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ありがとう そして さようなら

おとといのことです。
3年生だけのお別れ会を終えて職員室で一息ついてから,
みんなの待つ教室に向かったボクは,
ドアを開けた途端に立ちすくんでしまいました。
そこにはボクが予想もしなかった光景が繰り広げられていたからです。

配られたばかりの卒業アルバムを持って動き回っている人,
差し出されたアルバムにサインをしている人,
一人や二人じゃありません。なんと4組の教室全体が
大サイン大会の会場となっていました。

ボクが教室に入っても,誰も気が付いた様子がありません。しばらくボ~~っと眺めていると,一人ひとりの顔がくっきりと見えてきました。
その顔は誰もが輝いていました。サインを求める人も,求められる人も,
仲良し同士はもちろんふだんはあまり話さない人同士も,
すっかりうちとけたように笑顔で語り合っている。

幸せだなぁ~~~

身体の中からポッと一つの言葉が浮かび上がってきました。
―― みんな,なんてステキな顔をしているんだろう。
―― なんて良い子たちなんだろう。
―― 4組っていいクラスだったんだなぁ
―― この3年間みんなと一緒に過ごしてこられてよかった。
―― 本当に幸せだったなぁ。
いろんな想いが次々と湧きあがってきます。

ひょっとしたら
ボクはこんな光景を見たいから,
こんあ幸せを味わいたいから,
〈学校のセンセイ〉というものになったのかもしれないな。

そんなことまで考えてしまいました。

このまま,
このままズ~~~ッとあなたたちを見つめていられたら…。

振り返ってみれば,
3年間こんな幸せを何度も何度も,
あなたたちから与えてもらっていたような気がします。

この3年間,ボクは幸せな教師(センセイ)でした。

――― ありがとう。
    ――― さようなら。

―― 以上です。
これは1989年4月~1990年3月に担任した中学3年生に宛てた学級通信です。
3年間持ち上がりで教えた子どもたちに贈った最後の通信になります。
この年は65号を発行しています。
当時はボクもエネルギーがあり余っていたので,1年毎にすべての学級通信を合わせてガリ本に仕上げて,クラス全員にプレゼントをしていました。
この年は3月28日に完成。春休みの教室に取りに来てもらって,
早々と同窓会を楽しんだことも懐かしい記憶です。

―― さて,noteをはじめたのは昨年2023年1月です。
以来1年超続けて来られたのは,ボクのブログを読みに来てくださったみなさんのおかげです。中には「好き」を押してくださる方もいて,大いに励みになりました。

ボクはこの3月で現任校での勤務を終えます。4月からは私立の学園で中学2年生と高校1年生を担当して,さらに別の学校でも1クラスを担当することになりました。休みは週1日で,なかなかハードです。今やボクにとってnoteはとても大切な存在になりつつあります。でも,このまま続けて本業に影響が出てしまっては,子どもたちに申し訳ありません。

「紙風船」はしばらく休載します。
まだ終わる気はありません。season1終了のつもりです。
これまでお読みくだった皆さん,
ありがとうございました。そして,しばしお別れします。
再見,see you again いつかまたお会いしましょう。


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