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スーパー戦隊シリーズとCO(中央集権型組織)・DAO(分散型自律組織)の関係性(実践編・90年代)

スーパー戦隊シリーズとCO(中央集権型組織)・DAO(分散型自律組織)の関係性、今回は90年代の戦隊シリーズ(『鳥人戦隊ジェットマン』〜『未来戦隊タイムレンジャー』)を解説する。
判断基準は以下の4つ。

  1. 「組織の公私」……組織の規律(=公)と個人の自由(=私)の割合。数値が高いと中央集権型、低いと自律分散型。

  2. 「トップの権限」……組織のトップ=司令官もしくはチームのリーダーが全体に及ぼす影響。数値が高いと中央集権型、低いと自律分散型。

  3. 「組織の完成度」……物語の始まりの段階で判断可能なチームとしての準備量。数値が高いとプロフェッショナル、低いとアマチュア。

  4. 「メンバーの関係性」=正規戦士と非正規戦士の割合とチームカラーへの影響。数値が高いとプロフェッショナル、低いとアマチュア。

各1〜10点ずつで算出し、「組織の公私」+「トップの権限」=横軸(X軸)の数、「組織の完成度」+「メンバーの関係性」=縦軸(Y軸)の数とする。
合計値次第でプロDAO(左上)アマDAO(左下)プロCO(右上)アマCO(右下)かが決まるが、例外的に軸の中間を取るという場合もあるだろう。
その時はプロハイブリッド(縦軸上+横軸真ん中)アマハイブリッド(縦軸下+横軸真ん中)混成DAO(縦軸真ん中+横軸左)混成CO(縦軸真ん中+横軸右)という分類だ。
スーパー戦隊シリーズでは正規戦士と非正規戦士が混じる混成部隊も多いが、余程のことがない限りここに分類されることはほとんどないと見て良い。

改めて誤解しないように再三強調しておくが、縦軸と横軸の合計私はあくまでも「分類」に使うのであって「作品の評価」として使うものでは決してない
いわゆる「公的動機」「私的動機」「自主性」「主体性」「絆」「使命感」「正義感」といった心の問題に関しては一律に客観的な数値の大小として扱うことにする。
中身が見えないあやふやなことよりも設定と描写という具体的な物をベースに計算した方がより正確にチームカラーを算出できるからだ。
それでは以下分布図全体の集計結果と全体の傾向、そして各戦隊への具体的な解説である。

<分布図の集計結果と傾向>


90年代戦隊の分布図

(集計結果)

  • プロDAO(左上)……1チーム(『星獣戦隊ギンガマン』)

  • アマDAO(左下)……2チーム(『鳥人戦隊ジェットマン』『未来戦隊タイムレンジャー』)

  • プロCO(右上)……3チーム(『恐竜戦隊ジュウレンジャー』『超力戦隊オーレンジャー』『救急戦隊ゴーゴーファイブ』)

  • アマCO(右下)……3チーム(『五星戦隊ダイレンジャー』『忍者戦隊カクレンジャー』『電磁戦隊メガレンジャー』)

  • アマハイブリッド……1チーム(『激走戦隊カーレンジャー』)

(傾向)

やはり黄金期・激動期と呼ばれるだけあって、90年代のスーパー戦隊シリーズはチームカラーの変遷が歴代の中でも相当に激しく、全体的に疎(まば)らなようだ。
とはいえ全体の傾向としては10チーム中6チームと半数以上がCOであり、まだ70〜80年代の残滓が強くあることから見ても試行錯誤の時期であったことが読み取れる。
しかし、プロCOにしてもアマCOにしても、この時代に入ってくると司令官となる人たちがそんなに偉くない、もしくは判断を間違えるということも少なくない。
特に杉村升がメインライターを担当した「ジュウレンジャー」「ダイレンジャー」「カクレンジャー」「オーレンジャー」はCOのデメリットを大々的にドラマとして打ち出している。

