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ぱぷりか どっか行け!クソたいぎい我が人生 

岸田國士戯曲賞を受賞した前作の『柔らかく搖れる』が今年再演するのでその予習として今作を配信で見届けた。

夫に捨てられ自分を見失う母親と夢を追いかけたいけど一歩踏み出せない娘の物語。

濱口竜介監督『偶然と想像』での好演も光った母親役の占部房子。浮き沈みの激しい役を持ち前のチャーミングさでシリアスになりすぎない絶妙なさじ加減で見事に演じ切っていた。

そして一対一の会話の変化や幅を持たせるために、人をどこに置いて光を照らすのか限られた空間の中での試行錯誤に演劇の醍醐味を感じた。

夫という絶対的な存在を失いバランスを保つために占いやスピリチュアルに走ってしまう主人公だが、ニュースで流れる殺人犯やそれを傍観する私たちに圧倒的な差はなく、心の拠り所をどこに置くかによって我が人生が書き変わっていく。

他人は他人、自分は自分の人生を大切に。