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知らないという怖さ

先日訪れた美術展 [Fashioned by Sargent] にて、美しい緑色の衣装を題材にした作品をみました。


こちらがサージェントの作品
こちらが題材に使われた衣装です。


 緑の色が随分褪せてる。時代的にもしかしてあれかな?って一瞬おもったところで、まさかね。そんな衣装、今の時代にこんなところで展示できないだろうな。っとおもって、そんなことをちょっとでも考えた自分に一人笑いです。


恐ろしい緑の染料シューレグリーン

浅間山が噴火して江戸の大火があったころ、こんな化学染料がもうヨーロッパでは開発されていたのですね。合成化学が発達していたことにも驚きます。

こちらは草木染めのような落ち着いた色合い。
19世紀の終わり頃、サージェントが描いたこの緑は何で染められていたのか。
とても興味がわいてきました。また調べてみたいと思います。


おしゃれも命がけ。。。

 それでも、こんな恐ろしいものを身につけたりしていたこと。今となっては呆れるばかりですが、知らなかったでは済まされない哀しみを感じます。
高貴な家のお子様がたくさん幼少期に亡くなられた一因に、お側に仕える女性たちのお化粧が指摘されていることも残念です。
先日訪れた核実験博物館でも、今では信じられないほど核物質が生活の場でもてはやされていたことを知りました。

 本当に知らないということの怖さ、そのものですね。

1992年からのアメリカ暮らし、ボストンはそろそろ四半世紀になりました。 「取材」と称していろいろ経験したり、観光ガイドも楽しんでいます。 https://locotabi.jp/loco/hyacinth 応援していただけたらとても励みに思います。