残りの「メガレンジャー」「ゴーゴーファイブ」はどちらも武上純希がメインライターを担当しているが、彼の作風を見るとやはり昭和ヒーローやロボアニメへの憧れが強いといえる。
ヒーロー性という仮面を取っ払って等身大の高校生の「弱さ」に焦点を当てたメガレンジャー、そして最初は私設組織として始まりながらも段々と公共機関との関わりが強くなるゴーゴーファイブ。
この2作に共通しているのはナショナリズムをベースにしていながらも、決してただ上に従っているだけでは勝てずに、現場での臨機応変な対応力もまた大事だということが描かれているところだ。
組織が意思決定や方針を決めて、戦士たちはそれに従って戦うということがかえって不利に働くということがこの2作では変わらず、特に「メガレンジャー」終盤はそのネガがとても強く押し出されている。

一転してDAOの方だが、こちらはやはり過渡期の段階ということもあって、「ジェットマン」「ギンガマン」「タイムレンジャー」の3チームと実に少ないのだが、特異なのは「ジェットマン」だろうか。
「ジェットマン」は当初の予定が狂わなければ70・80年代戦隊と同じプロCOの軍人戦隊となるはずだったのが、竜と小田切長官以外はバードニックをたまたま浴びただけの素人でしかない。
しかも竜は内面に復讐鬼としての顔を覆い隠していて小田切長官は新人をまともに指導した経験がないという、『機動戦士ガンダム』のホワイトベースと似たような組織構成になっている。
プロの軍人戦隊という表向きの設定に反して、実態は素人だらけの独立愚連隊であるというのがチームカラーという観点から見た時の「ジェットマン」の独自性にして革新的なところだ。

次に小林靖子がメインライターを担当する『星獣戦隊ギンガマン』と『未来戦隊タイムレンジャー』だが、この中では唯一のプロDAOである「ギンガマン」の存在感が異彩を放つ。
凄く王道的なイメージが強く平成戦隊のニュースタンダード像となった「ギンガマン」だが、組織カラーで見るとむしろ歴代の中でも前例が「フラッシュマン」しかないというのは興味深い。
また「タイムレンジャー」だが、こちらは「ゴーグルファイブ」で絵空事として実現していた「個人事業主の集まり」という概念をようやく物語の中に活かすことができたといえるだろう。
まだCOの概念が強かった時代に先駆けてDAOの時代がいつかやってくるということをもしかすると「タイムレンジャー」という作品は予見していたのかもしれない。

そして最後に歴代唯一のアマハイブリッドである「カーレンジャー」だが、こちらはある意味で裏「チェンジマン」と言えるチームカラーとなっている。
とはいえ「カーレンジャー」の場合は「チェンジマン」ほど個人と組織の狭間で葛藤していたという感じはなく、論理的に「仲良しチーム」として描かれているのだ。
こうしてみると、90年代戦隊の中で評判の高い「ジェットマン」「カーレンジャー」「ギンガマン」「タイムレンジャー」はいずれもDAOの側面が強い。
反面COの戦隊にしても従来のヒーロー像は「オーレンジャー」くらいしかなく、全体的に迷走というかヒーロー像の変遷に戸惑いがあることが読み取れる。

<各戦隊の具体的な解説>

『鳥人戦隊ジェットマン』


  • 合計値=11(アマDAO)

  • 横軸:「組織の公私」4+「トップの権限」1=5(DAO)

  • 縦軸:「組織の完成度」1+「メンバーの関係性」5=6(アマチュア)

第1話でバイラムの襲撃によって竜は大事な恋人をなくしてしまって復讐鬼としての内面を覆い隠し、残りの4人は平和ボケした正義感などまるでない有象無象であるという悲惨な状態から物語が始まる。
歴代でも類を見ない修羅場と内ゲバが特徴的なチームだが、同時にその作風やチームカラーがポスト冷戦の平成初期の世相に大変マッチしていたといえるのではないだろうか。
竜のカリスマ性も小田切長官の指導力も全く4人には効かずなんどもチームは解散の危機に陥るわけだが、ではプロに戦わせたから良いのか?というとそういうわけでもない
裏次元戦士の存在やジェットマンの上位互換として描かれているネオジェットマンは典型的なプロフェッショナルだが、裏次元戦士は全員死亡しネオジェットマンは大事な心を失ったが故にバイラムに敗れた。
ここにCOのデメリットが描かれると共に、素人には素人なりの戦い方があるということを示しアマDAOのあり方を改めて示したのが本作の革新的かつ意欲的なところではないだろうか。

