組織行動論:リーダーシップ

リーダーシップの研究は非常に盛んにおこなわれている。それだけに、既存研究のレビューだけで膨大な量になる。

リーダーシップの研究の流れは以下のとおりである。

1. 特性理論
2. 行動理論
3. コンティンジェンシー理論

特性理論というのは、優れたリーダーの特徴を探す研究であり、リーダーシップの研究の初期に盛んにおこなわれていた。しかし、残念ながら優れたリーダーであることを示す特徴はほんのわずかしかないことが研究から明らかになっている。

優れたリーダーの特徴は

誠実さである
経験に開放的である(想像力豊かで好奇心旺盛)
外向的である(社交的である)

ということがあげられる。上記はパーソナリティのビッグファイブというもののうちの三つなので、詳細はそちらを調べてほしい。

優れたリーダーの特性が分かったところで、人をそのような性格に変えるのは難しい。つまり、リーダーを育てるという点では特性理論に関してはあまり役には立たない。

行動理論は、優れたリーダーの行動を分析しようと試みた研究である。いろいろな研究があるが、基本的に行動理論では二つの軸でもってリーダーの行動を分析する。一つは人間関係に関する行動である。部下との良好な人間関係を作ろうとする、といった行動がこれに当てはまる。二つ目は仕事のやり方に関する行動である。例えば、部下に仕事をする上での役割を提示したり、生産性を高めることを意識した行動をしたりである。

行動理論の良いところは、優れたリーダーの行動をまねすることで、他の人々も優れたリーダーになるための訓練ができることである。性格は変えられないが、行動は変えられる。一方、どんな時にどのような行動をとればよいかは、時と場合による。行動理論はそこまで踏み込んではいない。

コンティンジェンシー理論は、行動理論の発見をもとに、どのような状況の時にどのような行動をすればパフォーマンスが高くなるのかを明らかにしようと試みている。これはすなわち、状況に応じてリーダーシップのスタイルを変える必要があることを示唆している。

ある時は部下に指示を出すことでチームを引っ張り、またある時は部下に意思決定の参加を促し、チーム全体で物事に取り組むよう促す必要があるかもしれない。変幻自在にスタイルを変えることが望ましいと言える。

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