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コロナ以後の世界は怖くない

コロナウイルスによって社会がガラリと変わってしまいました。「これからこの世界はどうなるんだろう?」そういう不安を持っている人はとても多いと思います。先行きは不透明でわからないことだらけです。僕にもどうなっていくのかは現時点ではさっぱりわかりません。

だけれども、とても大事なことがあります。

コロナ以後の世界は自動的にどうにかなってしまったり、誰かがどうにかしてしまったりするものではありません。コロナ以後の世界は僕らが作るのです。

今回のウイルス「SARS-CoV-2」はいつか落ち着くでしょう。でもそのうちまた新しいウイルスが出てきます。なので、僕らの世界に必要なのは耐えることではなく変わることです。どう変えるかは僕たちが考えることです。

必要なのは「ウイルスに強い社会を作ること」。これは間違いありません。それには「密になりすぎないこと」と「免疫力を高く保つこと」が必要です。現在「3密」のようなキーワードが語られていますが、これはあたかも一時的なことのようにも聞こえます。でも、僕らはこれからずっと3密を避けていくような生き方をしていく必要があるのです。

「ずっと3密を避ける」と聞くと「ずっとマスクをしてずっと2メートル間隔を開けて生きていくのか?」と思うかもしれませんが、そういうことではありません。こういう「一人ひとりのミクロな3密」を行わなくても、社会全体が「マクロな3密」を実現していれば、ウイルス耐性の高い社会が実現できるのではないか? と思うのです。

それはつまり、「都市の過密化と山村の過疎化」という現在の極端な状態を変えて、「みんなが適度にバラけて暮らす社会にする」ということです。

僕は2011年まで東京の新宿区に住んでいました。新宿駅からでも徒歩で帰れる場所、終電を気にせずに自由に暮らせる場所でした。それはとても便利でしたが、東日本大震災をきっかけに「人が集中しすぎて暮らしているのはリスクが高すぎる」と感じ、2012年に埼玉県の郊外、小川町というところに移住しました。

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小川町は、池袋発の東武東上線の終点にある町で、新宿区の会社に毎日通勤できるという利便性を持ちつつも、山に囲まれ田園風景が広がる自然豊かな町です。どのくらいの自然かというと、イノシシや鹿は言うまでもなく、猿や熊が出没することもあるようなところです。都心からアクセスしやすい渓谷として、奥多摩の秋川渓谷と並んで有名な嵐山渓谷というのが埼玉にあるのですが、小川町はこの嵐山渓谷のさらに「上流」にあります。

都心への通勤圏内で、渓谷よりも上流にある町。関東ではあるけれども関東平野ではなく、池袋よりも群馬県の高崎市のほうが若干近い町。コンビニやスーパーはあるけれどデパートはなく、むしろ道の駅やJA直売所や無人販売所がある町。僕が移住したのはそういう町です。プチ田舎とでもいえるような場所です。アニメが好きな人なら「のんのんびより」の世界だと言えばわかるでしょうか。実際その「のんのんびより」のモデルの分校も、この小川町にあります。

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僕は、コロナウイルスの影響で3月下旬よりリモートワークに切り替えたため、現在ではほとんどの時間をこの小川町で過ごしています。月に1~2度ほど都内に行くことがあるのですが、コロナウイルスに対する緊張感が都会とプチ田舎とではかなり違うことをヒシヒシと感じました。もちろんマスク必須であったり3密を避けるために2メートル置きに線が引いてあったりという状況はどこでも変わらないのですが、プチ田舎のほうがゆったりとしていてギスギスした感じがない。間隔を開けようにも人の密度が高すぎて開けようのない都心と、散歩をしていても100メートル先にしか人を見かけないような田舎では「3密を回避する」というミッションの実現可能性がまるっきり違うのです。

この記事は「僕には先見の明があって先に田舎に移住したので勝ち組である」という自慢をするために書いたわけではありません。「みなさんもプチ田舎に移住しませんか?」という呼びかけです。

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パンデミックは都市の過密化とグローバリゼーションがもたらした人災です。であれば、その逆をやれば回避できます。みんなが少しずつ、今よりも「疎」な場所に移住する。これは都市部に住んでいる人が思っているよりもとても簡単なことです。「3密を避ける」のではなく「3疎を求める」という発想の転換です。SARS-CoV-2は一過性ですが、ウイルスは一過性ではありません。今後なんどでもやってくるでしょう。だから、避難するのではなく移住する。

僕は決して、田舎での自給自足の暮らしに憧れる自然派人間でも、山と大地の恵みを肌で感じれるスピリチュアリストでもありません。アキバや新宿西口をホームグラウンドにしていた、ただのアニメオタクで週末ボカロPのIT企業経営者です。強いて言えばロードバイク乗り(ヒルクライマー)なのでそういう点では田舎向きではありますが、その程度です。

しかしそんな僕でも「都心に通えるプチ田舎」はとても良いと思います。みんなそういう場所を探して移住した方がいいんじゃないかと思います。

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これを読んで「なるほど移住も考えてみてもいいかな」と思える人は、ぜひ近くの「田舎」を探してみてください。

あと、質問などあればコメントでどうぞ。

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