僕の脳は閉じている

自分でも何を言っているかわからない。僕が常に持っているこの感覚について科学的な知見を得ようとしてみたのだが、読解力、知識、集中力の乏しさゆえにたどり着くことができなかった。

何かしらあるのだと思うのだけど。つまりそれはどういうことか。多分なのだが、僕の脳にはマニュアルの車みたいにギアがあるのだと思う。動き始めは1速でパワーがある代わりにゆっくり回転で、5速までいくとパワーはないが高速回転するような。

で、社会人として生活していくためにはある程度、脳の回転力が必要になる。端的に言えば、会話のレスポンス速度とか、文章を読む速度とかそういうことだ。多くの人は朝起きて会社につくころには3速くらいになっているのだと思う。しかし、僕は結構頑張らないと3速までいかない。

自分の脳がどうもゆっくりであると気づいたのは引きこもり期間である。文章を読んでも理解できないことがあって、一文字ずつ読んだり、バカみたいにゆっくり読んだりしたのだけどどうにもうまくいかない。言葉のイメージが沸かない。想像しようとするのだが、ぴたっと思考が止まる。これを僕は集中ができない状態と呼んでいる。

というのも、集中できないとき、脳はゆっくりだし、集中できているときは脳が速い。回転数が上がる。ただどうすれば速くなるの、集中できるのかは完全には分かっていない。例えば、一人で1時間しゃべる、本を読み続ける、自律神経を安定させリラックスする、マッサージをする、温かい飲み物を飲む、歩くなどは有効だが絶対ではない。

僕はあまり怒りがわかない。しかし時々怒りがわくと、脳が5速になる。口が回らなくなるくらい早口でしゃべってしまう。おかしくなりそうになって急にストップしたりして。やはりおかしい。こういうとき脳がカパッと開いている感じがする。ぎゅんぎゅんに動く。この状態は興奮状態だと思うのだけど、この一歩前くらいまではコントロールできるようになりたいものだ。そうすれば、もっと人生が充実すると思う。

この5速状態を脳が開いているとすると、1速状態は閉じているという感じだ。多分血流の状態が良くないのではないかとも予想している。あとは何かしらの脳内物質。あ、でも僕は怒りが沸いた時は何でもできる感がすごいから、アドレナリンとかドーパミンあたりが関係しているのかも。

ああ、そうかもしれないな。というのも本を集中して読めているときは気持ちいのだ。しかし読めていない時はなんかきつい。同じようなレベルの本でもそういうことがある。あー、うつ病にもなったし、気分が高まったり落ちたりすることも多いからそういうことかな。

だとするとコントロールできないか。うーん、ナッツを食べて規則正しい生活をして。他は何かあるかな。そういうことをして健康的になっていけば僕の脳は開くのだろうか。いやしかし、思い返すと僕の脳はずっと閉じていたと思う。最近やっと開くときがでてきたのだ。

2速状態にはなったのかもしれない。普通の状態でも行間を読めるようになったり、人の話にパッとレスポンスできる感じがある。少しだけ余裕が出ている。一つに毎日の一人喋りがあるだろう。次に聞いた言葉からイメージを描くようにする練習をした。つまり言葉に対する感度を高め、理解する訓練をしているのだ。言語能力を高める訓練と言ってもよい。これは勝手に自分で考えだしたことだ。

あまり語るのはちょっときついかもな。結局答えは分からないのだけど、これまで本当に自分の状態とか心のありようとか、目標とか、身体的にきついこととかを放置してきたのだなと思う。放置したのか、させられていたのかはあえて論じないが。

脳が閉じる。それはなんだか昔を振り返ると自然なことなのかもしれない。つまり言語的に鈍感にしたり、感情を殺したりするのに最適だ。必要に駆られて適応したように見える。一人だからやっと開ける。おそらく解放したとき、自己中心的で子供な状態に戻るのだと思う。本当は10代のうちにこの自己中心的なところとか、攻撃性とか出しておくべきだったのだろう。でももう取り返しがつかない。そのときにはさせてもらえなかったのだから。

30も近いが、みっともないと言われるのだろうが、社会人としてとか言われるのだろうが、底辺と言われるのだろうが、小出しにでも出さないと僕の脳は閉じたままになるだろう。脳を開き、もし、万が一社会的に少しでも成功したのならば、社会に還元しよう。そう誓うので、どうか、我が稚拙な言動を許してほしい。

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