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『AIがなんでも答えてくれるのに、なんで勉強しなきゃいけないの?』|AIと私の今 '24.4 ⑧ #039

子どもからこの質問をされた時に、自分の言葉でちゃんと答えたいと思っています。
現時点の私の考えをまとめておきます。

現状認識

Googleに代表される検索時代からAIの時代に入り、【正解のある問題】に答えを出す行為自体の重要性は一層下がりました。
私は直近の日本の公教育現場の変化には詳しくありませんが、「正解を出すこと」を求められる大学受験がトップにある構造は、私の学生時代と概ね変わっていないと理解しています。
このあたりの認識を前提に書いていきます。

私の結論は「それでも学校の勉強は頑張った方が良い」です。
子どもに話すことを想定しながら書いていきます。

 1.確かに「正解を出すこと」の価値は低い

現代社会で生きる上では、【正解のない問題】に対して自分の意見を述べることが非常に重要だと思っています。

学校にいると【正解のある問題】に答える力が一番大事のように思えてしまうかもしれませんが、それは違います。
いま【正解のある問題】に答えることは、Google検索やAIで簡単にできます。そのことに対する価値は限りなく低くなりました。
学校で「正解を出す」練習を続けるのが馬鹿らしく感じていたら、その感覚は正しいと思います。

今の学校教育は【正解のある問題】に答えることが主体です。
学校では【正解のない問題】に自分のアタマで考えて意見を述べるための訓練はあまり出来ないかもしれません。
その大切さを理解して、【正解のない問題】に意見を述べる力は学校以外でも身に付けていきましょう。

 2.学校教育は、思考の材料集めと考える力の訓練

それなら学校の勉強に意味がないかと言ったら、全くそうではありません。

自分の意見を考えるためには思考の材料が必要です。それは「知識」と「経験」です。
知識はまさに【正解のある問題】に向きあう学校教育で身に付いていきます。
日本の学校教育は長年更新を繰り返され、標準的な知識を身につける面では最適の内容と言えるでしょう。これは全ての思考の基礎になります。

また「正解自体」は検索エンジンやAIによって確かに簡単に手に入りますが、「正解を導く力」が必要ないわけではありません。
「正解を導く力」を鍛えることは「考える力」を鍛えることにもなります。(数学を学ぶ意味は正にここにあると考えています。)

繰り返しになりますが、【正解のある問題】に答える力が一番大事なわけではありません。それを理解した上で、【正解のない問題】に向き合うための思考の材料を集め、考える力も高めていきましょう。

 3.勉強で人生の幅は広がる

「こんな勉強に何の意味があるんだろう」と思うことは当然あるでしょう。
学校教育全体が今の社会で重要な力を得るために的を射ていないことには同意します。だからと言って、それを勉強を頑張らない言い訳にしてはいけません。

なぜならそれでも社会で【正解のある問題】に答える力は大前提として求められるからです。
上で述べたように、「正解を導く力」は「考える力」に繋がっています。
なので「正解を導く力」がある者に多くのチャンスが巡ってくるように社会は出来ています。私もその恩恵を受けた実感はありますし、社会に出てからも同様に感じています。

『じゃあ学校の勉強ができれば安心だ!』と考えますか?
そうではありませんね。
何度も繰り返しますが、それが一番大切なことではありません。これを勘違いしてしまうのは大変危険です。

学校の成績や受験の結果、さらにそれで得られたチャンスすらも、目的ではなく通過点です。
勉強を通じて「思考の材料」と「考える力」こそが得るべきものです。
その本質は見失わないでください。

勉強を通じてあなたの世界は確実に広がります。
私も今も勉強を重ねる日々を過ごしています。
一緒に頑張って新しい世界を切り開いていきましょう。

おわりに

ここまでまとめておけば、「いいからやれよ」とは言わなくて済みますね。
そして何よりも、自分が勉強を人生に活かしている姿を見せることが一番重要だと思っています。
これから何年もかけて、子どもと共に学びの人生を歩ませてもらうつもりです。

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