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映画レポ|真夜中に観る『ONCE ダブリンの街角で』

こんにちは。
映画大好きまにしです。

土曜の真夜中に映画を観るのが好きだ。

独りぼっちの布団の上で、明日が来るのに抗って感傷に浸る贅沢。

今作はそんな気分にぴったりの映画だと思う。

◾️あらすじ

アイルランドのダブリンを舞台に、地元の男とチェコ移民の若い女がストリートで出会い、音楽を通して心を通わせていくさまを描いた感動ラブ・ストーリー。

ONCE ダブリンの街角で https://g.co/kgs/WNK52Jg

◾️アイルランド大好き!

アイルランドの首都、ダブリンの街中で1人演奏するシンガーソングライターの男。

映画は手持ちカメラで撮影されたようなブレブレの映像で、素人くさい男が熱心に唄うシーンから始まる。

アイルランドの街並みいいなあ。
路上には音楽が溢れ、少し街を離れたら自然豊か。私は映画を観るようになって、アイルランドが大変気に入った。

話を戻す。恋人と別れた男が路上で唄う歌は、夫と離れ貧乏に娘と暮らす女の足を引き留めた。

映画は、2人の運命が交わる瞬間の素晴らしさをこの上なく素朴に、美しく映し出す。
楽器屋で初めてセッションをするシーンのとてつもない運命感。この震える気持ち、わかりますか。

声が重なったとき、2人の間に何かが始まる予感がする。同時に、それが希望に満ちたものではない切なさも。台詞でなく、音楽を通じてわかる。
今作の監督、ジョン・カーニーの映画はこういった音楽が生み出す出会いを描くのが最高に上手い。

心の奥底にある孤独が繋げた関係は、どう足掻いても寂しさしか生まないとしても…うう、苦しい。

◾️関係には終わりがあるから綺麗だな

今まで散々言われてきた言葉だが、この映画を観ているとどうしても期限ある人生について考えてしまう。

2人が出会ってから別れるまでは、日数としてはとても短い。
でもなんか、時間的な短さを超えた経験ってあるよね。

それこそ、人生の最期にふと思い出すような一瞬。

私はこの映画が気に入ってるから何度も観ているけれど、小粒できらきらした、もう無くしてしまった宝石みたいなストーリーだと勝手に思ってる。

思い出のなかで、いつまでも眺めていたい。
綺麗だなあって思う。

◾️楽曲が良すぎるな〜

おそらく、今作で最も印象的なのはやはり2人が初めてセッションする「Falling Slowly」だろう。

ゆっくりと落ちていく…
う〜なんだそれ、単語だけでもう素敵すぎる。

しかしこの楽曲、今作で出会う2人にぴったりなわけだけど、実際はもともと男性側のオリジナル曲で、2人が出会う前に書かれた曲なんだよね。

元カノとの失恋ソングばかり書いている印象だった彼だけど、この曲はなぜ生まれたのだろう。

そんなちょっとした未来予知というか、そんなところが運命感を醸し出してるのかもしれないな。

◾️最後に

夢か現かわからなくなるようなまどろみのなかで、愛がいっぱい溢れた映画が見たい。

映画を観たその日は、まあ2時間しか寝れなかった。

次の日予定のあった私の体調は見事に終わったわけだけど、やっぱりやめられないね、土曜の夜更かしは。

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