劇場版レヴュースタァライトオーケストラコンサート@幕張メッセ

オケコンの『私たちはもう舞台の上』のエンドロールのメッセージを見て、私はトマトでいられて、キリンになれたことを知って、観客としての至上の喜びをあの瞬間に味わった気がします。

12月の朗読劇ぶりにスタァライトのイベントに行ってきました。
スタァライトのリアルのイベントはミュージカルにしろライブにしろ毎回期待を超えてくる印象があるんですが、今回も例にもれず最高でした。
昼の部の一般席(スタンド)のチケットを事前に取っていって、終わった後そのまま夜の部のスタァライトシート(アリーナ)のチケットを当日券で取りました。昼の部のスタンド席も下手の真矢クロ側の最前列だったので観やすい席だったのですが、照明の演出に感動してしまって、何としても舞台の真正面から観たい、もう一度オケコンを浴びたい衝動を抑えきれずマチソワすることに。結果としては、2回観て良かった!アリーナ取って良かった!と心の底から思える最高のイベントでした。

まず生の音楽の迫力がすごい。オーケストラ映えする曲ばかりでした。映画館で見たときは感情も情報も山盛りで音楽まで気に掛ける余裕が正直なかったんですが、音楽を聴くと自然に映像が蘇ってきて、こんなに印象深かったのかと改めて実感しました。その上で、今回は音楽を聴くことに集中できたので、映画館では気づかなかったメロディの心地よさや変化が感じられて、耳がとても幸せでした。
特にお気に入りは進路希望のシーンのバックに流れていた曲で、映画館で進路希望書に何を書いているのかばかり気にしていたのが、順番に登場する九九組のメンバーによってこんなに曲調が変わっていたのかと驚きました。

照明もすごすぎて素晴らしかった!もはや映画館を飛び越してレヴューの劇場のまさにその現場にいるような没入感で、生の音楽・歌声と合わせて感情が揺さぶられまくって大変でした。劇場版の映像と目の前の舞台のシンクロは言葉にならないほど感動しました。できることなら何度でも体感したい。

九九組のメンバーも本当に素敵でした。
挨拶がすごく印象的で、生田輝さん、参加者、参加を諦めた方、スタッフやオーケストラの方々、皆さんへのすごく丁寧な気遣いの言葉がありました。
オーケストラコンサートという場に合わせたというのもあると思いますが、舞台#1から観ていたキャストの方々が今回は落ち着いた挨拶をされていて、ちょっと時の流れを感じつつ、キャストの方々の暖かさに触れられてよかったなと思いました。

そして全レヴュー曲歌唱はただただ鳥肌ものでした。そもそも生で聞けると思っていなかった上に、大変失礼ながら素人でも難易度が高いとわかる劇場版の曲を生歌で歌えるのか、なんてことが頭をよぎっていたんですが、そんな考え一気に吹き飛ぶくらい圧巻の歌声でした。劇場版ももちろん大好きですが、オーケストラ、舞台演出と溶け合った歌声は映画館とはまた違う臨場感と迫力があって、体全体で音楽の響きを浴びられる特別な感覚を味わえました。

備忘的な各曲感想です。
◆再生讃美曲
大好きな曲でオーケストラとの親和性も高い気がして、オケコン版を聞けて嬉しかった!

◆wi(l)d-screen baroque
前奏が始まった瞬間から一気に心が高揚して、しかも疾走感のあるメロディと歌ってくれるのかどうかという緊張感と焦りみたいなものが交じり合って何だかすごく走らされた気分でした。あのタイミングの会場は妙な一体感があって、多分みんな同じような気持ちを抱えていたと思います。
皆殺しの大場なな感をまとったもえぴが最高だった。しかももえぴの歌声はすごく癖になる魅力があって、声は澄んで高音まで綺麗に伸びるのにどこか硬質で不安定な雰囲気があって、ワイルドスクリーンバロックが合いすぎて改めてもえぴのために作られた曲だと叩き込まれました。

