見出し画像

だって英語はかっこいい言語だから(洋画とシャドーイング)

「教科で何が好きですか?」と聞かれたら、私は「英語」と即答するだろう。流暢に話せるわけではない。中高レベルの文法は心得ているつもりだが、単型的な、知識だけあって喋れない人間だ。それもこれも人見知りで…という話は置いておいて。

シャドーイングとの出会い

最近知った言葉に「シャドーイング」というものがある。Wikipediaによれば、「音声を聞いた後、即座に復唱する実験技術である」らしい。私は勉強法のひとつだと理解している。

語学関連のチャンネルとして、以前から「華音チャンネル」を視聴していた。そこで彼女が取り上げていたのが、知るきっかけだったはずだ。アプリを使ってシャドーイングする動画だったと思う。
近頃は「Kevin's English Room」という男性3人組のチャンネルも見るようになったが、こちらもシャドーイングの動画があった。

⚠シャドーイングについての知識は上記の動画のみなので、理解が違っていたらごめんなさい。

ほう。そんなにすごいものなのかシャドーイングって。そう思うと同時に、私も過去に、無意識で似たようなことをしていたのを思い出した。題材は洋画である。無意識というのは、シャドーイングしようと思ってしていたわけではなく、「真似したかったから」していただけだから。要するに厨二病…。
仕方ないことだ。だって、英語を喋っているだけでどうにもおしゃれな感じがする(IQ3)。そして何よりかっこいい。私にとって英語はかっこいい言語なのだ。人間には、母国語以外をかっこいいと感じるメカニズムでもあるんだろうか。ともかくおかしなことではないはずだ。そう思いたい。

私がシャドーイングしていた映画を、以下に述べていく。

シャドーイングの教材にした映画

「グーニーズ」

“Chester Copperpot. Chester Copperpot… Chester Copperpot! Don’t you guys see? Don’t you realize? He was a pro. He never made it this far. Look how far we’ve come. We’ve got a chance.”

"Don't you realize? The next time you see sky, it'll be over another town. The next time you take a test, it'll be in some other school. Our parents, they want the best of stuff for us. But right now, they got to do what's right for them. Because it's their time. Their time! Up there! Down here, it's our time. It's our time down here. That's all over the second we ride up Troy's bucket."

主人公のマイキーが、冒険はおしまいにして家に帰ろうというムードの仲間たちに、「僕たちはチャンスを掴んだんだ」「帰る場所なんてない(皆、立ち退きが決まっている)」、「大人たちは上で頑張ってくれている。僕たちはここ(地下)で頑張らなくちゃ」と熱く説得するシーンだ。大好きなシーンで、台詞をメモして覚えた。一つ目だけなら、今でも感情を乗せて空で言える。
英語を話すときの流れるような音が、主義主張を述べている場面だとより早口になってい(るように感じ)て、めっぽうかっこいい。

「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」

"Exactly!"

木の髭(エント)の肩に乗ったピピンが言った台詞だ。「戻って、南に行って」と言う彼に、「それではアイゼンガルド(サルマンの拠点がある)に向かってしまう」と木の髭が続ける。ピピンはそれが狙いだったので、「その通り!」なのだ。たったひと単語だが、妙に印象に残っている。単語なので真似もしやすい。短すぎて、シャドーイングとしては微妙なラインかもしれないが…。

番外編「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」

PIPPIN: I didn't think it would end this way.
GANDALF: End? No, the journey doesn't end here. Death is just another path, one that we all must take. The grey rain-curtain of this world rolls back, and all turns to silver glass, and then you see it.
PIPPIN: What? Gandalf? See what?
GANDALF: White shores, and beyond, a far green country under a swift sunrise.
PIPPIN: Well, that isn't so bad.
GANDALF: No. No, it isn't.

詳細は省くが、勝ち目のない戦いが始まる寸前のシーンだ。敵の大軍が城に攻め込んできている。ここでの登場人物であるガンダルフとピピンは、おそらく、内側から数えて二つ目の門の内側にいる。敵の数が多すぎるうえ、味方の軍には数を揃えるためだけに集められた市民も多くいた。子供や老人もだ。とにかく絶望的な状況だった。

そんな最中、「こんなことになるなんて」と零すピピンに、ガンダルフが優しく諭す。「死は終わりではない」と。「我々が通るべき道のひとつでしかない」と。「この世に灰色の雨の帳が降りてくる。すべては銀のガラスに変わって、そして見るだろう」「白い砂浜、そして、その向こうに光り輝く緑の大地を」……こんなにも美しく、悲しいやり取りが他にあるだろうか。
私は無宗派だが、死んだ先にもし別の世界が続いていて、それがガンダルフの言うような(指輪物語でいうところの西の方、死者が行く場所。フロドとエルフたちが旅立った)世界があるならば、ピピン同様に「悪くない」と思う。

ここまで読んでくれた方は気づいただろうか。実を言うとこの感動的なシーン、シャドーイングしたことはない。ただ私が何度も観て、聴いて、大好きだから紹介したかった。
興味が少しでも湧いたらぜひ観てほしい。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズは自信を持ってオススメできる。

さいごに

シャドーイングは「聴こえたままを言ってみる」ものだと聞いたので、中身を覚えて話していた私の厨二病は、厳密にはシャドーイングとは言わないのかもしれない。しかし、該当のシーンを何度も観ていたので、リスニング能力の向上に多少は貢献してくれたと思う。実際、簡単な文章なら聴きとれる。話せはしないが。

洋画からシャドーイングを始めてみるのもひとつの手だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?