見出し画像

思い出の焼き付く場所が燃えていく Zepp編

Zepp Tokyoと新木場スタジオコーストが閉館を迎えた。

この2つのライブハウスには、たくさんの思い出がある。Zeppが頭につくライブハウスは各地にあるが、わたしにとってのZeppはZepp Tokyoだった。新木場なんてライブを見に行く以外の用事で行くことは無かったと思う。

そこで、今回はZepp Tokyo(以下Zepp)について書こうと思う。

①放課後のZepp

放課後にライブが待っている日の授業中は、あと何時間か後にはZeppにいるんだという高揚感で頭がぼーっとしていた。

友達と下駄箱で待ち合わせをする。
着替え一式が入ったパンパンの黒いリュックを抱えて電車に乗り、東京テレポートに向かう。

駅の改札を出て、長いエスカレーターをのぼった先の空気を吸うと、どんどん心が浮き足立っていく。
同じバンドのグッズを身につけた人で溢れていて、その中に溶け込む。改札内のトイレでリュックにぐいぐいと詰め込んだ制服はもう息をしていない。

授業を受けているときの2時間と、ライブを観ている時の2時間は、何故こんなにも感覚が違うのだろうと不思議に思いながらライブを観ていた。

②Zepp 2daysという言葉の響きの良さ

04 Limited Sazabysのツアーで2日間Zeppに行ったことがある。

別れ際、一緒にライブを見た友人たちに「また明日ね」と告げた。1年に何度も来るような場所じゃないのに、あの2日間だけはまるでいつもの集合場所であるかのような素振りをした。

ソーシャルディスタンスなんて言葉が生まれる何年も前、汗や吐息が爆音を吸う場所に2日間行くのは割と体力を使うことだと思う。
もちろん演者や裏方はその何十倍も疲れるのだろうけども(ありがとうございます)。

疲れた記憶なんて一切ないくらい輝く2日間だった。正直細かいことなんて何ひとつ覚えてないけど、Zepp 2daysという響きがその思い出を照らして止まない。

きっとそれはZepp DiverCityやZepp Hanedaとは違うんだと思う。上手く言えないけど、きっと何度も一緒にあそこに行った友人たちや、あの場所を愛する人なら分かると思うのですよね。狭い層に向けた文章をすみません。


Zeppに行くには、トヨタの車が並ぶ場所を通るのが必須になる。あそこの匂いは独特で、広い空間の温度を調節するためにつけられたパワーのある空調と新車の匂いで充満している。
そこを抜ければ、すぐに誘導スタッフの声が聞こえて。

2021年の末、お台場に立ち寄る予定があってZeppにさよならを言いに行った。
上記に書いたことは、もう2度と感じられないのだと思った。

多分なんだかんだ1番行ったライブハウスなのではないかと思う。
いつか別の場所で更新されてしまうのかな。明確な数を数えているわけじゃないから更新されたことも気付かずいるのかな。


寂しいね。


でも大事なのは回数や残った写真じゃなくて、いつまでも忘れない自分の気持ちだと思う。
本当にあの場所が違う建物になったときに上手く書ける自信がないから今書いておこうと思った。

ありがとうZepp Tokyo!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?