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ストレス源は僕自身なんだが?『アングリーバード』

やあ、僕だよ。
「ついに初めての予防接種だ、早いなぁ」なんて思ってたら、みるみるうちにジャバザハットみたい(あるいは夫にそっくり)な風貌に成り果てたエリート息子氏。
肉に埋もれているのにやけにおめめはキラキラしていて、それに映る僕は常に笑っている。

実は、お食い初め直後にこの文章を書いている。
ホテルのレストランでそれらしい食事を用意し、タキシード型よだれかけをつけさせて写真と動画を撮りまくったのだ。
「全然泣かないのえらいねぇ」「あらー可愛い赤ちゃん」なんて声をかけられても、息子氏は相変わらずエリート然としていた。
もっとも最近では「この人もしや内弁慶なだけなのでは」と思い始めていて、案の定予約した部屋の中に入った瞬間、泣く一歩手前の顔で僕にしがみついていた。可愛い。

まったく、可愛くて可愛くてどうしていいか困る!まったく!

つまり何が言いたかったかというと、僕が久しぶりの蕁麻疹に苦しんだ理由に、息子氏は一ミリも関係していないのである。
(約2ヶ月前、僕は「蕁麻疹ってことはそういうことなんだ」などとメンヘラめいたつぶやきを最後に更新を途絶えさせた。最悪の途絶え方だ、まったく!)

さて、久しぶりで前置きが長くなってしまったけれど、今日の一本は蕁麻疹が回復して初めて観た映画だよ。
それから、新米ママ僕が直面している「最近のストレス源」についても書いていこうかな。

じゃ、始めようか。
楽しんでってくれると嬉しいよ。

本作あらすじと感想

『アングリーバード』(2016、アメリカ)
怪盗グルーシリーズを手がける、ジョン・コーエン製作の3Dアニメ映画。どこかで  見たことがある赤いキャラクターが印象的だが、元は爆発的人気を誇ったフィンランド発のゲームアプリのキャラクターである。
日本でもゲームのアニメ化は例がないわけじゃない。が、多くの失敗作(具体例はおのおの補完するといい)を知っていると何となく尻込みしてしまう僕だ。

それでも観ようと思ったのは、乳児との生活の合間に観るエンタメとして1時間半のアニメ映画はちょうどよいからである。実際、とてもちょうどよく、めちゃくちゃ楽しめた。楽しめすぎて結局『アングリーバード2』もアニメシリーズも観てしまった。

物語は、常に怒っている「レッド」が自分の正しさを信じてヒーローになる話である。この、「怒り」が「レッド」の魅力の大部分を占めていて、僕はこういう「怒り」を見つけ出すタイプが心底好きなのだなと思った。
そしてこの記事を書いていて気づいたが、声優が坂上忍だった。実のところ、この人の出ているテレビはあまり観ないのだけれど、この『アングリーバード』に関しては良いキャスティングだった。子役時代から芸能活動をやっている人が声優下手なわけないものね。別作品でやっているものがあればぜひ観てみたい。

あらすじは子ども向けで非常にわかりやすく、それでいて、ところどころ皮肉めいた現代の「怒り」のエッセンスが散りばめられている。考えさせられるようなそうでないような、エンタメ映画らしい本作。
特に、緑の「ピッグ」達が「バードアイランド」をじわじわ乗っ取るところが秀逸。
僕らがいつも流してしまっている、大事な「怒り」を思い出せる作品だよ。

えっ、僕の蕁麻疹やばすぎ…?

やばかった。本当に本当にやばかった。
エリート息子氏は相変わらず昼も夜もよく食べ、よく眠っているのに、僕は常に寝不足だった。ヤツは必ず夜にやってきて、背中と下半身に取り憑いた。
痒み止めを塗って、とにかく冷やす。ヤツとの付き合いは随分長いので、処置も手慣れたものだ。

それでも理不尽感は否めない。
育児で寝不足ならまだしも、なぜ僕は蕁麻疹で深夜に起こされなければならないのか。原因が分からないことが多い蕁麻疹だけれど、今回の場合ははっきりしていた。
育児それ自体ではなく、育児に関連したあれこれが僕のストレス源になっていた。

僕のストレス源① 思った以上に歓迎されない学生生活

何を思ったか、僕は息子氏爆誕直前にとある大学の入学手続きをした。
「転職の時に通学してるってアピールしたい!」というのは建前上の理由で、本音を言えば英語と大卒コンプレックスを拗らせただけの、僕にしてはかなり軽率な行動だった。

事前に調べてはいたものの、想像以上に毎週課題を提出するのは過酷で、想像以上に英語がまずいことを身をもって知る。
しかもこの無謀なチャレンジに夫はほぼ無視、どころか邪魔さえしてくるのだから、半タームを過ぎた辺りでモチベーションは底をついた。

当たり前ですけれど、応援されてない新しいことって本当に本当に苦痛なんですよ。

ちなみに夫が僕の邪魔をしてきたのはほとんどの場合、善意である。つまり僕が育児に専念しつつ、極力体力をコントロールできるようにしてほしかったのだ。
それに彼は決してスーパーマンではないので、仕事も家事も育児も完璧にこなせるわけではない。彼自身こなす気もない。
課題提出が遅れ気味になった(ほとんどの週がそうだった)時は、夫がその犠牲者になった。
僕が夫を頼りすぎる未来が見えるなと思っていたけれど、この予測が当たってしまったのは大変良くなかった。 

