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カーテンの隙間から見える夏の日差し。

僕はお昼に起床する。


隙間から見える日差しは、とても美しくて

どこか懐かしい感じもあった。

クーラーは一応つけているが、ちょっと蒸し暑くて

でも何かに包まれているような感じさえあった。


なんだろうか、この懐かしい感じ...

そうか、子どもの時に行っていた『おばあちゃん家』だ。

おばあちゃん家で昼寝をして起きたときの感覚に似ているのだ。


両親共働きだった私は

夏休みになると、よく祖父母の家に預けられていた。

そこでは、よく遊びよく寝て、時代劇などのルーティン的テレビを

見ていたものである。


父方の祖父母の家は、高知の山の方にあって

近くに川の上流があった。

川の上流にいるのは、自分と2歳年下の弟くらいで

プライベート空間のような感じさえあった。

山菜を取ってきては、その山菜を祖母が料理して

出してくれていたのである。

塩のきいたおにぎりも絶品だった。

祖父は畑仕事で日中はおらず、

夕方家に帰ってきてはほぼだまーってテレビを見、

そのまま寝床についていた。

父母が迎えに来ると、車が川の向こうから見えた。


母方の祖父母の家は市内の方にあった。

街中にありながら、すぐそばは山で散歩道には

色々な季節感が漂っていた。

祖母は花が好きだった。よく押し花を見せてくれた。

母方の祖母の家には、時々いとこがやってきていた。

いとことは1歳違いでよく一緒に遊んでいた。

家の中でかくれんぼをよくし、

祖母が忙しい時には、2人でお散歩にも行っていた。

(祖母が亡くなった時に、2人で懐かしみながら

 散歩道を歩いたのは今でも忘れない。それ以降たぶん歩いていない。)


上京、一人暮らし。

僕の家の窓からはわずかな光が家のなかを差す。

そのわずかな隙間の近くには、

エバーフレッシュ が今日もすくすく元気に育っている。

一度葉っぱがすべて落ち、瀕死の状態になったエバ。


エバの近くには、祖母がくれたものが今日もある。

夏の日差し。今日、私は一瞬の思い出旅行に出た。

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夏の思い出

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