2011.11.06 Sunday セミリンガル

(以前に書いたブログ記事から再掲しています)

バイリンガル教育をおし進めると問題になるのが、セミリンガルです。正確は定義は別として、複数の言語を中途半端にしか習得していないため、言語を使った高度な思考ができなくなり、知的成長に問題が生じている場面を話題にしたいと思います。

私自身は帰国子女ですが、常に日本語が中心だったので、外国語の習得に苦労をしてもセミリンガルに苦しむことはありませんでした。しかし、海外で育ったより現地語になじんでいた知人で高校2年くらいから大学くらいにかけて、知的成長に苦しんでいるらしい例はいくつか見てきました。
まあ、他の要因もあったかもしれず、言語だけが理由であるとは断定できませんけれど。知人のケースでもあとで挽回できているのですが、受験みたいに決まった時期に知的成長を計るイベントがあると辛いです。

20 世紀初等の研究に「バイリンガルの知性が低い」というものがあるらしいですが、これは文化的・社会的に恵まれていない栄養不足の移民の子供を主に被験者としたもので、肌感覚的にもそんなことはないといえるでしょう。頭よさそうに見えるというドレス効果もありますしね(笑)

留学しようとアメリカの大学院入試の勉強をしたときに、なんでこんな難しい普段使わないような単語を覚えなければならないのかとまず感じました。語彙力だけでなく、エッセーを書いたりする文章力、大量の専門書を読みこなす読解力が必要になります。こういった言語力訓練は、その後の高等教育を受ける基礎体力であって、それが少なくとも一つの言語で十分トレーニングされないと相当苦しいことになります。

そして、語彙に関しては明確な感受期が見つかっていないようですので、意識的なトレーニングをどのくらいできるかで決まってくるのではないでしょうか。

子供達はまだ渡米1年で、さらなるimmersionが必要な時期なので、家でも日本語のテレビは見れないようにしています。週末はNetflixでこちらのアニメを見ていますね。最近はネットでドラえもんやサザエさんを検索して観ています。日本の漫画や短編の小説はよく読みます。

日本語は、漢字は読めればいいと割り切って、読書と作文練習を中心にやっています。自分だってパソコン使っていてもう手で書ける漢字は大幅に減っていますの で。。。ただ、作文を書くときは漢字をきちんと使うように言っていて、iPadで書き順や書き方を練習しつつ書いています。
書道はアートとしてやらせたいのですが、時間的に手が回ってません。

でも、先日は下の子供の日本語の作文に「今日は水ぞっかんにいきました。」まではまだ良かったのですが「シーアーチンにハグされました。」(うにを棒で突くと、 少し凹んで棒の先を包むような様子のこと)と書いてあって、日本語ももっと力を入れないとダメだなと思ったのでした。。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?