『味噌』#340

さしすせそのそ。料理のさしすせそ、五音全てを料理で使うようになったのは、必要に駆られて自分のために料理をするようになってからのこと。5つそれぞれ書いてみる、その五音め。
初手は味噌汁、これは日本人の何割に当てはまるのだろう、9割9分くらいかと思ってしまうけど実のところどうだろう、でも、7割は超えるのではないかなと思う。
一人暮らしをしているときに、味噌汁はなぜか作ってた。インスタントの味噌汁を使ったことはなかった(味噌のパックと乾燥薬味のパックがセットになってるやつ)。液味噌は便利で使っていたけれど、基本的に味噌汁は鍋かフライパンで作っていた。冷蔵庫にあるものから具材を決めて、主にジャガイモと長ネギは登場機会が多かった気がするけど特に選り好みもなく味の合う材料を入れ、特に出汁をとるとか顆粒だしを入れることなく、沸いたら味噌を溶いて出来上がり。料理研究家の土井善晴さんの「一汁一菜」を知るより前に、「とにかく具材たっぷりの味噌汁さえ作っていれば栄養とエネルギーはそれなりに確保できて白米もたらふく食べれる」っていうマインドだった。そもそも実家で作られる味噌汁も同じく、具がゴロゴロとたっぷりめで、味噌汁はきっぱり、食べ物だった、飲み物汁物スープもの、というよりも。主菜の一つとも言えそうな感じ。
味噌は湯に溶く、そんな先入観があったかわからないがカラッとした炒め物・焼き物に使うより、スープパスタとかリゾットとか(西洋かぶれな二品が並んでしまった)、汁気のある料理に使ってばかりいた。先の2つなら汁物は付けないからそこに味噌を合わせたのかもしれないが、「発酵食品に直接強い熱を加える」ことに抵抗がある。味は生かされるかもしれないが栄養素が死ぬのではないかと、乳酸菌とか。食べ物はできるだけ栄養素が壊れないほうがいい、そう思っていて、野菜は皮と中身のあいだに栄養素が豊富だから皮を包丁で剥くのでなく硬かったり汚かったりする部分をこそげるだけにしたり、ビタミンC豊富な野菜や果物の加熱は避けるし、最近では納豆と生の卵白の組み合わせは納豆の栄養素に影響するから避けてみたり、極端にこそやらないけれど、妙な健康意識がある。それが味噌に関しては、直接に強い加熱はしないことと沸騰させないこと、それだけ気にかけている。
とは、いえ。炊き出しで大きな大きな鍋でグツグツと煮込まれて沸騰してぐずぐずになっている味噌汁は、とても美味しそうに見えてそしてなんか幸福感もあって、こだわりも時と場合による。
味噌田楽を食べた今日。

#味噌 #181123

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