見出し画像

How to 休職 ー制度やお金のことー

こんにちは、へじんです。

早速ですが、実は去年(2021年)の9月初めから11月末までの2か月半と少し、休職をしていました。

入社前に友人らから「へじんは絶対入社3ヶ月以内に鬱になるか辞めるよ!」と言われ、3ヶ月どうにか耐えた、やったー!と思ったのも束の間、夏が来ると同時に怒涛の落ち込み。

そんなこんなで、新卒で休職した人も少ないとは思うのですが、休職に関連することって事前に会社から丁寧に伝えられることもないし、お金関連で想像以上にソワソワもしたので、誰かのために記録を残そうかと思います。

ちなみに休職をした理由に関しては今回は触れません。
あくまでも休職したら何が起こるの?!どうすればいいの?!が知れる記録です。

お金のこと、制度のこと、書いていきます。


1.傷病手当金が振り込まれるのは最速で2ヶ月後。けど最速なんかは起きない。

もしあなたが病気で休職する場合、傷病手当金というものが支払われます。
基本は給料の2/3になるのですが、このお金が振り込まれるのがなかなか遅い。んー、遅い。

傷病手当金を貰うまでは以下のステップがあるのですが、もう全工程で遅くなる理由が絡んでいます。

①傷病手当金申請書をゲットする(自分)

②申請書類にて、お医者さんが書いてもらう部分を記入してもらう(自分/他者)

③自分が記入するところ記入する(自分)

④勤め先の委託先/勤め先へ申請書を送る(自分)

⑤委託先による申請書確認後、健康保険組合に送られる(他者)

⑥組合による審査(他者)

⑦傷病手当金入金(他者)

*(自分)のところは自分で動くところ。(他者)のところは他者が動くところ。

出典:へじんの経験

そもそも傷病手当の申請には、病院の先生に書いてもらう部分があります。(②の部分)
私は精神科でしたが、おそらく身体的な病気の場合も同じかと思います。
しかしこの申請書、1ヶ月ごとにしか申請ができず、またその1ヶ月が過ぎた時点でのみ申請書を書いてもらうことができます。

要は休職開始すぐは申請書さえ書いてもらえないので、申請ができません。まずここで1ヶ月が過ぎます。

次に初めての申請になりますと、組合の方で審査に時間がかかるらしく、これが1ヶ月は絶対かかるそうです。ここでまた1ヶ月が過ぎます。

もしあなたが休職に入り、1ヶ月がちょうど過ぎた時点で病院に向かい、先生に当日中に申請書を記入していただき、自分が記入するところも速やかに埋め、その日のうちに郵送しても最短2ヶ月はかかります。

ただ4点問題があります。

まず、そもそも病院の先生もお忙しい方々なので、基本的には申請書を預けて、次病院を伺う日に記入済みの申請書を返して頂きます。ここでおおよそ1,2週間が過ぎます。
(精神科の場合通院が前提なので以上のようになりますが、入院の場合だとわからないです)

次に④の委託先の業務スピードはそれほど早くないです。これは委託先でなく勤め先での処理になった場合でもおそらく変わらないと思いますが、スムーズに爆速で処理してくれるところはほとんどないでしょう。ここで時間がまた過ぎます。

また⑥の組合による審査ですが、最低1ヶ月であって、確約の1ヶ月ではないです。時間が過ぎます。

最後に審査結果と同時に振込は行われません。各組合が決めた支払日に支払いが行われます。もちろんこれは傷病手当金を支払ってくれる組合ごとによってシステムが変わるかと思いますが、大まかには類似していて、以下のような形かと思います。
例えば組合が決めた支払日が毎月10,20,末日とします。そして審査結果が出たのはX月1日です。そしたらお金が振り込まれるのはすぐのX月1日ではなく、X月10日になるのです。
時間が過ぎます。

この余白期間まで入れてしまうと傷病手当金が支払われるのに、どんなに早くとも3ヶ月がかかります。正直それ以上かかる場合がほとんどなのではと推測します。

実際筆者は9月の傷病手当金を翌年(2022年)1月7日に振り込まれました。
(10日が祝日だったため、少し早い振込になりました)