『恐竜戦隊ジュウレンジャー』


  • 合計値=36(プロCO)

  • 横軸:「組織の公私」10+「トップの権限」6=16(CO)

  • 縦軸:「組織の完成度」10+「メンバーの関係性」10=20(プロフェッショナル)

前作「ジェットマン」とは対照的に本作のチームカラーはプロCOであるが、「ファイブマン」までと大きく違うのは古代から蘇った戦士というファンタジックな設定を大々的に導入したことだ。
そうなると普通はプロDAOになりそうなものだがそうならなかったのは大獣神という神様の存在によってゲキたちが選ばれているという「神の思し召し」がチームカラーを大きく規定しているからである。
ジュウレンジャーの5人はその神様が与える試練を乗り越えて戦っていくというRPGスタイルで敵と戦う形となっており、言ってみれば「神様に都合よく動かされる手駒」という風に見ることもできる。
そこにおいては個人の自由意思なんてないも同然であり、それに唯一抵抗した6人目の戦士・ブライですらも「制限時間30時間を超えると死んでしまう」という宿命から逃れることは終ぞできなかった。
最終回でも大獣神は魔力を失ったバンドーラを壺に入れて宇宙に漂流させたり、恐竜の赤ちゃんを勝手に人類に託したりと最後までわがままし放題だが、それが本当に正しいかどうかという確証はまるでない

『五星戦隊ダイレンジャー』


  • 合計値=22(アマCO)

  • 横軸:「組織の公私」10+「トップの権限」6=16(CO)

  • 縦軸:「組織の完成度」1+「メンバーの関係性」5=6(アマチュア)

神の思し召しでしかなかった前作を踏まえて誕生したのが本作であったわけだが、前作と大きく違っているのはダイレンジャーの5人は天性の素質と気力があるだけの素人だということである。
そんな彼らが自主的に動けるかどうかを導師は黙って見ていたわけだが、3・4話で大五以外の全員が杜撰な対応しかしなかった為に導師が手取り足取り教えながら成長させていくこととなった。
しかし、その導師がまさか敵側の手先にして裏切り者であったという事実が判明した終盤でダイレンジャーは強制解散、それまで導師の駒でしかなかった5人は一気に路頭に迷うこととなってしまう。
そんな彼らが戦う意欲を取り戻したのはそれぞれに積み重ねてきた思い出のようだが、決定打となったのは導師がゴーマを穏健派に戻して戦いを終わらせようという真意を知ったからだった。
そして最後に5人がゴーマとの戦いを辞めたのも亡き導師の魂がそう言ったからであり、本作はCOのデメリットをこれ以上なく示していながら、その先の道を示すことができなかったように思える。

『忍者戦隊カクレンジャー』


  • 合計値=24(アマCO)

  • 横軸:「組織の公私」8+「トップの権限」8=16(CO)

  • 縦軸:「組織の完成度」4+「メンバーの関係性」4=8(アマチュア)

全員が素人でしかなかった前作とは違い、本作は忍者の使命に自覚的だった鶴姫とジライヤ、そして忍者の使命に当初ピンと来ていなかったサスケ、サイゾウ、セイカイに別れる。
とはいえその鶴姫とジライヤにしてもチームの中でのヒエラルキーは決して高くはなく、残りの3人に舐められるという日々が当初は続いており締まりのないチームであった。
前半だけを見ればアマCOであるが、敵組織の妖怪が本格化して大魔王が復活するとサスケたちも呑気な若者ではいられなくなり、三神将を師として仰ぐ使命感と結束力の強いCOへ変質する。
しかし、それで前半の呑気な雰囲気が完全になくなったわけでもなく、三神将が5人にとって本当に頼れる上司であったかのかどうかは怪しいが、それを確かめる手がかりはない
最終回、確かに彼らは妖怪たちを封印することに成功はしたものの、本質的には何も解決していないわけであり、これもまた前作同様にCOの限界を露呈したようでもあった。

