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人財育成を軸にトライセクターで活動したことを書いてみた(その1)

Hundreds Colorsです。
これまでのことを振り返ると、たぶん、数々の色を混ぜ合わせたり、つなぎ合わせたりして少しだけ良い社会を作るのが自分の役目なのだと思っています。
キーワードは「学び直し」。

トライセクターとは何か?

次の3つのセクターをトライセクターという。
1つ目はPublic Sector。これは、公的な領域として公務員がイメージを合致しやすい。社会的基盤としての役割。

2つ目はPrivate Sector。一言で言うと、営利企業が当てはまると思います。本来は、社会の中で起きていた課題があって、自分では解決できないことを組織が持つ課題解決能力または技術によってお互いに解決してもらうということがビジネスなのではないでしょうか?

3つ目はNon-Profit Sector。これは、上記の2つの間に位置しているようなものですね。公的な領域でも民としての領域を接続させながら、社会課題を解決していこうとする領域。

ここで、重要なのが、「この3つの領域は線引きはできるが、その境界線がもはや消滅しつつある」ということです。このことは多摩大学大学院という熱いビジネススクールで学び直して、考えさせられました。
特に、「トライセクターリーダーシップ」と「非営利法人のファイナンス」というクラスでの議論は私に大きな影響を与えました。

私自身でいうと、大学を卒業してからこの3つの領域全てに「教育」「人材育成」という軸で関わるようになっていると振り返ることができます。

トライセクターについては、下記がより参考になると思います。
https://project.nikkeibp.co.jp/campanella/atcl/15/071700001/

結果として、なぜトライセクターでの活動になったのか?

結論からいうと、どうしても見過ごすことができない目の前の課題を解決しようとする時に、協力を仰ぎたい方がそれぞれのセクター(領域)にいたということです。つまり、「セットする目的」の場所によって活動するセクターが変化したように思います。

私にとって、Public Sectorは公教育でした。日本での話ですから、自分の教員免許を使って高等学校で特定の教科を担当していたわけですが、ある日「4月から、この学校独自の学校設定科目ね」と指令が飛んできました。
 ※学校設定科目とは、その学校が法律の範囲内で特色あるクラスを設定できるもの
担当していた外国語という専門教科とは全く異なる工学分野を担当することになりました。よくよく生徒と対話をすると、実に社会に対する「主張」が溢れ出た、出た。生徒の「主張=大人への不満」を「課題」に置き換えて、それを解決するためのカリキュラムを編成してみたら、自分ではできないことがわかった。

なぜならば、2011年に起きた東日本大震災よりも早い2009年に「北東北の社会インフラ」をテーマにして課題解決型のクラスを展開しようとしていたから。

その時は企画書と思いだけ持って、大学と企業へ伝えてみたら協力してくださることになった。その結果、日本の高等学校にとっては数少ない事例となった「プロジェクトマネジメント教育」と「高校、大学、産業(企業)の日本初の連携プログラム」となりました。
3年くらい研究を蓄積してから、ダメもとで独立行政法人科学技術振興機構(JST)のサイエンスパートナーシッププログラムに共同研究として申請したら、めでたく採択されました。

このようなプログラムを最近の成人教育や人事領域の専門用語でいうと、「越境学習」と言います。

【考えたこと】Pubic Sectorを越えてから気が付いたこと

結果として、気が付いたらセクターを越えていて、自分だけではなく、一緒に考えてくれる大学と企業の方も「ワクワク」してくださった。
だからこそ、有意義な研究が継続できた。感謝でいっぱいです。

(気づき1)
ところで、「ワクワク」が生まれたのは、なぜか?
整理して考えると、「セクターは越えよう!と思うと、意識しすぎて越えにくくなるのではないか?」ということ。
一緒に共同研究してみてわかったのは、本当は解決したい課題(=目的)は同じものを見ているのに、次の2つが見えにくいということ。
 ⑴誰と座組みをしたら良いのか?
 ⑵どのように目的を言語化したらセクターを超えるような第3の視座の高い目的になるのか?

(気づき2)
情報の鮮度が劣化するのは早いから、「学び直し」が必要になる時期は思ったよりも近かった。
セクターを越えてみたら、私自身が相手の世界で活動したいのに、相手が使う世界の言葉を知らないことに気が付いた。そこからは、学会や業界の研究会を見つけては会員でもないのに、参加させてもらったり、夜に学生でもないのに工学系の大学院の研究室に訪問して教授と対話をさせてもらったりしました。
最大の収穫は、ビジネスパーソンだけでなく、学校の教員も教育学以外の領域を学び直すことが喫緊の課題であるということに気が付いたこと。
かつ、その学び直しが超面白いということ。
なぜならば、ビジネスと社会の縮図である教育を接続する数少ない役割が「教員」だから。


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