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「歌うことは生きること」~世界の歌に挑戦③~ ”雨のステイション(荒井由実)”

こんにちは。
統合カウンセラーの猫間英介です。
歌うことは最高のセラピー&コーピングの一つだと思います。
私にとって、「歌うことは生きること」
 
歌うことが大好きで、歌のレッスンを受けるようになって12年になります。12年間、ほぼ週に1回、仕事帰りに夜7時半頃から約45分のレッスンを受けています。一回のレッスンで数曲やるときもあるから、これまで300近くはありそう。

仕事などでかなり忙しいとき、疲れているとき、なんとなく気分が乗らないときも、とにかくまずは行って歌っています。ひとたび歌い出せば自分の心と体に活力がみなぎってくるのを感じます。

この12年間で先生は何度か代わりました。声楽やオペラなどクラシック出身の先生ばかりですが、私は全くジャンルを問わず、自分の好きな曲、歌ってみたい曲の楽譜を持ち込んで、先生のピアノ伴奏で歌っています。毎回、発声トレーニングのあと、そのとき持ち込んだ曲を歌います。

私はクラシック音楽に明るいわけでもなく、音楽理論をよく理解していわけでもありませんが、ただ自分がいいと思った曲、心動かされた曲であれば何でもジャンルを問わずに歌いたいと思っています。

これまで歌ってきたのは、イタリア歌曲、日本歌曲、カンツオーネ、ポップス、ジャズ、ロック、ボサノバ、歌謡曲、演歌などです。言語は、日本語、英語、(意味をきちんと理解してしませんが)イタリア語、ポルトガル語などです。

ピアノ伴奏だけでマイクなしで歌うので、かなり集中して自分の声帯と五感と身体全体を駆使して挑みます。

このブログでは、これまで歌ってきた曲や今挑戦している曲、うまくできなくて奮闘していること、挫折感、高揚感、達成感、これからの目標などを書いていきたいと思います。

 私にとって歌は生きる力そのもの、「歌うことは生きること」、自分が死ぬまで歌を続けていきます。

それではさっそくこれまで取り組んだ曲から。


取組曲 【雨のステイション】
         ~荒井 由実(ユーミン)~
🔷歌: 荒井 由実  1975年
  * 音楽家の松任谷正隆さんと結婚する前のユーミンさんの名前
🔷作詞・作曲: 荒井 由実
🔷収録アルバム: COBALT HOUR(コバルトアワー)
🔷使用楽譜:「松任谷由実ピアノ弾き語り集」                                               
🔷発行所:㈱ドレミ楽譜出版社
 発売日: 昭和58年(1983年)
🔷歌詞: 日本語


🔷本曲を選択した経緯 
  歌を習い始めてから5年近くは、先生から勧められるイタリア語の歌曲やアリアやカンツオーネを中心に歌っていました。当時は、声楽を習っている感覚が強くあり、カラオケなど外で歌うときは別として、少なくとも音楽教室ではジャンルはほとんどイタリアものに限定されていました。(イタリア語もきちんと理解していないくせに。)

 あるとき音楽教室で前の生徒さんがまだ終わっていなかったので待合室で待っていたとき、ふと本棚にこの「松任谷由実ピアノ弾き語り集」を見つけました。 昭和58年発行のもので、すでに黄ばんでおり、破損している箇所も多々ありました。

 私は1980年代の学生時代、そしてそれ以前の1970年代後半から、ユーミンの大ファンで、特にその言葉とメロディーの美しさ、醸し出される季節感、恋愛観、世界観などが本当に好きでした。(ちなみに、私は短歌が大好きでほぼ毎日SNSやブログに投稿していますが、短歌を始めるきっかけはユーミンさんの影響がとても強くあります。)
 
 黄ばんだ本を何気なくめくっていると、私が大好きなユーミンさんのデビューから1980年代前半の私の好きな曲が目白押し、中でも、カラオケでも目をつぶってでも歌える「雨のステイション」、「晩夏(ひとりに季節)」が入っていました。

 とたんに体と心に熱いものが込み上げてきて、その本を持って先生の所へ行き、その日は課題曲のイタリア歌曲ではなく、ユーミンの「雨のステイション」を歌わせてほしいと申し出ました。 それ以来、レッスンのときにジャンルを問うことなく、好きな曲を選んで歌うようになりました。(もちろん、先生から勧められるイタリア歌曲その他のクラシック曲も歌います。)

🔷今日ブログで本曲を取り上げた理由
 今日、この雨のステイションについて書こうと思ったのは、私と同じくこの曲を愛してやまなかった、55年間の付き合いのあった親友の命日だからです。ギタリスト気取りの親友は、特に、この曲の鈴木茂さんのギターは最高だといつも言っていました。そして、数年間にも「JR西立川駅の発車メロディーはユーミンの雨のステイションなんだぜ。」と嬉しそうに私に教えてくれました。

 もう数十年前に親友と雨のステイションのイメージはどの駅か、という話になりました。私は雨のステイションを聴いていたころに付き合っていた彼女との待ち合わせが東京・池袋駅のことが多かったので、あまり深く考えずに、「池袋かな」と言いました。

 すると、親友は「お前、それはあまりにもセンスねえだろ。もっと静かな人の少ない駅に決まってんだろ。」と言われました。 ちなみに、親友は「小田急線の代々木上原だな。」とほざいていました。(まあ、そのおかげでは私も代々木上原に何度も行き、好きな街の一つになりました。)
  