『超力戦隊オーレンジャー』


  • 合計値=38(プロCO)

  • 横軸:「組織の公私」8+「トップの権限」10=18(CO)

  • 縦軸:「組織の完成度」10+「メンバーの関係性」10=20(プロフェッショナル)

本来は『古代戦隊ナゾレンジャー』として企画された本作だが、「ゴレンジャー20周年」という文脈を持ち込んだのか、「サンバルカン」以来となるプロCOの軍人戦隊として描かれた。
一度軍人として選ばれた彼らは三浦参謀長に従って戦うことに疑問は持っていないのだが、少しだけ違うのは有給さえ取れば地元の夏祭りに行ったり海水浴に行ったりするのが可能ということだ。
それよりも肝心なのは彼らの力の源である「超力」が果たしてどんな力であるかが不明であることであり、三浦参謀長ですら完全には把握していないのだからオーレンジャーの5人にはわかりようがない。
そんなブラックボックスだらけの力に頼っていいのかという疑問が深刻な形で露呈したのが超力を喪失してしまい、バラノイアの世界征服を許してしまうという終盤の一連の展開である。
彼らが超力を取り戻したのは自主性ではなくドリンの指示によるものだし、最後でヒステリアの赤ん坊を助けることになったのも自分たちの決断ではなく、COのデメリットが最悪な形で出たといえるだろう。

『激走戦隊カーレンジャー』


  • 合計値=12(アマハイブリッド)

  • 横軸:「組織の公私」9+「トップの権限」1=10(ハイブリッド)

  • 縦軸:「組織の完成度」1+「メンバーの関係性」1=2(アマチュア)

カーレンジャーとしての使命自体はダップの強制であり給料を盾にして断ることはできないが、5人が常々ダップに従いながら戦っていたわけではないし、リーダーの恭介もリーダーシップは然程ない。
果たして何のために戦っているのかもわからない状態であったが、チームカラーがはっきりと決定したのが22話と24話であり、この2つでカーレンジャーのチームカラーが決定した。
プロCOのシグナルマンアマDAOのボーゾックの中間、つまりCOとDAOの中間に位置する完全な素人というのがカーレンジャーのチームカラーということになった。
結果的にある種の裏「チェンジマン」となったわけだが、そんな彼らが辿り着いたのは終盤のクリスマス決戦編を経てからの「心はカーレンジャー」というあの展開である。
自由と規律のバランスを取りながら「夢」を追い越して光となった時、カーレンジャーはクルマジックパワーを己のものとして取り込み引き出すことに成功したのだ。

『電磁戦隊メガレンジャー』


  • 合計値=18(アマCO)

  • 横軸:「組織の公私」10+「トップの権限」6=16(CO)

  • 縦軸:「組織の完成度」1+「メンバーの関係性」1=2(アマチュア)

「ターボレンジャー」以来となる学生戦隊だが、本作では若さがそのまま長所として正当化されるのではなく、むしろ等身大の学生ならではの短所や未熟さといったマイナス面に焦点を当てていく。
だから最初は健太の「面白そうじゃん」という好奇心で戦うものの、その健太でさえ戦士としての適性や自覚はまるでないしリーダーの耕一郎にしても真面目にやろうとしてかえって空回りしていた。
そんな彼らが自分たちが抱える使命の重さと向き合ったのは16話の毒テロであり、ここで自分たちは何のために戦うべきなのかを再確認し、単なる好奇心で戦うヒーローではなくなる
後半に入るとマッドギレールやネジレンジャーなど敵組織もやり口が激化していき、なおかつ終盤では正体がバレた結果として世間から迫害され私生活を根こそぎ失ってしまった。
しかし、どれだけ成長したとしても所詮はそこら辺にいそうな高校生でしかない彼らがDr.ヒネラーの問う「お前たちは幸せか!?」に答えられないのはアマCOの限界を露呈させていたようでもある。

『星獣戦隊ギンガマン』


  • 合計値=25(プロDAO)

