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天国はまだ遠く

 何日か前に「もう1ヶ月くらい連絡してないし、祖父母に電話しよう」と思ってそのまま忘れてたんだけど、今日の夕方、本当に唐突に「電話しよう」と思い立って、祖父の携帯電話にかけた。
 祖父とは、体調はどうか、暖かくなったり寒くなったりしてるから、体温調節が大変だね、とか、明日は雨がひどいらしいから、お家に居てね、とか、他愛のない話をして、祖母にかわるから、と言われて電話口に祖母が出た。

 祖母は出るなり、よぼよぼと笑いながら「いま、ご飯食べ始める前にね、ちょうどはやかわちゃんはどうしてるかなって、話してたの。向こうのお家(私は義実家に同居中)で、なにか大変だったりしないかなって。しばらく電話こないから、電話してみようかねって話して、ご飯を食べ始まったところだったの。おばあちゃんの気持ちが通じたんだねぇ」なんて言うので、私は泣かないように「きっとそうだねぇ」と言うのでいっぱいいっぱいで。

 もう本当に堪らない気持ちになってしまって、どうかあの優しい老人たちが最後まで苦しくなく、辛くなく、最後まで変わらず穏やかに暮らせますように、どうか、お願いします、と、普段は全くアテにしてない神様にお祈りみたいな事をして。

 祖父母はもうたくさん生きたので、その日が明日でもおかしくない歳で。気持ちの準備をしているつもりだけど、その時が来たらきっとたくさん泣くんだろうな。嫌だな。でも、もうたくさん生きた祖父母に向かって「もっともっと長生きしてくれ」とはとても言えなくて、ただただ、穏やかに暮らしてください、どうか苦しくないように、辛くないようにその時を迎えてください、と思う。

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