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【ネタバレあり】『新テニスの王子様』1月号感想〜手塚が七人ならぬリョーマが七人!?〜【スペイン勢の秘密】

今月の『新テニスの王子様』、予告でえらい「アラメノマ」を煽ってたのでどんなホラーが待ち受けているかと思ったのですが、意外にもあっさり攻略されていました。

※ネタバレありなので、ジャンプスクエア本誌未見の方は閲覧注意

あんだけ煽っておいたアラメノマ攻略法がまさかの××って!(笑)

流石にこれは大笑いしました、いやあ許斐先生は相変わらず独特のギャグセンスをお持ちと言いますか、めちゃくちゃどシリアスかと思いきや時々抜け穴みたいなものを作って切り抜けてしまうから困る
けど、今回の話でわかったのはアラメノマって結局「尊師マーチ」みたいなものですよね、聴覚を支配することによる集団催眠で、普通の人には効くけど一部効かない人もいますみたいなのは。
金太郎に何故効かなかったのかという明確な理由は説明されていませんでしたが、結局のところは「人間の皮を被った野生児なので、人間の理屈が通用しない」とかだったのかなあと。
そう考えると、忍者のセダ君との相性が最悪な理由もわかると言いますか、いわゆるロミオの具現化やセダの集団感染って脳の機能を狂わせることによって幻影を見せたり洗脳したりするんですよね。

だから、跡部様・忍足・リョーマ・白石・鬼の兄貴・赤也・入江などのほとんどのメンバーが感染した理由もわかります、全員知性が高くて頭のいい策士みたいな奴らばっかだから
桃城だって義理人情に厚い熱血漢ではありますが、金太郎と大きく違うのは「青学一の曲者」という異名がついているように、結構知性派の策士な部分があるとこなんですよね。
「スラムダンク」でいうところの宮城リョータタイプと言いますか、直情径行に見せかけておいて実は結構な切れ者というか、見た目と中身のギャップがあるという。
金太郎はいわゆる桜木花道タイプで、野生の勘と潜在能力を持ったとんでもない化け物が予想外の動きをして試合をかき乱すという感じになっています。

すなわち、「頭で考える」のではなく「体が反応する」という形で動くので、脳に栄養が回っていない分それ以外の身体能力に栄養が極振りしてるという稀有な例なんですよね。
「テニミュ」の「コイツを倒したい」でも「考える先に体が動くテニスボールは伝達分子」という歌詞があるように、金太郎のプレイは身体性に振り切っているからセダには通用しません。
柳が「初見で金太郎のプレイを見切るのは不可能」と言っていましたが、これは自身も幸村とダブルスを組んでみてわかったことではないでしょうか。
天衣無縫になれるやつとそうでない奴の違いはこの「規格に収まらない=枠がない」かどうかですが、金太郎はその天衣無縫組の中でもその異質さが顕著です。

狡いといえば狡いのですが、でも決して唐突に湧き出たものではなく、そもそも旧作のリョーマとの一球勝負からしてそうだったのを改めてここで具体的に言語化してもらったという感じですね。
ただ、三船監督と大曲先輩が言っていたように、まだまだ荒削りというか「ダイヤの原石」であることは事実なので、ここからどうダイヤに磨き上げて行くのかが課題なわけですが。
同じダイヤの原石でもリョーマはいわゆる流川楓君タイプなので、伸び代はまだあるにしても英才教育で8割出来上がっているわけじゃないですか、あとは肉体の成長が課題なだけで。
金太郎はそうじゃないタイプの逸材だからこその楽しみですが、今回は表面上金太郎たちが有利と見せておいて、ここからのセダとバンビの反撃がむしろ恐ろしくなってきます。

そう、そこで今回ラストで美味しいところを掻っ攫っていった不二先輩!

何と、彼によってスペイン勢が全員リョーマと同じ南次郎直伝の英才教育を受けていたのでは?との鋭い指摘が入りました。
許斐先生も不二先輩の扱いを心得ていると言いますか、旧作からしてそうですけど、主人公じゃないにも関わらずここぞってところでの目立たせ方が上手い。
試合せずとも存在感を発揮していますが、彼がこういうことを言い出すとマジでシャレにならないレベルで急転直下するのでこちらも心臓バクバクです。
ただ、決して無意味に人を怖がらせることをいう人ではないので、今回のこれに関しては冗談ではなく本気でそうだったのだろうと思います。

ラストの1コマで勘のいい読者の皆さんならお分かりでしょうが、スペインはまさかの「手塚が七人」ならぬ「リョーマが七人」だった説が浮上しました。
これによって、ロミオ戦ではイマイチ見えにくかったスペイン勢の「無敵艦隊」の意味もわかった気がします、何でかってラスボスがまさかの旧作主人公だったのですから。
それと同時に南次郎が監督をやっていた意味もうまく物語の中に収めてきたというか、リョーマの主人公補正が決して御都合主義ではなく南次郎の英才教育補正だったとしてきたのは納得です。
そりゃあ普通にやってちゃ勝てませんよってところなんですが、リョーガや南次郎はともかく、手塚と徳川って草試合とはいえ純粋な実力でリョーマに勝ってるのだから先生としても特別なのでしょう。

また、それと同時に先生が跡部様の具現化でリョーマだけシルエットのみにして未来を見えないようにしたのも不二の一言である程度説明ができます。
それはS2の兄弟対決を予測できないようにするだけではなく、そもそもロミオ自身がリョーマだったので実質跡部はリョーマと戦っているようなものだったということです。
S3は跡部様というキャラの清算だっただけではなく、「同じ相手に二度負けない」という越前リョーマへのリターンマッチだったというわけですよね。
でもそうなると、金太郎・大曲の勝ち目がいよいよなくなってきたと同時にS2のリョーマもいよいよ主人公補正がかからない中で戦わないといけないということですね。

許斐先生としてはおそらく大目玉として描きたいのはやはりS2の越前兄弟対決なのでしょう、これが最初期から伏線も張っていましたし、劇場版も製作されています。
でも、だからと言って楽にリョーマたち日本代表に勝ってもらっては困るから、楽な道は用意しない、苦難の道を超えなければ本当の勝利ではないということです。
凄い角度で面白くしてきましたが、そうなると以前に先生が仰っていた「不二がリョーマにしていた秘密の贈り物」の真相が気になります。
いよいよS2への期待が高まりますね、一体どうなりますことやら……でもあの試合でリョーマとやり合っただけでそこまで見抜く不二先輩の洞察力も流石です。

とりあえず、リョーマと不二の試合の真相に期待です。


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