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「産業教育」のこれからと「教育現場」の実情

一般的に産業教育は農業、工業、商業、水産、看護、家庭などが入るが、どの教科もそれぞれ教育の帰路にきていると思う。私は商業の教員だが、商業は、このまま簿記やマーケティング、情報処理など普通の学びを続けていくだけでは、無くなる教科であると感じる。果たして今、商業科の教員をしている人たちに同じ危機感を感じている人が何人いるだろうか。二年前に私は、全国の場で取り組みについて話す機会をもらい、発表した。その際に、かなり厳しめの内容の発言をした。それは「今の教育の問題は教員にある」と話した。若い先生方や熱量がある先生がいる中で、それを邪魔をする教員が沢山いることだ。邪魔というより、足枷になっていると思う。教員という職業は特殊で、立場が守られている。だから、上の言うことを聞く人間が一番評価をされ出世をしていく。言わば(鞄持ち)と言われる人だ。それはすなわち、子どもたちの将来や人生を一番に考えているわけではなく、自己保身や教員としてのプライド、誇りを守る人である。私が昔、教員になったばかりの頃は、「失敗してもいいから、子どもたちのためにやってみなさい」と言って背中を押す管理職の先生方が沢山いた。近年は、責任の重さや魅力のなさから管理職の希望者はおろか、教員の希望者まで、激減している。私も約20年教員をしているが、正直、これからの若者に勧めたい職業とはいえない。教員の何%が民間経験者か。大学を出て、すぐ教員になった方は考え方が社会と少し違うと感じる。中には敏感な先生もいるが、多くの先生は社会との温度差があると感じる。若い教員に様々なことをチャレンジさせること、管理職手動ではなく、教員自身が様々なことを経験できる環境を作る必要がある。今の教育の現場は、管理職が新たな事業やとりくみをやらせたがらない状況がある。子どもたちの学びの機会が奪われている。
商業科では、ビジネスのプロフェッショナルな人材の育成を目的としているが、ノルマや覚悟、責任がある中での、仕事の経験がある教員がどれだけあるだろうか。経験のない教員がなぜ、プロを育てられるのか。知識や資格は教えられても、ビジネスマンとしてのあり方をはじめ、教育の在り方とこれからの環境整備を考えていかなければいけない。

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