 すっかり経緯で話が長くなってしまいました。
 曲への取り組みについて述べます。

🔷課題と対応策 
① 課題: 原曲キーへの対応
  私はいつもユーミンさんの歌をカラオケで歌う時には、原曲から♭2つ下げ、そのうえで、原曲より1オクターブ高く歌っています。 それが私にはちょうどいいということを試行錯誤の上つかみました。
  今は、アプリなどで簡単に移調した楽譜を作成することができますが、できれば原曲キーで(且つ1オクターブ高く)歌いたいと思いました。 せっかく声楽を習って高音域の練習もしているので是非挑戦したいと思いました。
             
 【対応策】
 本曲でもっとも高い音は、サビの最初の”あめの~、ステイション~、”の出だしで、「ラ」なのでこれを1オクターブはかなり苦しいと思っていました。
 しかし、先生に相談すると、いつも発声練習のときはその上まで出すこともあるから、なんとか大丈夫でしょう、ということになり、事前にラ、シ、ドくらいまでの高音域の発生練習を少し多めにやりました。
 ⇒ これにより、何とか持ちこたえることができました。

② 課題:のばす音の情感とピッチ維持
  楽譜には、「Andantino moderate」と書いてあるので、「中くらいの速さ」でより少しゆっくり目という意味なんでしょうが、初めて聴く曲、初めて見る楽譜であっても、さすが先生はプロ、すぐに曲の雰囲気をつかみ、且つ、私の歌いやすさも考えてかなりスローテンポで演奏してくれました。
  
  伴奏がゆっくり目なのはありがたいのですが、そうすると私のボロが出るのが音を伸ばすところ。どうしても、間延びした感じとなったり、音が下がってしまったり、情感が出せなかったり。
   〈例〉”あたらしい~、だれかのために~”
      
”わたしなど~、思いださないで~”

 【対応策】
  声を出すときに、上へ、上へのイメージを持つ。
  また、「い~」や「に~」や「で~」は、どうしても声が平べったくなりやすいので、口を丸く維持しながら「い」や「に」や「で」と発声する。
極端にいえば、「あ」や「お」の口の形に近く。

⇒  先生の指摘に留意しながら歌っていると、少し改善したように感じた。そいう言えば、イタリア歌曲のときに、「い」系列の音や「え」系列の音は、日本人は特に注意していないと、とても平べったい深みない音になりやすいから要注意、と言われていたことを思い出しました。

③ 課題: 歌うテンポが遅れる。
 これは、ショックな発見でしたが、何十年も歌い慣れ、カラオケでも調子こいて歌っていた曲が、ピアノ伴奏ひとつになると歌の入りが至る所で少し遅れてしまうのです。

 自己分析ですが、年齢とともに歌詞をためて歌うようになります。 原因の一つは運動神経的に若いころよりもテンポをつかみきれない。もう一つは情感を込める=引っ張って歌う、という勘違いではないかと感じます。 特に、後者の引っ張って歌うのは、カラオケなどで同世代の他人を歌を聴いていてもそう思うことがよくあります。
                
【対応策】
 自己分析を先生に伝えたところ、それはあるかもしれないということでした。プロの歌手も年齢を重ねていくと、昔よりも低い声で、引っ張って歌ってしまう人が結構いると言っていました。 
 ですので、年齢とともにそういうところも出てくるということを認識したうえで、テンポに乗れるように気を付けようと思います。要は、初めて聴いたころのように瑞々しい気持ちを持って歌いたいと思います。

最後にちょっと嬉しかったことを。

【うれしかったこと】
🔷(めずらしく)先生からほめられた。
  それまで、イタリア歌曲などを歌っていても、先生から褒められるようなことはめったにありませんでした。 
  雨のステイションを先生の伴奏で歌った時、私はほとんど目をつぶって伴奏のピアノの音に集中して、気持ちを込めるようにして歌っていました。

  先生から、「あなたの歌うユーミンは、歌に魂が込められていることがよく伝わってきました。とてもいいと思います。」と言われました。
 * 先生のコメントを真に受けて、調子に乗って、このあともユーミンの曲をたくさん歌っています。

🔷先生がユーミンを素晴らしいと言ってくれたこと。
  先生は私よりも二十歳以上も若い世代なので、ユーミンの名前や超メジャー曲は知っていても、特にユーミンを普段聴いているわけでもなく、ましてデビュー後間もない初期のころの曲は全く知りません。

  しかし、そんな先生が、「ユーミンの歌詞って素敵ですね。研ぎ澄まされている。それからこのコード進行が本当におしゃれでかっこいい。とても1970年代の曲とは思えない。」と言って、ピアノでこの曲のコード和音である、Dmaj7, C#m7, Bm7, Amaj7などを何度も確認するように弾いていました。
  これは自分がほめられた以上に嬉しかった。

🔷前奏、間奏、後奏時の「口笛」「歯笛」がほめられたこと。
 「雨のステイション」は、前奏、間奏、後奏も素晴らしい。
私が先生のピアノ伴奏の、前奏部、間奏部、後奏部で、(カラオケではよくやっている)口笛と歯笛で原曲のメロディー部分を吹いていたら、雨の情感がよく出ていていいですねえ~、と言われました。

 この歌を聴くまでは、私は6月はどうしても梅雨のイメージがあってそれほど好きではありませんでした。 ところが、この曲の「6月は蒼く煙って、何もかもにじませている。」という歌詞を聴いてから、6月も雨も大好きになりました。 素晴らしい歌との出会いで、季節感も人生観も根底から変わる?

以 上

猫間英介



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