【マッサージ放浪記#3】冬場の乃木坂でホットストーン

今月は絶対にホットストーンの施術を受けるんだ!!!と決めて、選んだお店が乃木坂にある「温石庵」。

なぜここにしたかというと「東京 ホットストーン マッサージ」でGoogle検索して1番上に表示されたから。

ホットストーン一択だ!!!と思ってホットペッパーを開いたのに、メニューを見ていると「漢方足湯」とか「生姜パック」とか、刺さりまくるメニューが盛りだくさん。しかも安い。悩ませてくるじゃないか。
ええい、どうせ行くのなら全部付けてしまえ!!!と、【足裏揉みほぐし+アロマホットストーン+漢方生姜パック+足湯】のメインコースに、オプションで【眼精疲労ヘッドマッサージ】【腸揉み】【ハンドマッサージ】のオプションを付けてやった。ふぅ…。贅沢しすぎて、予約完了した時点で満たされている自分がいる。

しかしジャンル問わず「行く前から期待しすぎて、実際行ってみたら期待を越えられなくてとても残念な思いをする」ということを繰り返して生きてきた私。いいか落ち着け、期待はほどほどにだと言い聞かせ、お店に向かう。

ドアを開けると、出迎えてくれたのは短髪にされたマジシャンGOみたいな人だった。
おままごとかな?ってくらいに小さな紙コップに味のしないお茶を出され、それをいただきながらまずは会計を済ます。

レジ横に『当店では男性セラピストによるアロマオイルマッサージは行っておりません』と、見て見ぬふりなんてできない注意書きが貼られていた。世の中それが普通なんだろうか。切ない。

GOがレジ締めを終え、部屋に通される。

これに着替えてください〜と言われて出された紙ショーツがでかすぎた。ゾウのパンツだ。余った生地がモソモソして気持ち悪いが、仕方がない。
そして紙ブラは付けないで行くんだな…?こんなの初めてです私。胸がソワソワするの。

着替え終えて声をかけると、GOが桶を持って戻ってきた。お楽しみその1、足湯の登場。
お湯はかなりぬるめだった。葉っぱが浮いているが、先ほどのお茶同様、なんの香りもない。手に取り匂いを嗅いでみたが、やはり無臭だった。これは漢方ではないのだろうか。受付の棚の上に置いてあった、【漢方よもぎ】と書かれた瓶に並んだものは何なんだ!お飾りか!

色々と考えていると、失礼します〜という声と共に
ぽっちゃりとした中年女性が入ってくる。キャスケットに髪の毛を全て入れ込み、マスク、眼鏡と完全防備だ。カタコトなのでアジア系の方だろうと思うが、日本人だったらなんとなく『節子』っぽい。

節子は私の足をタオルで拭きながら、ラミネートされた紙を差し出してアロマを選ぶようにと言った。
ラベンダー、オレンジ、ゼラニウム、ローズマリー、イランイラン、メジャーな香りが並んでいた。
ニキビに効くと書いてあったのでローズマリーを選んだが、今思えば顔に塗るわけではないので別にローズマリーじゃなくてもよかったのか。

その後、施術着を脱いでうつ伏せになるように促される。これからマッサージが始まるようだ。日本語が達者ではないためか、そこに重きを置いていないためか、理由は分からないけどとにかく「脱いで」とか「寝て」とか言葉数が少ないので、これから何が行われるのか詳しく知る事ができない。非常にドキドキする。(良くない方に)

ところで節子よ、あなたタオルワークって知ってるかい?そんなにバッサバッサタオルを仰いだら、お客さん寒いんだよ。しかも、さっきから人の足の上に道具を広げているよ。

しかしこの雑さ、ホスピタリティのなさと引き換えに、手さばきはとても良い。中国人や台湾人が営んでいる町中華にも見られるが、日本以外のアジア人はこういう人が多い印象がある。

節子節子。さっきから色々細かく口出して申し訳ないんだけど、あなたが私をマッサージすると脇に何か冷たいものが当たるのよ。これ何?氷でも置いてるんか?
とても気になるが遠慮が勝って聞けず、感触、音、シチュエーション、全てを関連付けて一生懸命考えてみた。

しばらくしてから気付いた。
これは、、オイルボトルだ……

このサロンでは、オイルをボウルではなく、プッシュ式のボトルに入れているようだ。それを節子が私の脇のすぐ下に置くものだから、ずっと脇に当たってほんのり冷たいし、オイルを出そうとプッシュするたびにカシュッカシュッと耳の近くで音がするので気になる。まあまあな大きさの音よ?これ。そして極め付けに、人の身体の上でオイルを手に馴染ませるので、その度にオイルが背中に垂れてビクッとする。

「1番辛いのはどこですか〜?」
節子に言われてハッとした。そうだ、私カウンセリングされてない、、

さっきから何度「そういうサロンもあるんだ…」と思っただろう。今まで全然マッサージとか受けてこなかったから常識知らずなだけなのかもしれないけど…

「肩こりですかね」
「分かりました〜」

カウンセリング終わり。短い。

背中のマッサージが終わり、首肩をこれでもかというくらいにグイグイ押してくる。ねえ節子、あなたもしかしてご主人に「ガンガンいこうぜ」って命令されてたりする?痛すぎるのよ。

「力加減いかがですか〜気持ちいいですか〜」
「すみません、痛いのでもう少し優しくお願いします」

普段こんなにはっきり言えないのに、すんなり言えてしまう。それくらいにまじで痛い。我慢できん。

このあとも何度か、痛すぎるから力を弱くしてほしいと伝えたかったのだが、伝える事ができなかった。なぜなら、節子が道具を取り変えるために頻繁に部屋を出入りしていたし、節子指名の電話を受けた別のスタッフがカーテン越しに話しかけてきて会話をしたりしてるので、タイミングが掴めなかったためだ。最初はなんとか伝えようと思っていたが、しばらく叶わなかったので、そのうち私は諦めた。このままやり過ごす事にして、節子のマッサージがここまで痛い原因を自分なりに分析することに意識を集中しよう、と考え方を変えた。

そしてその分析結果が、こうだ。

⚫︎節子のマッサージが痛い原因
①点で押してくる。
②オイルの量多すぎるのか知らないけど、指が滑って爪が刺さってる。
③自分の骨で人の骨の上ゴリゴリしてくる。

ひとえに『痛い』とは言っても、その痛みの原因ってこんなふうに分析できるんだ…すごい…。
節子、こう言ったらなんだが悪い例をありがとう。私はあなたの間違いを忘れないようにして、自分の練習に必ず活かすよ。

ちなみに期待してた生姜フットパックは、最初は良かったけどすぐに暖かくなってきて、もはや熱くて、ジリジリして痛かった。

そして大目玉のホットストーンも、これまた骨の上を滑るし、こっちも熱すぎ。インスタのリールで見たホットストーンの施術、もっとゆっく〜〜りじんわ〜〜りだったぞ!?まあでも、この熱さであんなにじんわりやられたら背中火傷してそうだからこれくらい早くていいのか。節子が手を火傷していないか心配だよ。

唯一、腕を下から上へローリングされるのは気持ちよかった。

しかし、今回はなんとも学びの多い回だった。だいぶ唸った2時間だったよ。リピは確実にないです。

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