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映画レポ|『ブルース・ブラザーズ』古き良き名曲をコミカルに嗜む

通勤時間が苦痛だった時期がある。
慣れない仕事にヘトヘトな体を狭い箱に押し込み、人に揉まれながら家へと帰る。

「なんかラフに観れて、スカッとする映画ない?」

こう父に尋ねたとき、帰ってきた答えが『ブルース・ブラザーズ』だった。

◼️あらすじ

刑務所から出所したジェイクは迎えに来た弟分エルウッドとともに、かつて世話になった孤児院を訪れる。母親代わりのシスターから孤児院が経営難に陥っていると聞いた彼らは、金を稼いで孤児院を救うことを決意。かつて仲間たちと組んでいたバンドを再結成してコンサートで一獲千金を目指すが、その途中で警察から追われる身となり、さらに謎の女からも命を狙われてしまう。

【映画.comより】
https://eiga.com/amp/movie/48946/

◼️次々と流れる名曲たち

99年生まれの私でも「あ!これ聞いたことある!」となるくらい名曲揃いなのが楽しい。
アレサ・フランクリンの「Think」、エルヴィス・プレスリーの「Jailhouse Rock」、レイ・チャールズの「Shake A Tail Feather」などなど。字面でわからなくても、聞いたらわかるものも多いと思う。

また、私は『ブルース・ブラザーズ』を観るまでエルヴィスの曲をエルヴィスの曲だと思って聞いたことがなかった。こんなに格好良いんだ。だから人気だったんだ…映画がなければ結びつくこともなかっただろう。ぜひ、流れる名曲の数々を映画とともに楽しんでみてほしい。

◼️ポーカーフェイスでクールな兄弟が愛おしい

家が爆破されようが、恋人にバズーカを撃たれようが、二人はぴくりとも表情を動かさない。そう、彼らはいつだってクールなのである。

ブルースとは、哀しみや孤独さを帯びているジャズの元となった歌曲のこと。そんなのクールじゃないと似合わない。街中の人が突然歌い始めれば、彼らも当然クールに踊って参加する。破茶滅茶なストーリーとのギャップがたまらなくシュールで、気づけば彼らのことが大好きになってしまう。

◼️清々するほど力技なカーチェイス

私は今作以上に狂ったカーチェイスを見たことがない。いっても80年代の映画、現代より技術力ははるかに劣る。じゃあ何がすごいかって、もう破壊、破壊、破壊…とにかく力技なのだ。

警察に追われていたジェイクとエルウッドは、ショッピングモールに思いっきり突っ込む。ガラスを破り、マネキンを破壊し、店内を走り回る。きゃあきゃあと逃げ回る店員に客たち。後を追って突っ込むパトカー。お決まりの曲も流れてもうわけがわからない。

どうやら、撮影は実際にある閉業中のショッピングモールで撮られたものらしい。さぞかし楽しい撮影だったことだろう。警察に追われているそもそもの理由も、“信号無視”というのがまたくだらなくておもしろい。

◼️まとめ

この映画を観終わった後、“ブルース・ブラザーズのプレイリスト”をつくって聞くほどハマった。お気に入りは「Everybody Needs Somebody to Love」。意味は“誰もが誰かを必要としている”。めちゃくちゃいい曲じゃん。

私は帰宅ラッシュの車内で、ショッピングモールが破壊されていくシーンをASMRのごとく楽しんでいた。全て壊れてしまえ。なんて気持ちがいいんだ。

気持ちがざわめいたらぜひこの映画をお勧めする。
イライラしているときほど、クールにいこう。

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