キロクニスト養成講座 2回目の記録

2015年4月24日

本日のキロクニストコーディネーター小倉ヒラクさんの基軸は、「自前のミュージアムを持とう!」という呼びかけだ。「楽しい⇒伝わる⇒自分ごと」のつながりがわかると、一層腑に落ちてくる。

そもそも続けていくことはシンドイ。しかし、自分が好きなものだから集め続けられる。ここでいう楽しいは「苦楽しい」なのだ。そしてそれを、1時間後の自分に生きて役に立つ資料として、アーカイブしていこう、と呼びかける。「自分の今」を切り取ることが、とても大切なのかもしれない。WEB時代、200ぐらい発信し続けると、その世界に深く刺さるようになるという。そこの神様に認められるようになるのかもしれない⇒そして人に伝わるようになり、「今を知りたい」人から、リアクションがくる。どのような人とコミュニケーションしているか分かるようになる⇒人の役に立つこと、役に立ち方が分かることで自分の人生を幸せにする・・・・・こうして自分のためのアーカイブは、結果として人の役にたつようになる。これが「自前のミュージアム」だ。

ヒラクさんがいった「主観のノイズを減らすべし。」の意味は深い。

「自前のミュージアム」には、批判はいらない。古今東西の世界の人たちの目に触れ、きっとずっと残っていくものだから、「この時代、ここではこんなことがあったんだ。」という関心の前では、主観はノイズでしかない、とも理解できる。

では、自分が今考えていることは発信しないのか?ヒラクさんは発信を分けているという。

hirakuogura.comでのヒラクさんの発信は主に3つ。この3つ同時発信が、秘訣だとわかる。

まず、デザイナーという職からの発信。何を考えてデザインしてきたのか、そのプロセスを忘れないように書き留める。これをみて「こういうデザイナーに会いたかった。」といって仕事がくるようになった。そして思考の精度をあげるため、自らの考えを切り出し、2~3日で更新し発信し続ける・・・「こういうことを書いてくれませんか。」・・・・思考を切り出すことで仕事に結びついてくる。3つ目が発酵デザイナーとしての発信。日常のミソ汁ブログを続けている。そうすると自分自身にも新たな発見が生れ、コアなファンもついてくる。

ワークショップで印象にのこったのは、会場からの「こういうサイトを立ち上げたい。」という声に対し、講師に浮かんだヴィジョンである。

会場:「ジンジャー・ジンジャー」というサイトを立ち上げたい。ジンジャーの深さを知ってほしい、つくりかた、割り方を工夫して楽しむことを伝えたい→中田一会さん:入口を「カフェずきの人」におくのは秀逸、世界中から見に来るかも→会場:世界中を旅して偶然でしか採取できないようなサウンド、例えばチベットで牛のゲップが何度もこだまするサウンド。まる2日間を3時間ぐらいに圧縮編集している。→小倉ヒラクさん:言語の壁を超えられる。ルクセンブルグの大富豪が地下のシアターでお酒をのみながら楽しんでいる様子が浮かんだ。→会場:「こどものとき、どんな遊びに熱中しましたか?」などインタビューに応える形式で、うまく今の自分を振り返り、腑に落とすサイト、人のを読んで、自分を振り返るサイトをつくりたい→熊谷薫さん:大人からだけではなく、こどもからも、将来の自分って?を考えるサイトになりそう。

私の「自前のアーカイブ」は、アートプロジェクト、展覧会で自分の中に湧いてきたことをキロクすることから、と考えている。たまってくると、整理し難くなり、アーカイブではなくなる。第1回目を聞いて、自分なりにカテゴリー分けしたものを持っていった。ヒラクさんに相談すると「note.mu一択。自前アーカイブ、がんばって。」というアドバイス。アートプロジェクトをフィールドにもつ熊谷さんには、これから相談していきたいと思う。カテゴリー分けしたものをお見せすると「企画書?」といって笑ってくれた。

カテゴリー分けの中にアーティストの手法として「セルフストーリー、個人へ宛てた思い、を研ぎ澄まさせる」をいれた。この講座との共通点を感じるだけではなく、ここに意思をもって集まってくる人たちを「キロクニスト」というアーティストにする講座なんだな、と思う。いまは70ぐらい。200まで後一年ぐらい。参加者、鑑賞者の中に生れてくるものへの関心を高め、言葉にすると気づきの連鎖が起こる・・・、そんなことをめざしてスタートしてみたい。

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