美しい破滅


こんばんは、お久しぶりです。
新しい恋が始まったり、アフリカ旅行に行ったりとかしてて更新が空いてました。(えっ?)


さいきん映画を見たので、忘れないうちに感想でも書き連ねる。


映画を見るとき、人はどんなところに焦点を当てるんだろう。
もう大人になって、ひとりで見ることの方が多いから、
どんどん味わいかたに偏りが出てくるんだろうな。そういうのも含めて。


その映画はざっくりいうと、うだつの上がらない高校教師(既婚)と、
その仲間(おじさん)たちが織りなす、飲酒にまつわる映画。


以下、スポイラーアラート、ネタバレ注意



社会科を担当する高校教師(マッツ・ミケルセン)は、クレームが入るレベルでつまらない・質の悪い授業をする日々。
子供もいるけど、妻ともなんだか距離を感じる。なんかそんな感じ。リテラリーうだつが上がらない。


そんな主人公が、ある日、
ひょんなことからその仲間の先生たち(音楽やら、体育やら)とで

「血中アルコール濃度を常に0.05%に保つことで仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という仮説を検証していくもの。

これはカテゴリとしてはヒューマンものなのだろうな、
人に人生とは、を考えさせる系の。もうそういうのだいすき。


クライマックスはない、
というより、見た人が決める。
見た人の中にある。
みんなが違うクライマックスを感じている。

だから、あそこのシーンがああだったとか、こうだったとか言い合うのが楽しいよね。

その備忘録として、いつ来るかもわからない会話の準備をここでする。


まず、、映像が美しすぎる。

さいきんカメラで動画撮ったりするようになって、ボケ感に目を奪われる。
映画って全部こうだったの?
違うよね?畜生、またつまらんことで世界の解像度が少しだけ上がってしまったなとか思った。

いきなりストーリー関係なさすぎ。

でも気づくことが増えると疲れるなって思いませんか。もちろん画素数は上げていきたいんだけど。

脱線しちゃった。

北欧の夏は美しいな、
家具や、家屋や、窓や、柔らかで暖かい照明が美しいな。


緯度が高いところ、エスペシャリー北欧にとって、
本当に太陽とアルコール(依存)は根深く、そして誰にでも関係するんだなと感じた。




もともと個人的にヒュッゲという言葉がだいすきで、
そこにも通ずる映画だなと思いながら見てた。

みんな、ヒュッゲをしていこうな。

日本は陽の長さが春夏秋冬でいい塩梅に移り変わるけど、

それですらこの頃は陽が落ちるのが早くなって、
なんとなく落ち込みやすいのがわかる。

常に薄ら落ち込んでるような。

そういうカラクリがあるとわかっててよかった、もうこれは自分の問題ではなく、地球の公転の問題。
だから、もうなんならホルモンバランスとかそういった域の話。
キャントヘルプ。諦めて楽になろ。


そんこんなで(適当すぎるまとめ)毎シーン、映像の美しさに胸を打たれながら見進める。


0.05%で確かに物事がうまく行ってて、安心した。
0.1%にいき出したところで、わずかにハラハラし始めて。

それでも物事が表面上、もっとうまく行ってて、また安堵する。

カヌー・キャンプのシーン良すぎ。ちょっと戻して何度か見た。助平?

家族は最高だけど、
夫婦としての2人の関係も大事だよな。。。うんうん。。とか思いながら。


けれど、「Del 3,血中濃度の限度を取り払う」あたりから、
いよいよ私の心臓が早鐘を打ち始める。


私はもともとあまり自分からお酒を呷るタイプではない。すぐ酔うし。
お酒なくても陽気に暮らしてるタイプ。セロトニン自給率100%って感じ。

記憶がなくなるまで飲めない。(下戸あるある)

ので、記憶屋として活躍した。

都合の悪いことや失態に関して
「でもまじで記憶ない!笑」ってかわしてる奴らのこと
なんとも言えない面持ちで眺めてた。あれっなんか急に悪口?



マッツ、せっかく仕事も私生活のいい感じになって
「家族を大事にしたい」って言って

アルコール増やすの、俺はやらないって断ったのに、
断ったあとのあの表情、そして、

え〜〜〜〜〜〜、だったよ

酔っ払いを見るのは楽しいけど、身内だったらハラハラしてしょうがない。
おじさんたち楽しそうで、映像としては最高だった。

同時に、こいつらがパッとしない東洋人で、
全員未婚・家庭なしとかだったら
見るの耐えなかっただろうなとかいう雑念が湧き起こる。


そこからは、それぞれのおじさんたちの破滅が描写されていって、
だからやめろって言ったじゃん…の気持ち。

挙げ句、死人がでる。しかもたぶんもっとも卑劣な形で浮気してたと思う。これは個人的な見解。


昔どこかで飲酒にまつわるグラフのデータを見た気がしたんだけど、そこには

テンションか何かを指標として、平常時の水準があるとする。

酒は飲んだ後がピークで、翌日酒が抜けたとき、
普通の水準よりも下がる、というものが表されていた。

学生時代、朝まで飲んで起きた時の、
あのみんなの微妙な雰囲気、
絶妙に盛り上がらない感じを思い出して、合点がいく。


でもそうやってちりつもで飲酒量が増えて、アルコホーリズムになっていくんだろうな。。

最近、付き合いで酒の量が増えている私にとって、絶妙に他人事と思えない映画だった。
あとお酒を作ったり飲んだりする描写もいちいち美しくて、
お酒好きな人は見てて楽しいだろうなとも。総評として結構すきだな



アルコールとはうまく付き合いたいね…


また見返したいな。
破滅していく様すらも、美しい作品だった。


デンマークでは、太陽はどんなふうに輝くんだろう。

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