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移住先で考えた、郷土愛が郷土を潰すこともあるのかもって話

私の出身町は平成の大合併を免れたので、複数の自治体が1つになった時の住民感情というものが、いまいちよくわかっていなかった。

それが前居住地であるさいたま市では、旧市である大宮浦和の関係があまり良好ではなく、なるほどこうなるのかと思ったものだ。
と言ってもさいたま市は巨大だし、他都道府県含む外部から移り住む人間も多いので、私のような一時的にさいたま市に住んだだけの人間がそれを日常的に感じる機会はそう多くなかった。

これが田舎になるとそうはいかない。

私が移住したみなかみ町も3つの町村が合併してできており、私はそのうちの旧新治(にいはる)村のエリアに住んでいるのだが、合併後20年経とうとしているとは思えないほど「新治感」が強い。
大宮浦和のようにいがみ合っているわけではないが、各エリアの住民には明らかに意識の分断があり、みなかみ町民としての一体感のようなものが希薄である。

先日犬の散歩中に会ったおばあさんと話しているとき、どうも話が噛み合わないと思っていたら「隣町」と呼んでいるのが同じみなかみの旧月夜野町エリアのことだった。
遠い隣町の病院に通っている、という内容の話だったので、てっきり隣接する沼田市の話かと思って聞いていたのだが。

当然その住民感情は否定するようなものではないし、普段の生活において困ることはない。
私が懸念しているのは、それは当然のように町政に影響しているのではないかということだ。

日本中に衰退待ったなしの人口減少山間部が存在するが、みなかみ町はそれでもその衰退が他より緩やかなはず、その魅力とポテンシャルがあると判断して移住を決めた私たち。
けれどもし町長や議員が各地域(旧町村)の期待を背負っているがために、その地域をよりよくすることを最大の使命としているとしたら。

各地域の細かな要望が叶って住民が満足したとしても、みなかみ町そのものを俯瞰で見て引き上げていかないと町としての未来はない。
町全体的な利益を考え大鉈(おおなた)を振るう必要が出たときに、それが己が地域に不利な影響を及ぼすものだったら、やはり決断は鈍るんじゃないだろうか。

結論何が言いたいかというと、議員や町長は外の世界を知っていて、各エリアに固執していない人が増えるといいなあーってことなんだけど、じゃあお前がやれよと言われたら困るのでこの話は唐突に終わります!!

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