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【読書感想文の書き方5つ】(ほぼ)100日間何かの感想を書きつづけた僕が教えるね

やあ、僕だよ。 
夏休みの宿題で嫌いなものランキング1位を獲得しがちなのが読書感想文だ。https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/40077

3人に1人の35.6%の人が嫌いと答えているのだから、ずいぶんな嫌われようだ。

https://www.bandai.co.jp/kodomo/pdf/question211.pdf

こちらの調査でも子ども、親ともに約30%が嫌いな宿題で読書感想文を挙げている。一方、好きな宿題はドリルだそうだ。

僕は全くこの結果に納得していない。なぜなら、読書感想文ほど楽な宿題はないからだ。(原稿用紙をなくしてしまった時に買いに行くのが面倒ではあったが。)
だから、苦手な人の気持ちはまるで分からないが、せっかくの夏休みだ。親子いっしょに楽しんで、あるいは自分で楽しさを独り占めしながら、読書感想文を書いてみてほしい。

そんなわけで、苦手な人ができるだけ楽しめるように読書感想文を作る時やってはならないこと(やるべきことは文字数制限を守って文章を作るだけだ)をいくつかまとめてみた。

さあ、始めようか。
楽しんでくれると嬉しいよ。


読書感想文でやっちゃいけないことは5つ

最初に断っておくけれど、「本はあくまでエンタメのひとつの装置でしかない」というのがこの記事の前提だ。
最も重要なのは中身であり、それを入れている箱はなんでもよろしい。ただ、本という箱は開けるのに苦労するので、おせっかいにも学校の課題になっているに過ぎない。
本が読めると、読めない人(識字率の高い日本でも意外と多い)より単純に楽しめるエンタメの種類が増えるし、せっかくならこのおせっかいに便乗したらいいと思う。

さて、ではこれを念頭に置いて「読書感想文でやっちゃいけないこと」について、5つの見出しに分けて書いていこう。

  1. 読めない本を選ぶ

  2. 読んでる時にメモをしない

  3. いきなり書く

  4. 文字数を気にする

  5. 嘘をつく

実際に読書感想文を作る時の順に並んでるから、そのまま読むとイメージが掴みやすいんじゃないかな。
一つ一つ解説していこう。

読めない本を選ぶ

ごくごく当たり前だけど、一番守ってほしいのがこの約束だ。読めない本というのは1ページ目をすべて読むと分かる。読んでみて、描かれている風景や登場人物、展開をどうでもいい(もしくは分からない)と思うなら、それは読めない本だ。
表紙や本の厚さなどでは分からない(薄くても面白くない本はたくさんある)ので、1ページ目を読む方がいい。
なぜか。読書感想文が苦手な人は感想以前に、本を読む習慣自体がないことが多いと思う。
習慣がないとそもそも1冊を読み切るのが難しい。にもかかわらず、本のエンタメ性は読了を前提にしているからタチが悪い。

ゆえに読めない本を選ぶことは絶対にしてはならない。読めなければ面白くない。面白くないものについて考える(感想を述べる)なんて人生の無駄づかいをしないでほしい。タイパ、コスパを意識していこう。
そのため、課題図書ではなく自由図書で感想を書くのをおすすめする。絵本や画集、図鑑、洋書、古文書など、1冊として体裁を成していれば雑誌や漫画(念の為先生に聞いてみて)以外の何を選んでもよくなる。
自由図書で何か言われることはないと思うが、もしゴチャゴチャいわれたら「国立国会図書館に登録されているので選びました。」とでも言っておけばよろしい。

読んでる時にメモしない

正直なところ、「読めない本を選ぶ」以外の他の4つに関してはちょっとしたおまけだ。
この見出しも、僕自身が感想を忘れちゃうので「みんなもそうかも?」と思って作った。

自分にとって良い本に出会うと、読んでる最中にラジオのチューニングが急に合うような、出し抜けに色んな感情や情報が体の中を埋めつくし、すぐに溢れてしまう。それで、「面白い」とか「なんかすごい」以外の諸々がすべて失われる

まあ、個人的には最後に残る「よく分からなかったけれど面白い」という感情が最も重要だと思うから、そこを掘り下げてもいいのだけれど、文章を書きなれてない人やおしゃべりが得意じゃない人は上手くいかないかもしれない。
であれば、溢れ出したときにすぐにメモにする。例えば、主人公がした行動について自分ならこうするなとか、出てきた食事が美味しそうだなとか、こんな人本当にいる?とか。そんなものでいい。

情報さえあれば、文章を作るのは全然難しくない。難しいのは情報収集、つまりネタを用意することなのだ。

いきなり書く

なぜか。感想を書き切る前に文字数を使い切ってしまうからだ。(これも僕だけ?)
本を読み終わってから、読んでいる時に書いたメモを見返していると「わかる〜」と言いたくなるメモがいくつか見つかると思う。

