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オカンのおにぎり

オカンが素手で握るおにぎりは美味しい。

ラップ越しでもなく、アルミホイル越しでもなく、素手で握るおにぎり。
「おにぎりを素手で握るのは不衛生」という風潮には頷くけど、オカンが素手で握るおにぎりだけは何ともいえない魅力がある。

オカンのおにぎりといえば、この漫画が浮かぶ

この漫画を読んだとき、「油なんて…笑」と思ったが、最近強ち間違いでもないと思えてきた。同じように真似して作ってみても、オカンのそれとは似て非なるものなのだ。

まず握り具合が絶妙なのだ。米粒がべちゃっとなっておらず一粒一粒が際立っている。それでもってボロボロと崩れたりせず、ほおばってはじめて口の中でほわっと広がる。

そして口の中がほんのりとした塩気にゆるむ。お米の味が一番惹き立つくらいの塩気がおにぎりの表面にコーティングされているのだと思う。その様はまるでハッピーターンのハッピーパウダーのよう。

お米の強烈な右フックをくらった口は勢いがとどまることを知らない。そしてついにやつの中央へと到達する。

鮭か、梅か、昆布か、高菜か。はたまた明太子か。
具を想像しながら食べ進めるのは楽しい。
わたしの推しは鮭だ。鮭はキング・オブ・オニギリノグである。塩気の強い鮭が中央に鎮座しているだけで無敵になれる気がする。

そして具を食べきった後は、再びお米の強烈な右フックに舌鼓をうつ。最初から最後まで息つく暇もなくペロリ。これがオカンのおにぎりである。

いつかオカンみたいなおにぎりが作れるようになるのだろうか。
手から油が出るようになるのだろうか。
天然の油田か、いやはや楽しみだ。

冷凍庫をハーゲンダッツでいっぱいにします!