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『武田信虎――覆される悪逆無道説』は究極の生ハム原木だ

よくきたな。おれは逆噴射聡一郎ではない。
おれは時々関東室町についてのテキストを書いているが、誰にもほんきで読ませるつもりはない。
だが今回は新たなる真の男が書いた真の男についてのやばい本を見つけたので、いてもたってもいられなくなったので、この記事を書いて公開することにした。

※ちなみに、この記事で使っている文体はこちらの逆噴射聡一郎先生をリスペクトしたものです。再現性が低くて申し訳ない。興味のある方は上記リンクでメキシコの荒野を感じろ。おまえが女だからといって真の男にはなれないとかそうゆうことはないから安心しろ。

無人島に持っていけるサバイバルキットだ

 ある人が『無人島に持っていく本を一冊だけ選ぶとしたら何を選ぶか』とゆう質問に『自分はキリスト教徒ではないが聖書を持っていく』と答えた。
 理由は『エピソードが沢山ある』からだそうだ。おれは無人島には行かないが『武田信虎――覆される「悪逆無道」説』は厳しいメキシコの荒野に持ち込むのにちょうどいいと思っている。
 理由は『分厚いけれど、一度に全部読まなくていい』からだ。それこそ、大きな生ハム原木から時々食べたい分だけ削り取る事ができる――好きなだけ、あるいはほんの少しでも。
 生ハム原木を得た人間は高い戦闘力を得る……データが証明していることだ。この『武田信虎――覆される「悪逆無道」説』も同じように高い戦闘力をお前にもたらすことだろう。

厚みがヤバイ(が気にしなくていい)

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 この厚みを見てひるむ必要は無い。俺は十日ほどかけてひと通り読み終えたが、だからこそ『初めて』歴史の本を手に取ったお前には『一度に全部読まなくて良い、好きなところから齧り付けば良い』と言える。

武田信虎が誰か

を俺はいまさら長々とここで述べる必要はない。全てはこの本に載っている。
 ネオサイタマで重金属酸性雨に打たれているあの武田信玄像――その親父だ。だがなぜ親父の銅像は建てられず、重金属酸性雨を浴びることすらないのか……サブタイトルから察して手にとってみても面白いだろう。

米、大麦小麦、豆

 の価格と聞いてお前は『知っているさ、先物取引の話だろう』とベイブの肩を抱きながらカッコつけてそうゆうかもしれない。だがこれは先物取引の話ではない。
 五百年前の穀物価格――そんなものが仔細に残っていて、しかもグラフ化されて紹介されている。さっきまで武田信玄の親父の話をしていたのに、突然グラフの話をしたのは俺があほだからではない。
 物価上昇が続けば政府への不満は募る――それが武田信虎とゆう男に何を引き起こしたのか。キム・ニューマンめいた策謀と数字の世界を楽しむ事が出来る。

 これは削り取った生ハムの一枚に過ぎない。次の一枚の味は何か。お前が確かめろ。

続きを読むには……が無い。全部ある

 インターネットで記事を読んでいると、いいところで『ここからは会員登録が必要です』となり、お前は打ちひしがれ、せっかく持った興味を放り捨て、酒とベイブに溺れ続ける……そんなことはないだろうか。
 何かせっかく興味を持っても、その続きを読むのにひと手間かかると人間はもう忘れてしまう。

 この本は『関係する話は全部この一冊で収める』を徹底しているので、そうゆう心配がない(だから分厚い)

 歴史の本は洋の東西を問わず『今の話は何が出所だ』を載せられるかが面白さと確かさ――苛烈なメキシコの大地を生き抜く指標となる。
 酷いやつだとなんの出所も示さずに『これは昔からみんながゆってることだ』で済ます。
 親切な本は『これは誰がどの本でゆった』『どこそこの寺の坊主が書き残していた』まで教えてくれる――だが流石に『どこそこの寺の坊主』や『どこそこのサムライ』のその時の日記や手紙を全文載せるのは難しい。
紙数が限られているからだ――だが思い出せ。あの厚みを。

この本には紙数の制限が取っ払われている。だから強い。
関連する史料が全文載っている――これはとても強い事だ。
 俺はメキシコの苛烈な大地を用心深く生き残るために、出典となった坊主の日記やサムライの手紙を一々探しては追っかけて照らし合わせてきた。それを探すのも一手間だが、この『武田信虎――覆される「悪逆無道」説』ではそれをしなくていい。

 最初はこの強さを無視しても良い。だが生ハムを一枚、また一枚と削っていくうちに、お前はこの『史料全文掲載』が実は油田一つ分の強さを持つことに気がつくはずだ。

未来へ

 俺はこの本を歴史が好きだと言うやつにいまさら勧めるつもりはない。そんなやつはとっくに分かっているからだ。
 俺は『ネオサイタマに銅像も無いような』武田信玄の親父の本を、敢えて普段は歴史に興味を持たないお前にこそ勧めるためにこの記事を書いた。
 どう齧るかはお前の自由だ。だがどんな読み方をしてもこの『武田信虎――覆される「悪逆無道」説』はお前にこたえてくれる。そうゆう真の男のための本だ。

ヘッダ画像提供
https://www.ac-illust.com/






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