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経験を政策に生かしてきた松川るい参議院議員

自民党の女性局長を辞任しても、松川議員への批判は止むことはありません。フランス視察での行動が褒められたものではないことは、同意しますが、そのことによって松川議員のすべてを批判するような論調は同意できません。

松川議員は参議院議員2期目ですから、当然ですが実績があります。その実績の1つが生活と密接に関係するものであることをご存知の人はどれだけいるのでしょうか。

実績の1つを紹介したいと思います。


ワンオペ育児を経験し、男性育休の推進!

政治家に転身する前は外務省に努めていた松川参議院議員。外交官だったことから外交・安全保障に明るいのは想像に難くありません。

もちろん、外交・安全保障でも外交官時代の経験を生かしていると思いますが、注目したい実績は外交・安全保障ではありません。

松川参議院議員の実績の1つが男性の育休の義務化なのです。この男性育休の義務化のために議連を立ち上げ、さらに法案を推進してきました。

この男性育休の推進には松川参議院議員自身の経験が大きな原動力になっているようです。

外交官時代に経験したワンオペ育児

現在、参議院議員を務めている松川参議院議員は、二児の母で、出産当時は外交官でした。

外交官と育児を同時に経験した松川参議院議員は、インタビューで当時のことを次のように語っています。

参議院議員の松川るいさんもそんなワンオペ育児経験者だ。出産当時、彼女は外務官僚で、夫もキャリア外交官。しかし、家事育児はほとんど彼女の仕事だった。「女性活躍とか言っているけど、1日24時間しかないのに、私にだけこんなに負担がかかって、活躍なんかできるわけない」と思っていたという。

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「ワンオペ育児」を経験した人、また現在経験している人は松川参議院議員と同じように「女性活躍とか言っているけど、1日24時間しかないのに、私にだけこんなに負担がかかって、活躍なんかできるわけない」と感じる人も多いのではないでしょうか。


また別のインタビューでも同様の発言を松川参議院議員はしています。

「夫はかつて、家事と育児を全くしない人でした。同じような職場に務めて同じ額の給料をもらっている夫婦なのに、全部私が負担していました。『お皿ぐらい洗ってよ』と言ったら、本当にお皿だけ洗ったんですよ、お茶碗は残して…。怒り心頭です。なんで私ばっかりって。アンフェアだと思いました」
「『ママだから子どもを見るのは当たり前』とか、『女性と男性は違うんだ』とか。諸外国では外交の現場で活躍する女性たちもたくさんいるのを目の当たりにしていましたから、『育児家事をやらない男性が多いから、これじゃ日本の女性は輝けないんだ』と確信しましたね」

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このときの経験が、原動力になり、議連の立ち上げと法案の推進に松川参議院議員を突き動かします。

松川参議院議員が推進したのが「男性育休の義務化」です。男性の育休取得率は低位だったのです。


女性の育児休業取得率の推移(公益財団法人 生命保険文化センターより)
男性の育児休業取得率の推移(公益財団法人 生命保険文化センターより)

このグラフを見比べれば、女性に比べ男性の育休取得率が異様なまでに低かったことがよくわかります。

この低さについて松川参議院議員は次のように指摘しています。

男性でも育休をとりたいと思っている人もいる。でも、周りから『男のくせにとるのか』などと言われてしまうことも多く、本人の意思だけに任せていては絶対にとれない。だから、企業の方からプッシュ型で働きかけて取らせるというのが一番のポイントだった」と、今回の法改正を振り返る。

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議員連盟を創設し、法整備に奔走

自らが経験したワンオペ育児。そのことから男性の育休取得率の向上を目指した松川参議院議員は、議連を創設し、その事務局長に就きました。

この議連の創設はマスコミでも大きく報道されました。

議連を創設し、事務局長に就いた松川参議院議員。その後、議連での議論を積み重ね、最終的には当時の総理大臣であった安倍総理に提言を渡しました。


西村やすとし衆議院議員公式Twitterより

提言を受け取った安倍総理は「育休を取りたい人が、男性でもいるにもかかわらず、なかなか取れない雰囲気が職場や社会にある。提言に沿って進めていきたい」と前向きな姿勢を示しました(参考)。この後、安倍総理は、国家公務員が率先して取り組む必要があるとし、国家公務員制度担当大臣に指示を出しています(参考)。

松川参議院議員の経験から動き出した男性育休の取得ですが、改正法が2021年6月には国会で可決・成立しました。松川参議院議員の行動力が際立った男性育休の義務化ですが、この男性育休の義務化は、ただワンオペ育児の解消を狙ったものではなく、少子化対策としても期待されています。

男性の育休取得は少子化対策にもつながる

ワンオペ育児の大変さを語っていた松川参議院議員ですが、男性の育休取得の意味をワンオペ育児のほかにも語っています。

「夫がイクメン・カジメンだったら、もしかしたら私は政治家になっていなかったかもしれません。24時間しか時間がないのは男性も女性も同じ。女性が男性に比べて過大な時間を家事育児に差し出させられていて、男性同様に活躍できるはずはありません。その時は、2人目の子供を産んで、また、私が全部負担するなんてまっぴらごめんだと思いました」
「統計上も家事育児を夫が分担しない夫婦には第2子以降が生まれる確率が低いことが明らかになっていますが、実感としても当たっています。逆に言えば、夫が家事育児をきちんと分担すれば、子供が増え、活躍できる女性が増えると思います」

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統計上、家事育児に夫が参加すると第二子以降が生まれる可能性が高いことが明らかになっているというのです。

少子化対策は日本にとって喫緊の課題であることは間違いありません。現在、岸田総理のもとでは、こども家庭庁が創設され、少子化対策が進められています。

自らの経験に基づいて、政策を推進する松川参議院議員の姿勢は、素直に評価できるのではないでしょうか。このような行動力のある国会議員は、課題が山積する日本において必要な人材です。

フランス視察での行動については、反省すべき点はあると思いますが、これからも自らの経験等を政策に反映していってもらいたいと思います。


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