入学したてなのに休学するとは、まったくまったく愚かである。

僕のストレス源② お宮参り、お食い初め、内祝い、お披露目、検診、注射とか

日本では出産育児一時金以外にも非常に多くの助成金や控除があり、予防接種や検診もタダ同然で受けられる。
お宮参りやお食い初めで子どもの成長を盛大に祝ってくれるし、出産祝いに贈り物がたくさんもらえる。素晴らしい我が国。

が、これらは手続きやマナーや事前調査や諸々の作業を必要とする。もしかしたら他の人にはなんてことない作業なのかもしれないけれど、僕にとってはとてつもない労力を要する「やらねばならない」だった。
一昨日すら息子氏の保険証が必要な手続きのため、片道30分以上かけて市役所に行ったが、自分の保険証しか持っていないと受付札を取る直前に気づいて、すごすご帰っている。

まあ、僕みたいな鈍臭いやつは他にいないのかもしれないよ? でも、産後でパフォーマンスが落ちていることを加味してくれてもいいんじゃないかと諸々の雑事をこなしながら(こなしきれず)、素晴らしい我が国に思うわけである。

僕のストレス源③ コミュ障でごめんなさい

最近の僕は、しばらく人に会う仕事もしていないし、よく知っている人ばかりとコミュニケーションを取っているせいで、輪をかけてコミュ障である。
にもかかわらず、まじでほんとに声をかけられる。僕お得意の気配消し(忍びのごとく人々の目をくぐり抜けること。誰かに危害を加えられないが、親切にもされない諸刃の剣)なんて一切通用しない。

何故かって?
それはみんな大好き(?)赤ちゃんを連れているからである。

しかも、息子氏は人間の顔を見つめるのがブームで、余計声をかけられる。
確かに僕も出先で赤子に見つめられたら、何かしなければならない気持ちになっていた。前は。

「可愛いでちゅねー」を言わされるにしろ、自ら言うにしろ、返答するのは言われた本人ではなく、親である。

少しの遠出でもほとんどの場合、夫がついてきてくれるのでその時は十中八九、夫が対応する。僕は「育児手伝ってくれる夫で幸せです」の顔さえしていればよい。
言うまでもなく、問題は夫がいない時だ。

僕は「可愛いでちゅねー」を言われた時、「ありがとうございます」しか答えられない。
どうやらこの「ありがとうございます」が、その先もありそうな「ありがとうございます」に聞こえるらしく、変な間が生まれる。その変な間を、仕事であれば華麗に処理した上に更なる質の高い会話へと昇華させる(そもそも仕事なら発生すらさせないけれど)僕が、まったくまったく、曖昧な笑いでごまかすのだ。

いや、実際はごまかしきれてもいない。相手はちょっと変な(具体的には「話しかけてごめんね」の)顔をしてそそくさと去る。
きっと、僕の苦手な気持ちが伝わっていて、それが「可愛いでちゅねー」を言ってくれる善人たちをまごつかせる。

違うんだよ!僕は決して話しかけられること自体が不快だとか、そんな風に思ってるわけじゃない!
変な間を処理しきれない自分に焦ってるし、「ありがとうございます」以外の何かを返したいと思って考える時間がほしいだけなんだ!

…この話は『古見さんはコミュ症です2期』回でやればよかったな。

結局、ストレス源は自分

深夜2時にぱんぱんに張って痛い乳を持て余しながらふと考えてみたのだけれど、育児はとにかく楽しくて楽しくて仕方がない。
よく分からない生きものが人間らしくなっていく過程は、わりと最初から人間らしかった息子氏ですらとても面白い。

この面白さはなんというか、能動的な面白さだと思う。他の動物を世話していてもこういう面白さは感じられるが、特に人間は、見る度に違う生きものに見える。最近読んだ本で見かけた、「個人内多様性」ってやつを息子氏の様子に強く感じるせいだろうか。

ありがたいことに、息子氏と一緒にいてつまらない日や辛い日は一日として無い。
というか、油断するとすぐ自分に過度な、、、期待をして裏切られ、不甲斐なさや情けなさで勝手に押し潰されそうになる僕を最も支えたのは、他でもない息子氏である。厳密に言えば、息子氏育ての面白さである。

とはいえ、自分を辞めることは出来ないので距離を取ることも出来ない。
結局そういうことで、蕁麻疹がわっと出た。
痒みは拷問の中でも上位クラスのつらさというから、こんなに面白い生きものと暮らしているのに実に不愉快な話である。

未解決の問題はまだまだあるのだけれど、過度な期待や無意味な予測をしないよう意識、、していたら、蕁麻疹は9割ほどひいた。実は僕の大嫌いな生理が再開したのもあって、僕の与り知らぬ僕のせいというのも少なからずあったと思う。

いやほんとまじで、蕁麻疹まじでつらかった。
あと、ノーパン+リラコ(ユニクロの女性向けステテコ)で寝るのも効いた。痒みで悩んでる人は一度やってみるといいよ。

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