そういうことです。泣


2.休職期間によっては、来年の有給休暇を一切もらえなくなる。

*こちらは勤め先によると思うのですが、あなたの勤め先がめちゃくちゃ福利厚生が整い過ぎててここは天国?と錯覚していない限りは同じかと想像します。

説明しますと、出勤期間が1年の8割未満の場合、翌年度の有給休暇は一切取得できないです。

正確には法律として、有給休暇をあげる義務はないと定めており、企業の自己選択で有給休暇をあげることもできますし、あげなくっても問題がないことになります。

弊社は有給休暇なしとのことでした(大泣)

ではこの2割を計算しますと、2ヶ月と少しになります。
あなたの休職期間の終わりの目安がこの瀬戸際なら、明確なデッドラインの日にちを人事や休職担当の方に問い合わせておく必要があるでしょう。ポカーンとしてたら来年の有給休暇は消えています。そう、GONE

一応対処法ならぬ対処法ですが、
私はちょうどデッドラインを越えてしまい、そもそも今年与えられた有給休暇を消化することで来年の有給休暇を守りました。こちらも勤め先によると思いますが、休職期間に有給休暇が使える場合は、今年の有給休暇を使うのも方法です。
ただしもちろん今年の有給休暇が消費されるということなので、今年度自由に休める日は減ることになります。また欠勤はもう使えないので、本当に休めないです。
筆者は3月末まで残り2日の有給休暇を希望に生き延びる選択となりました。(3月末まで4ヶ月残ってました。ちなみについにラスト1ヶ月でめちゃ歓喜なうです。)


3.復職届を提出しても、すぐに復職することはできない

例えばあなたが上記の有給休暇ゲット有無のデッドラインの瀬戸際にいたら、なるべく早く復職をしたいでしょう。私がそうでした。

しかし復職届を出したとて、すぐには戻れないことを念頭に置いてください。

私は11月9日の昼に復職届をメールで提出したのですが、復職ができたのは11月29日でした。20日が経過しています。

ただこれは勤め先、休職対象者、タイミング等によって早くなることも遅くなることもあるかと思います。

誰かが悪いわけではないのですが、有給休暇のデッドラインに関わる大事な情報なので、共有とします。


4.休職期間中に会社に支払うべきお金がある

さて収入が当分ないあなたですが、家賃の支払いや生活費の支払い等最低限かつマストの支払いがあります。傷病手当金はなかなか下りないので、貯金を切り崩しながらどうにか生活。
そんなとある日、あなたの家に会社から手紙が届きます。

「〇〇の期日までに以下の金額を指定の口座に振り込んでください。」

さて何でしょう。

おめでとうございます。

欠勤控除、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の支払いです。

あなたに収入がなくとも、上記の支払いを行わなければなりません。
もちろん理には適っています。欠勤をしているし、そもそも会社に勤めているし、だから健康組合に入っているし、だから休職に伴う手当も貰える(うぃる)わけだし、だからその分のお金を払わないといけない。それは納得。

私の休職期間中の1回目の支払額は約22万円、2回目の支払額は約12万円でした。

金額の構成について説明する前に一つ付け加えますと
私が勤めている企業の場合、急に収入がなくなると大変なので、休職初月は給料が通常通り支払われます。

ただしその分は過払いになっているため、1回目の会社への支払い時に過払いの分の支払いが追加されます。
故に休職1回目の構成としては
給料過払い分+健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料=約22万円になります。

その給料の過払い分は減ったため、2回目は更に支払額が減ったものの、欠勤控除は翌月に反映されるため
欠勤控除+健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料=約12万円の構成になります。

もし私の休職期間がより伸びた場合は、過払い分と欠勤控除の支払いはいらなくなるため3回目以降は同じ金額で毎月、健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料のみとなり、およそ5万円になるかと思います。

ただ保険料に関しては年収に比例するものなので、あくまでも私の年収の場合の金額です。多少変動するでしょう。

その上でこの支払い、どう考えても収入がない時期に払うと考えるときついです。

安心材料にはならないと思いますが、勤め先によっては期限を延長したり、分割という選択肢をとることもできます

私の場合はそもそも傷病手当金をまだ貰っていないことを伝え、1ヶ月ずつ期限を延長して頂きましたが、相談する前に伝えられることはなかったので要確認です。
また延長しても筆者のように1ヶ月だけだったりするので、どちらにしろ傷病手当金が間に合わないと考えてください。