◆わがままハイウェイ
あやささんが最初から最後までポジションゼロに立たず、ずっと双葉と2人のお芝居をしていて、香子の愛情深さと健気さを見せつけられて感動しました。今回のあやささんは歌でもトークでも全面的に輝さんをフォローしていて、コンビの絆の強さを感じます。
セクシー本堂と最後の桜の照明がどちらも可愛くて、あやささんもしっかり雰囲気を合わせて演じられていたので、次はこの舞台であやてるのわがままハイウェイを観たいです。

◆MEDAL SUZUDAL PANIC
とにかくまひるがかわいくてこわくてかわいかった。はるきさん見るとかわいいしか出てこない。
舞台でみもさんを見送るはるきさんの笑顔と劇場版のまひるの笑顔がそっくりで朗らかで、もう文句なしの主役でした。

◆ペン:力:刀
ポジションゼロに立つさとひながきらめいていた。
今回のオケコン、コロナ対策か演出プランか基本的に歌う時以外は曲中でも袖にはけるので、レビュー曲の歌要素と芝居要素のバランスが曲ごとに違うのが面白かったんですが、この曲は歌での掛け合い自体が少ないので一番歌寄りに感じました。それもあって、さとひなの安定感のある歌声をじっくり聞けた気がします。
この曲はななのパートが少ないのである意味さとひなの独壇場となっていて、これまでずっと負ける側でレヴュー曲を歌ってきた純那がやっとポジションゼロで歌い上げている姿は解放感に近いものがありました。
あと私は本当に小泉萌香さんの顔が好きなので、この曲のもえぴの表情が最高でした。
自信はないけれど、結局最後まで2人は目を合わさなかったような。

◆美しき人 或いは其れは
もはや芝居。ひたすらミュージカルでした。衣装じゃないなんて全く関係なく真矢クロがそこにいた。曲自体がバチバチの対決ソングな上に2人とも容赦なく強くて圧倒的な迫力でした。しかも曲中しきりにアイコンタクトを交わしていて、表情もすごく豊かで、目も耳も一瞬たりとも目の前で繰り広げられる舞台を逃すまいと必死になって観ていました。真矢クロファンとして、劇場版に続いて、こんなにも観たいものを現実に見せてもらえる幸せが大きすぎて、もうどうにかなってしまいそうです。まほさんとあいあいさんに心底魅了されました。
最後、真矢とクロディーヌだけが同じ方向に帰っていって、2人であり続けることを選んだことを見せつけられました。しかも、後を追う側が真矢で、アニメではクロディーヌが真矢を追いかけていたのが(相思でしたが)、劇場版で真正面から向かい合って、オケコンでここに至るという感じで関係性が刺さりました。先に行くあいあいさんを見るまほさんの笑顔に感情が溢れすぎていてもう最高としか言葉にできません。
始まった瞬間から終わってほしくないと祈ってしまいました。いつまでも観ていたいし聞いていたいです。観られて本当に良かった。

◆スーパー スタァ スペクタクル
圧巻の舞台。演出が最高。生の舞台でないと味わえない全てが詰まっていた。
圧倒的なクライマックスソングで、この1曲を正面から浴びられただけでスタァライトシートをとった甲斐がありました。

◆私たちはもう舞台の上
曲に加えて、劇場版を踏襲したエンドロールが素敵でした。
その中に観客の存在も入れていただいて、感動です。

◆星のダイアローグ
この曲にたどり着くころには燃え尽きていてあまり記憶がありません。

余談ですが、大満足のオケコンでたった1つの要望を言わせてもらえるなら、当日券は席の場所選んで買いたかった。。。
当然当日券アリーナ席なので後ろであることは納得しているんですが、前の人に遮られてステージの半分見えなかったので、いっそもっと後ろのブロックで遠くても視界が遮られない席がよかったです。

ただ、それ込みでも、素晴らしいオーケストラコンサートだったと思います。
ぜひ全員揃ったコンサートをもう一度観られることを願っています。