それをすべて書こうとすると、とてもじゃないが1200(あるいは800)文字以内に収まらない。感想の感想というべきか、自分が一度でも感じたものを書きとめたメモなので共感しすぎてどれもこれも書きたくなってしまう。
なので、メモを共感した順に並べてから書くといいと思う。1つ目2つ目を書いて埋まるならそれでよし(君はきっと文章を書く体力があるね)。3つ目4つ目を書けても御の字。5つ目6つ目を書けたらまとめ上手。
それ以上になると箇条書きになっているかもしれないが、それほど心動かされた箇所のある本に出会えたことに他ならない。そんな感動的な場面に水を差す輩は教師として適性がない(偏見)だろう。

万一、先生に何か言われたら「でも先生、箇条書きだめって言ってないですよね?」とやり返してやれ。(事前に言われてたらダメです。大人に添削してもらってね。)

文字数を気にする

一つ前の見出し冒頭と矛盾するようだけれど、これは文字数が足りない時の、漢字をひらがなにしようとか、「でも」を「しかしながら」に変えようとかの気持ちのことだ。

そもそもそんな小手先で文字数を増やさなければ書けない感想文は、本選びから間違ってる。もっと面白い本を読もう。
ちなみに大人に「面白い本ある?」と聞くと、3人の内1人は必ず熱く語ってくる読書家(小学生ならクラスに1人か2人)がいると思うから本を一緒に探してもらってもいいし、的はずれなこともするけどchatGPTなんかに選んでもらってもいいかもしれない。

いずれにせよ、文字数が明らかに足りない時はいさぎよく本を選び直すこと。
もちろん、あと5文字とかを調整する時の言い換えはいいと思う。僕もよくやるしね。

嘘をつく

本のあらすじだけ写すとかっていうのは先生に怒られるだけで済むから、その人の勝手だけれど。

思ってもないことを書くのはしんどいからやめた方がいい。だってそれを思っているのは自分ではないから、書くほど想像や感触が足りない(つまりネタがない)し、書けたとしても読み返すとどこかつじつまが合わないと思う。
何より全然面白くない。貴重な夏休みの一日(しかももう8月である!)を面白くないものに時間を費やすなんて僕はしてほしくない。

自分の感想ではないのにそれなりに違和感のない文章が書けるなら、もはや書く体力があり余っているので、文章を書く趣味か仕事かやったらいいね。

そうそう。あらすじすら読まず、ネット上の感想をまるまる写して提出したりする人もいるらしい。
それもまたその人の勝手だと思う。ただ、盗作になると社会倫理上あんまりよくないし、先生が熱心でコピペチェック(ネット上のオリジナル文章と照合するサービス)をしてないとも言いきれないから、やっぱり怒られる可能性がある、ということだけ伝えておく。

そもそも宿題のやり方がナンセンスでは

確かに、文章を作るのに原稿用紙と鉛筆しか使えない(という指定が僕の頃にはあった。今はどう?)のは実にナンセンスだ。国語の、というか国文科出身の先生なら今でも現役で文章を趣味か仕事かで書いてる人はいるだろう。果たしてその人たちが原稿用紙と鉛筆で書いてるだろうか。

おそらく読書感想文を書くのにパソコンやタブレットを使わせれば、1日どころか2時間で終わる。紙に書かせるから時間がかかる。手書き原稿など今日び文豪でもやらない。
もし今も原稿用紙と鉛筆で書かせているなら、この問題は「読書感想文が嫌い」な理由とも繋がるだろう。
書ききってから推敲するタイプ、推敲などやる気のないタイプなら百歩譲ってよしとする。
が、推敲しながら書くタイプなら地獄だ。書いて消して書いて消して。紙は破れるし、手は疲れるし。読書感想文を作っているのか、はたまた文字の羅列を書く作業をしているのか分からなくなる。

文章を作っているのか書くことそれ自体の作業か、というのはもっと大枠の、勉強のやり方にもつながる問題なので効率の良い方法(というより効率の悪い方法の撲滅)が義務教育でも積極的に採用されることを望んでやまない。
文字なんて書けなくても打てれば仕事はできる。なのに、書けないと勉強できない(と見なされる)なんてまったく実にナンセンスだ。

ちなみに僕は読書感想文と自由研究しか夏休みの宿題を出さなかったタイプ(出さない年もあった)だ。ドリルが大嫌いだった。何時間もかけて答えを写すだけ、しかも提出したあとフィードバックがあるわけもなく、出しても出さなくても僕の生活は変わらないあれだ。
当時は「無意味だからやりたくない」までの言語化はできてなかったけれど、なんとなく肌でそう感じていた。
…ドリルの写しをおしゃべりしながら一緒にやってくれる友だちもいなかったしね。

#夏休みの宿題 #読書感想文 #読書感想文が苦手な親に向けてのnote  

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