その上で制度に関する考え

休職期間があったからこそしっかり休むことで回復に集中できたものの、やはりまだまだ制度として問題と感じる部分はありました。

まず、傷病手当金の金額。2/3が支給されるものの、この文章を読んだ人はわかる通りかなりの額が、休職はじめの数ヶ月、会社への支払いとして消えます。

私が勤めている会社の新卒年収は公開されているのでわざわざ隠しませんが
会社への1回目の支払額の22万は給料の2/3です。
会社への2回目の支払額12万は給料の1/3です。

まだ手元に最低でも1/3残るじゃん!と安心できないのも
一人暮らしの家賃は基本給料の1/3でしょう。家賃だけで消えます。

更に言えば、私は平均よりは給料を頂いていますが
日本の新卒平均年収は大卒で325万円です。
多くの一人暮らし中の新卒は、月収1/3以上の額を家賃代に費やしているでしょう。

最低限の生活費さえ残らないことになります。

私はたまたま入社後貯金ができたため、崩す貯金もありましたし
また親切にもお金を貸してくれる両親がいました。

しかし新卒が貯金をするには難しい日本社会において
もしもの時にお金を貸してくれる保護者がいない人もいます。

彼らはどうすれば良いのでしょう。
誰に頼れば良いのでしょう。

お金がないことはかなり不安です。
借りる人がいた自分でも、まだ貯金ができてた自分でも不安でした。
そもそも心が弱っている段階での、更に金銭的な悩みがあったことはかなり辛かったです。

「早く元気になるために外に行かなきゃ、けどお金ないし。」
と思ってしまうのも、よくありました。

傷病手当金の増額、税金の休職時減額、税金の復職後の支払い等の対策が必要かと思われます。


また傷病手当金の振込が遅いことに関しても、大問題です。
先に見込み金を支払ってから、復職後や一定期間経過後に返金してもらう方法がベストかと考えます。


企業に関しては、有給休暇を提供する義務はないとしても、最低でも年5日の有給休暇はあればと思います。
会社に勤めている多くの方には共感していただけると思いますが、権利として休める日があるというのは、本当に休まないとしてもその存在(有給休暇)があるだけで、安心できるものです。

特に心が弱ってしまい休んだ場合、また弱らないとは断定できません。我慢してから一気にボロボロになって長期で休むより、ちょっと不安だなって思った時に、適度に休めることは本当に大切だと思います。
社員を想っての、何があっても有給休暇5日の義務提供があったらと思います。(本当はもっとあって欲しいけど)

(公開後1時間以内に追加)
また企業に対してか、行政に対してかはわからないですが
心が弱っている段階で、傷病手当金申請資料を書いて、書いてもらって、届けて、するステップは想像以上に困難だと思います。もちろん一連の流れを代理人に託すこともできますが、代理人がいない・親族に頼りづらい等あらゆる理由でどうしても自分1人でどうにかするしかない場合もあるでしょう。それを企業や行政が代行できる方法があればと思いました。私が知らないだけで既にあるかもしれませんが、ならばその情報をも事前に伝えられるようになって欲しいです。
「人に頼る」というのは元から難しいことですが、心が弱っている時は更に難しいです。そもそも選択肢として上がらなくなります(その方法の存在さえ忘れます)。このような場合では特に、先に伝える大切さがあると考えます。

休職を考えているあなたへ

かなりネガティブな話をしてしまいましたが、あくまでもこの記録を残すのは安心して休んで欲しいからです。
何もわからない状態よりかは、先に知っておいた方がまだ安心できるから。

心が不健康になってしまって
ちょっぴりどうしてもいつものようには振る舞えなくって
どうしても自分を責めちゃう自分がいて

そんな人にちゃんと休んで欲しいからです。

休職をする人は周りにあまり多くないかもしれません。
けど周りを気にせずあなたを1番に大事に思って休んでください。

仕事はあなたがしなくても大丈夫です。
そのための組織であり会社です。

もしそれが機能しないならば、それは会社が改善すべきところです。
もしあなたを休めないようにする会社があるとするならば、それも会社の問題です。

こう言えてしまうのも
私が、ある種頑固すぎるくらい軸がしっかりしていて
自分の意見をあまり人の目線を気にせず言えるからかもしれませんが
それでも、もしこの言葉があなたを勇気づけられるならと思い、書かせてください。

けど何よりも休職に踏み込む必要がないくらい
元から元気いっぱいで、心も幸せいっぱいだったらいいなとは思います!

みんなで自分を大切に、同じくらい他者を大切にして生きましょう。

おわり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?