このアートプロジェクトの記録について、ノマド・プロダクション内部で行う勉強会を外に拡げた公開勉強会「アートプロジェクトの記録と編集の事例集」に参加した

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他人事を自分事にする設計図

Nadegata Instant Partyのアートマネージャーの野田智子さんの言葉。『もし誰かに「アートマネージャーに必要なことは何か」と尋ねられたら「プロジェクトを〝自分事”にできることと〝他人事”にできるバランス感覚」と今なら答えるだろう・・・あるときは自分事にしてみたり、またあるときは他人事にしてみたり、これらのふたつの視点を行き来することで、アーティストとの対話が成立したり、アイデアの種

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「聞く力」ワークショップ

「聞く力」ワークショップ

西村佳哲の「話し手は、相手の聞く力によって気持ちよく話すことができる」「アーティストは高い解像度でインプットするからいい作品(アウトプット)が生まれる。クリエイティブな集団は、聞くこと(インプット)ができる人たちがいる」を実感するワークショップ(WS)の様子を伝えたい。

50人の様々な職種の人たち。知らない人と二人一組になり、話し手と聞き手になる。私は話し手で、最近うれしかったことを気持ちをこめ

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コミュニティデザインは社会福祉をめざす

2011.3.11東日本大震災以来、社会的に注目されている山崎亮さんの「コミュニティデザイン」の仕事。その山崎が率いるstudio-Lの10周年を記念したトークセッションに参加した(2015.10.12アーツ千代田3331、BIOCITY特集号発刊と合わせたコラボ企画)。ここで注目したいのは、山崎が、コミュニティデザインの仕事は社会福祉・社会教育につながってきている、と彼らの原点であるジョン・ラス

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