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映画雑談|誕生日には毎年1番好きな映画を観る

この3月で私は25歳となった。

毎年、自分の誕生日にはお気に入りの映画を1本選んで観ることにしている。

新しい映画を観るのではなく、あえてお気に入りの映画のなかから観たい映画を選ぶ。
理由は2つ。絶対にハズレないから、そしてその年の私が何を感じたかを残したいから。

一度観た映画をもう一度観たいと思う時、自分の気持ちが映画と共鳴しているような感覚を感じる。なぜその映画が観たいと感じたのか、理由を考えるのは楽しい。

今回は、私が誕生日に何の映画を選び、どんな気持ちで観ていたかを4年分振り返ってみる。

◾️2021年『LEON』

映画にハマって最初の年だった。

3月生まれの私は、大学卒業を控え就活への現実逃避真っ只中。映画にハマったのもこの頃だ。

せっかくの誕生日だ。何か名作が観たい。
私の中でパッと浮かんだのが『LEON』だった。

ひとり、部屋で日付が変わる前に再生する。
今でもよく覚えているのは、日付が変わり、誕生日を迎えた瞬間に訪れたシーンだ。

「レオン、私はあなたに恋をしたみたい。

ここが…おなかが温かいの。

締め付けられる感じがなくなったわ。」

ベッドに仰向けに横たわり、穏やかに語るマチルダ。なんとなく、夏目漱石が夜空を見上げて愛を表現したことを思い起こさせた。

おなかがあたたかい。…そんな愛もあるのか。

たまたま訪れたそのシーンは、今でも『LEON』で最も好きなシーンだ。

◾️2022年『プルートで朝食を』

そもそも映画を好きになったきっかけは、キリアン・マーフィーに一目惚れしたことだった。

映画を好きになって1年。この年の誕生日は、キリアンと過ごしたかった。

主演のまだ若かりしキリアン・マーフィーが、孤児でトランスジェンダーの青年という難しい役どころを演じる本作。

時代背景も相まってシリアスな内容も盛り込まれているが、明るく前向きに進む主人公の性格と独創的なファッションスタイルに観ていてパワーをもらえる。

私の好きなシーンは、主人公にはじめて恋人ができるシーンだ。

ロックシンガーである恋人がステージで歌うのは、イギリスのロックバンド“Sweet”の『Wig-WamBam』のカバー。主人公は観客として夢中で踊る。

私はとても幸せなとき、たまにこんなことを思う。人生の最後に、今この瞬間のことを思い出すかもしれないな、と。

彼らが歌い、踊っていた瞬間はそんな時間なのではないかと個人的に思う。
だから私は、楽しい曲なのに『Wig-WamBam』を聞くといつも泣いてしまうのだ。

これからも、刹那の幸せを噛み締めたい。
本作の主人公はいつまでも私の道標だ。

◾️2023年『Mommy』

カナダの若き天才、グザヴィエ・ドラン監督作品。本作は彼の最高傑作と言ってもいい。

「発達障害の親が経済的困窮に陥った場合、教育を放棄し施設に入院させる権利を保証する」という法律が可決した架空のカナダが舞台となっており、その法に翻弄される親子を描く物語だ。正直、こちらも内容は重い。

ただ、本作は表現の美しさにとにかく圧倒させられる映画だ。
あまり語るとネタバレになってしまうので留めておくが、狭い視野から世界が広がる瞬間の気持ち良さがたまらない。

この年、私は精神的にとても疲れていた。
人は疲れると視野がどんどん狭くなる
選択肢や見える世界も狭まり、より追い込まれていく。

そんな疲労をこの映画で癒したいと思った。

…物語自体は決して癒されるような内容ではないのだが、この映画をみて涙を流すことで、思い出せる何かが確かにあった。

◾️2024年『ボヘミアン・ラプソディ』

きっかけは「夜明けのすべて」という小説からだった。

映画化もされており、ちょうど現在上映している。
その物語のなかに、この映画がでてくるのだ。

4年目にして思うのだが、毎年この時期、私は弱っている。笑
とにかくいつもパワーを欲している。

Queenの楽曲はまさにパワーだった。
フレディの切なくも力強い人生に勇気をもらい、音楽は私を奮い立たせた。

この映画を観るのは3度目なのだが、何度観てもフレディがプロポーズするシーン、1人で乾杯するシーン、ラストのライブのシーンで泣く。

その効果もあって、今年もなんとか頑張れそうだ。

◾️まとめ

毎年名作揃いだが、なんだろう…全体的に切ない
いかに私が自分に対し悲観的で自信がなく、疲れやすいかが見て取れる。

とはいえ、なんだかんだ4年も観てきたのだ。この先もまだまだ、映画を観ていく気だ。
悲観的でもなんでも、映画の力を借りれば前を向けるのだから…。

思い出とリンクした映画は、ポスターを観るたびに当時のことを思い出す。
来年はどんな映画を、どんな気持ちで観るのだろうか。

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