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空想観光学

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空飛ぶクルマがもたらす豊かな社会を未来志向で構想する学びの場。 HAAM研究員チーフのPRODUCER江藤誠晃による記事です。
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記事一覧

空飛ぶクルマ3月の注目ニュース深掘り

マンスリー「空飛ぶクルマNews」の着目点から業界同行を深掘りします。 空飛ぶクルマに関しては機体に関するニュースが目立ちますが、実用化に向けて注目すべきは「バーティポート」と呼ばれる離着陸ポートの存在です。 個人所有のAAMというのは少し先になると想定すると、公共スペースとしてどんな場所がポートになり、どのような搭乗ニーズに応えるのかが気になるところ。 そこで着目したのがこのニュース。 4.ANA、イオンモールと連携して空飛ぶクルマの離着陸ポートを設置へ(3/18)

空飛ぶクルマ2月の注目ニュース深掘り

マンスリー「空飛ぶクルマNews」の着目点から業界同行を深掘りします。 今月は、世界で動き出した国境を超えたコラボレーションプロジェクトに注目しました。まずは以下のニュースをご確認ください。 Joby Aviation、ドバイにおけるエアタクシー事業の独占権利を獲得。2026年初頭までの開始を目指して(2/20) HAAMの空飛ぶクルマニュースでも度々取り上げているアメリカのJoby Aviation社から、新たなニュースが飛び込んできました。 Joby Aviatio

空飛ぶクルマ1月の注目ニュース!

マンスリー「空飛ぶクルマNews」の中から厳選解説! 毎月、お届けしている旬の情報の中からHAAMチーフの江藤誠晃が1本のニュースを取り上げて深掘りレポートをお届けしています。 「CES2024」開催。空飛ぶクルマが注目を集める(1/9) ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー展「CES 2024」にて空飛ぶクルマが注目を集めたようです。 https://www.ces.tech/ CESって何?CESと は世界最大のテクノロジー イベントで毎年 1 月にラスベ

【機上の空論】進む法整備

この図は2年前の2022年4月に開催した【HAAM】空飛ぶクルマ研究室発足記者会見時のプレゼンテーション資料の一部です。 HAAMでは空飛ぶクルマが抱える課題を「技術」「精度」「心理」という「3つの壁」に分類整理し、空飛ぶクルマ×観光の可能性と未来の空を構想する次世代型シンクタンクを目指して「未来社会受容性を向上すること」を目的としました。 詳細は2022/5/8の記事で以下のように解説しています。 その後の動向を振り返ると「技術の壁」即ち「機材」分野における成長は、こ

【機上の空論】陸海空を制する乗り物

飛行艇のスタイル この写真は1941年から1944年に川西航空機が生産した「二式飛行艇」で大日本帝国海軍の飛行艇です。 飛行艇の離発着は水面なので、滑走路に関係なく条件を満たせばどこに出る降りることができます。 川西航空機は現在の新明和工業の前身となる航空機メーカーで、新明和工業は災害救援機メーカーとして有名な会社です。 ●新明和工業>> 「陸上に敷かれた滑走路を起点に空に飛び立つのが飛行機」という定義を超えて、どこからでも垂直離発着可能な乗り物として「空飛ぶクルマ」に

【機上の空論】空飛ぶクルマは家庭に入るか?

空飛ぶクルマの適正サイズ先月は空飛ぶクルマの適正価格に関して論じましたが、今月は適正サイズです。 最終的にはマイカーを持つように個人所有のエアモビリティが実現するとして、そのサイズはガレージに入るか?富裕層の邸宅なら庭に置けるか?といった可能性を考えてみたいと思います。 以下の動画はHAAMの公式サイトにもアップしているスロバキアに本拠を置くクレインビジョン(Klein Vision)社の試作機「Aircar」で、既に200回以上のテストを重ねているリアルプロジェクト。

【機上の空論】空飛ぶクルマの算盤勘定

空飛ぶクルマの適正価格加速が付くように空飛ぶクルマ産業に関するニュースが「構想」レベルから「具体策」レベルに変わってきた感があります。 そこで気になるのが以下のニュース。 04.HIS、空飛ぶクルマの「適正価格」を分析。万博後の商用化に向けて【2023/09/09】 エイチ・アイ・エス(HIS)が、空飛ぶクルマの適正価格調査・分析に乗り出しましたというものです。 記事内に「自治体と事業者をつないで連携し、空飛ぶクルマの活用により観光地や都市間の移動を短縮し、新たな旅の