  • 横軸:「組織の公私」3+「トップの権限」2=5(DAO)

  • 縦軸:「組織の完成度」10+「メンバーの関係性」10=20(プロフェッショナル)

前二作までを踏まえて「フラッシュマン」以来となるプロDAOとして作られたのが本作だが、ギンガの森の民は各自が伝説の戦士・ギンガマンになるために徹底した戦闘技術を磨いてきた戦闘民族である。
その上で星を守りたいという思いと生きとし生けるもの全てを愛する心を全て兼ね備えた純粋な正義の塊みたいな連中であり、チームワークより「俺がこの星を守るんだ!」というエゴが強い奴が戦士に相応しい。
チームカラーをそんな風に規定した以上、本来は落第者であったリョウマが炎のアースを覚醒させて「強き戦士の力と心のあり様」を年間を通して問うものになったのは必然だった。
最初は謙虚で優しいながらも兄ヒュウガに対する憧れとそれ故に生じたコンプレックスがマイナス面として多少なり出ていたが、戦士としての素質や心のあり方は決してヒュウガに劣るものではない
そのことを証明するのが2クール目で復讐鬼に陥ったヒュウガの暗黒面である黒騎士ブルブラック、そして4クール目でヒュウガを打倒ゼイハブに利用するブクラテスとの対比であったといえる。

『救急戦隊ゴーゴーファイブ』


  • 合計値=34(プロCO)

  • 横軸:「組織の公私」8+「トップの権限」10=18(CO)

  • 縦軸:「組織の完成度」7+「メンバーの関係性」9=16(プロフェッショナル)

プロDAOだった前作とは対照的に「オーレンジャー」以来となるプロCOとして描かれたのが本作だが、序盤だけを見ていれば確かに私設組織なのでプロDAOに近いともいえるだろう。
だが6話ではショウの葛藤を通してゴーゴーファイブの使命と職業か必ずしも本人の自由意思ではなく巽家という家柄の伝統を受け継いでいるだけということが示されている。
そしてまた、8話では公共機関の象徴として乾総監がやって来てマトイたちはモンド博士と乾総監の指示のどちらを聞けばいいのか困惑し、船頭多くして船山に登る状態に陥った。
ということは個人の自由意思はほとんどないものと見ていいわけだが、かといってプロ中のプロなのかというとその5人よりも優れたレスキュー隊員がいることがマトイの先輩を通して示されている。
5人が最後まで戦い続けたのは母親が言い続けた「信じ合うのが家族です」という言葉と兄妹の絆であり、喧嘩も多く目立つが協調性はとてもあるチームだといえる。

『未来戦隊タイムレンジャー』


  • 合計値=10(アマDAO)

  • 横軸:「組織の公私」1+「トップの権限」1=2(DAO)

  • 縦軸:「組織の完成度」4+「メンバーの関係性」4=8(アマチュア)

「ジェットマン」以来となるアマDAOであるが、ここまで「個人事業主の集まり」という設定が物語の中にきちんと活かされたという意味では「ゴーグルファイブ」の先を行くものとなった。
5人には確かにタイムレンジャーとしてロンダーズファミリーを逮捕するという職務を背負っているが、彼らを突き動かしているのはもっとミクロな竜也の「明日を変える」という言葉である。
つまり1,000年の歴史というマクロなものは個人の意思で変えられなくても目の前の行動というミクロなものは自分の意思で変えられるということを竜也は主張し、それが他の4人を突き動かした。
だからTomorrow Researchとしてそこそこの社会貢献もしながら、お互いのプライベートには必要以上に干渉しない方針である以上、終盤になればなるほどチームワークが希薄になるのは当然である。
最後の大消滅を5人が食い止めたのは決してチームワークや結束力ではなく各自の意思が重なった結果に過ぎず、またそれが絶対の正解だという保証もないというのはDAOのデメリットも示しているようでもあった。

さて、次回はこの分布図の中から00年代戦隊(『百獣戦隊ガオレンジャー』〜『天装戦隊ゴセイジャー』)の分布図と傾向、各チームのカラーについて具体的に解説していこう。

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