AIとの対話 003

「技術開発」や「法整備」と並んで空飛ぶクルマ産業の未来づくりで重要視されるのが「社会受容性」。 つまり、世の中はこの新しいモビリティを受け入れてくれるかどうかだ。 そこを「彼=AI」に聞いてみた。 QUESTION-1: 世界各国における空飛ぶクルマの社会受容性について教えて。 ポイントは世界各国における状況をたずねたところ。 日本はこの分野において少し遅れている感があるからだ。 ANSWER-1:空飛ぶクルマは、都市部の交通渋滞や、地方の交通不便を解消する可能性を秘め

AIとの対話 002

特定の産業界の未来市場を予測するために市場規模を過去にさかのぼって分析するのは常套手段だけど、空飛ぶクルマに関しては「過去」がないので数値を算出するのは難しいはず。 で、「彼=AI」に聞いてみた。 QUESTION-1: 注目を集める空飛ぶクルマ産業の2050年における市場規模を教えて。 返ってきた回答は以下だ。 ANSWER-1:空飛ぶクルマの市場規模は、2050年までに180兆円に達すると予測されています。この市場は、都市部の交通渋滞の緩和、災害時の救助活動、観光な

AIとの対話 001

未来のこと知りたくてAIに質問した。 QUESTION-1: 人工知能は空飛ぶクルマの夢を見るか? どこかで聞いたことあるフレーズでしょ? そう、米国のSF作家フィリップ・K・ディックが1968年に発表した小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』をもじった質問。 ※ちなみに、ハリソン・フォード主演映画『ブレードランナー』の原作 そうしたら「彼」はこう答えた… ANSWER-1: 人口知能は・・・>> click 想定通りの回答に「やっぱり無理か…」と納得してしまう

【機上の空論】舞台は日本か?世界か?

空飛ぶクルマは国境を越えるか?空飛ぶクルマ産業とこれまでの航空産業を比較すると明らかなのは、飛行高度が低く、移動距離が短いということです。 つまり、空飛ぶクルマの「行動圏」は世界を飛び交う飛行機に対してコンパクトであって、「国境を越える」シーンは少ないはずなのです。 都市型の観光においては「空飛ぶタクシー」。 地方においては過疎対策や物流など社会課題を解決するモビリティ。 というのが想定される空飛ぶクルマビジネスなので、基本的には各国におけるニーズに対するドメスティックなビ

【機上の空論】インバウンド市場が日本の空飛ぶクルマ市場を活性化させる?

日本航空の動きに注目7月のニュースで注目したのは “万博後すぐに「空飛ぶクルマ」事業化目指す” という日本航空社長の発言です。 ここのところ万博に関してはパビリオン建設の遅れのニュースばかり。開催まで2年をきった今、60カ国予定のうち10分の1という厳しい状況です。原因の資材費高騰と人手不足は簡単に解消できない状況なので心配ですが、万博後の空飛ぶクルマ産業発展に向けた巨大企業トップの発言の背景は探る必要ありです。 世界的インフレとドル高・円安基調が続く限り、空飛ぶクルマの

【機上の空論】オリンピックvs 万博とトレンド予測

2024年と2025年日本における「空飛ぶクルマ」産業の推移は大阪・関西万博が開催される2025年を境に、それまでが紀元前、その後が紀元後であるかのような空気に包まれてきました。 この分野をリードする経済産業省次世代空モビリティ政策室が昨年発表したこのロードマップを一目すればわかるように、我が国における空飛ぶクルマ産業にとって2025年が歴史的通過点となりそうです。 そこで、今回のニュースで最も気になったのが来年パリで開催されるオリンピックにあわせて始まる電動エアタクシー

【機上の空論】数値が予測する未来と夢が手繰り寄せる未来

市場予測が上昇中HAAM地元の兵庫県の玄関口である神戸空港に関する発表が相次ぎました。 まずは、2025年に国際チャーター便、2030年前後に国際定期便受け入れを目指す神戸空港が新たにサブターミナルをつくるという計画。大阪・関西万博が開催される2025年4月の直前オープン予定となっています。 詳細はこちら>> 加えて、空港敷地内にてビジネスジェット受入施設を担う事業者の公募が6月に発表されましたが、こちらは高付加価値富裕層市場を空路で呼び込む施設だけに、将来的な「空飛ぶク